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シナリオサンプル3
私には、いわゆる毒親がいる。
母「どうして?どうして、お母さんの言うことが聞けないの?」
母の口癖を思い出すと、今でも固まる私がいる。
30歳を過ぎても、私は昔の自分と母を自分の中から追い出すことが出来ない。
私はユリコ。
夫と2人の子供と平凡に暮らす主婦だ。
33歳、結婚して6年目。
毒母から離れてどうにか、平穏に昔を忘れようと生きている。
母「勉強が出来ないとダメなのよ。頭が悪いと、生きる価値なんてないの」
私の母は俗にいう教育ママだった。
勉強の大事さを私に言い聞かせて、小学校受験から熱を入れていた。
裕福な家で、教育にはお金をかけられた。
それは、母にとって好都合。
私にとっては、ありがた迷惑だった。
母「同い年の子に負けてどうするのよ!こんな点数、お母さんは恥ずかしいわ!」
ユリコ「ごめんなさい、ごめんなさい」
お受験塾のテストの成績が悪いと、母は私を容赦なく責めた。
時には怒りが収まりきらずに私の頭を何度も叩いた。
その度に私は大泣きで母に謝り、怒りが収まるまで正座をしていた。
昔を思い出すと、何をすればいいのか。
私は今でもそれが分からない。
母「ユリコ、あの子達は?受験させるのよね?」
私の娘達を見る母の目に、かつての嫌な光があった。
私を責め、思いきり頭を叩く鬼のような母の目。
ユリコ「あぁ、あの子達には受験は……」
母「え!何よ!もしかして公立に行かせるつもりなの?」
信じられないと叫ぶ母を前に、私はやはり固まってしまった。
自分を変えたい。母から本当に逃げ出したい。
私は初めて本気で、そう強く思った……。