瞬発力を向上させるためのコツとトレーニング法について
何事においてもできる人は力の入れどころ、抜きどころをよく理解しています。スポーツにおいても同様です。
大抵の人は常に力んでいることがほとんどです。
本番で緊張してしまって力を出せないようなタイプの人は実力を磨いたり真剣勝負の練習をするよりも、緊張する状況下で手抜きをする訓練をしたほうが勝利への近道になるかもしれません。
特に瞬発力が必要になる競技なら尚更です。
瞬発力は脱力と入力の上昇差で生まれる
簡単にいえば完全に力が抜けた状態からフルパワーになるときに最も瞬発力が発揮されるということです。
完全に力が抜けたふにゃふにゃの状態(0%)からフルパワー(100%)に筋力が発揮されればその差は100です。
一方で大会や試合などで緊張しているときであればある程度身体に力が入った状態になっています。その状態を50%とすると、そこからフルパワーになれたとして発揮できる力は100-50=50です。
練習中はしなやかで機敏に動いている人でも、試合などになると肩をいからせて力んでキレが悪かったりなど見受けられますが、それはこれが原因です。
つまり瞬発力とは瞬間的な力の飛躍のことです。力の急上昇の幅をなるべく大きくするためには初期状態をなるべく力が抜けた状態にすることが大事です。
力を入れる=関節を固める
たとえば力こぶを作るために拳を握り込んで腕に思い切り力を入れてみると、当然ですがその力が入った状態で腕を曲げ伸ばしするなど動かすことができないはずです。
力が入るほどに関節が固定されてしまいます。そのため筋肉の可動域がそれだけ狭くなってしまうのです。
静止した状態で力を入れていると当然動きの妨げになってしまいます。
瞬発力を活かしてキレのある動作をしたいのであれば動作前には可能な限り脱力して関節をロックしないことが肝心です。
たとえばパンチを撃つなら撃つ前から力んでいると制止する力がはたらいてしまいます。
しかしリラックスした状態から腕を伸ばし始め、伸びている最中に力を込めることで、腕を伸ばす方向に向かって関節をロックする力がはたらきます。
つまりパンチを走らす方向に運動する力がはたらくということです。
瞬発力を活かすためには、動作の最中に脱力と入力、つまり力のオンオフの切り替えをいかに自由に行えるかにかかっています。
強い人のパンチやキックの動きは、動いている最中は手足が鞭のようにしなっていますが、インパクトのときには鉄の棒になります。
慣性に身を任せるタイミングを覚える
たとえば私の好きな技にc720という蹴り技があります。
2回転して蹴りを放つ飛び後ろ回し蹴りです。
これには大きく力を入れるタイミングが2つあります。
ひとつは踏み切りと捻り出しのタイミング。つまりジャンプして回転もかけるとき。
もうひとつは蹴りを放つとき。
瞬発力は力のオンオフで発揮するものなので、蹴りを放つ前にはオフの状態になっていなければいけません。
つまり
踏み切りのとき(オン)→空中で回転しているとき(オフ)→蹴りを放つ(オン)
になっているということです。
空中で回転中に力が入っていると蹴りを出すことができません。つまり回転は惰性で行っているということです。最初の捻り出しのときに加えた力にそのまま従うということ。
スポーツにおける運動は複合動作が多いため、このように動作の最中にオンオフを切り替える必要があります。
運動神経が良い人はこのオンオフの切り替えのタイミングを掴んでいる上、一切の迷いもありません。
力むと妨げになるタイミング、惰性で動いて良いタイミング、そして力を発揮するべきタイミング。
自分がする動きを分解して上記の3つに分けてみましょう。それを踏まえて反復練習をすれば、努力で瞬発力の極意を掴めます。
反射を利用する
中学の理科で習ったやつですね。
熱いやかんなどに触れたときには頭で「熱い!」と思う前に手を引っ込めてしまうというもの。
脳を介さず、脊髄と筋肉だけの連絡網で動くので速いというやつですね。
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