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比−もっとも深遠なる宇宙の等式−

はじめに

 今回の記事は、私が日頃記事を書くことのキッカケになったことについて綴っていきます。
 「比」というタイトルですが、いつも紹介している黄金比は今回登場しません。ですが理に関する深淵な比についてですので、面白いと思って頂けるはずです!

 思い返せば、ある本を読んでいた時たまたま出てきた図表を計算していたら「あれ?色々と繋がっているぞ!」「しかも難しい計算なんて必要としないじゃないか!」と知的好奇心が最高に昂ったことがキッカケでした…
 前回のコラボスペースの記事とロディンフラクタルの記事とを綴ったことで、今回の記事で説明することのピースが埋まったので、念願叶いまして綴ることが出来ました。知恵の探究を導いてくださった先達の方々、日頃の情報発信にリアクションをして下さる皆様に心から感謝申し上げます!
 私の自己満足と言いますか、わがままな記事になりますが最後まで読んで頂けたら幸いです!


世界霊魂とは?

 まず初めに「世界霊魂」について説明していきます。…といきなり難しそうなワードが出てきましたが大丈夫です!仰々しく感じる言葉ですが意外とシンプルなことです。馴染みのない言葉だからと諦めないで下さいね!私も最初はさっぱりでしたから。

 では、その世界霊魂についての引用から見ていきましょう。

 錬金術の基本的な考え方を一言で説明すると、次の様になる。すなわち、あらゆる自然現象やこの世界に存在するすべてのものには、生きた宇宙的エネルギーである第1原因が働いている。この第1原因はさまざまな現象の中で活動しているが、本質的にはただ1つのものである。言い換えれば、存在するのはこのエネルギーだけであり、それが限りなく多様な形をとって現れることで、世界が成立しているのだ。
 錬金術師たちは、この第1原因を「世界霊魂」と呼んだ。デスパニエによれば、世界霊魂は「自然界のさまざまな活動の中に放出され、神秘的で永続的な力によって、普遍的なものや個別的なものをその種類に応じて動かす」のである。こうして錬金術師は、世界霊魂によって統一的に世界全体を説明しようとする。

アンドレーア・アロマティコ『錬金術−おおいなる神秘』


 上記の錬金術の引用からピックアップすることは「第1原因=世界霊魂」です。前回のコラボスペース記事ともリンクするのですが、この言葉を別のものに置き換えますと、数字であれば「0.1.」、幾何学であれば「点・円」、さらに別の言葉ですと「最も古き者」です。
 この「第1原因=世界霊魂」がすべての始まりであり、自然や物理法則、様々な現象など全てに含まれ、関係や影響を与えた結果、世界を成立させています。

 このままではピンと来にくいと思いますので、少し簡単に落とし込んで考えてみましょう。前回のコラボスペース記事でも書きましたが、数や幾何学は唯一無二ですので、万物に影響しているに直結します。シンプルな数や幾何学は物事をシンプルに理解できますので、今回もその視点から理解を深めていきましょう。


 例えば数字では、「無である0」そして「有である1」から始まり2.3.4.5.6.7.8.9.10…と1ずつ数が増えていきますね。たとえ桁数が多くなろうとも、1ずつ数字が増えていくと言うことは、全ての数字に1が含まれているということです。そして全ての数字の始まりが0.1.ですので、第1原因は0.1.と定義できます。

 次に図形(幾何学)について。最初にできる多角形は三角形です。何故なら最も頂点・辺が少ないシンプルな多角形だからです。三角形よりも頂点・辺が少ない多角形は存在しません。
 ですが、三角形が図形における第1原因ではありません。その理由は作図の過程から理解できます。正三角形を作図する際にはまず、点をとり円(弧)を描くことから分かる通り、最初に描く図形は円です。

正三角形の作図

 この作図の過程からも分かる通り、最初に出来る図形は円ですので、図形(幾何学)における第1原因は点と円とであると定義できます。

宇宙は数学という言語で書かれている。その文字は三角形と円と、その他の幾何学図形である。これが無かったら宇宙の言葉は人間にはひと言も理解出来ない。

ガリレオ・ガリレイ


 説明した「0.1.」「点と円」は、数字においても幾何学においてもそれぞれ始まり・原初のものであるため、賢者たちは「最も古き者」と呼びました。それは認識可能な属性を次々と取り払っていくと行き着くもの。

 少し抽象度を上げてみましょう。三次元空間において様々な物体が存在していますが、最もシンプルな形は四面体です(最少の頂点・辺・面の数)。次に二次元においては三角形(最小の頂点・辺)。そして、その三角形を構成する辺は、書き初めの点と書き終わりの点を結ぶ線の世界。そう、一次元です。更にその線を分解すると一つの点が残ります。0次元です。

 この様に認識可能な属性を次々と取り払い残ったものが「最も古き者」、今回の記事で言うなれば「第1原因=世界霊魂」です。
 我々が認識している様々な事物や現象は複雑な姿形をしていますが、突き詰めていくと宇宙の始まりである第1原因=世界霊魂から様々な形態を経て構成されているものです。
 銀河団や銀河群、天の川銀河、太陽系、地球、そして自然や人間、細胞構造…などなど、どれも複雑であったりシンプルな形などをしてはいますが、次元を落とし込み、究極にシンプルに突き詰めていくと、生命であろうと、物理法則やエネルギーであろうと、全てのものは世界霊魂(0.1.や点・円)が始まり。言うなれば「世界霊魂」からの関係の結果であるということです。

 鉱物をはじめこの世界に存在するすべてのものは、唯一の神を起源とする固有の生命(世界霊魂)に突き動かされている。この唯一の神が世界霊魂に物質という衣を与えることによって、宇宙は物質化した世界霊魂の集合体となる。こうして、宇宙に存在するすべてのものは世界霊魂から一元的に形成され、すべての被造物は多種多様な形をとってはいても、本質的には単一のものだということになる。それゆえ、天上界と地上界の間には本質的な差異が存在しなくなり、形而上学と自然科学の境界線にも意味がなくなる。

アンドレーア・アロマティコ『錬金術−おおいなる神秘』


 …どうでしょう?何となーく世界霊魂のイメージを掴んで頂けましたか?

 次の章では上記の引用をもとに、本記事の要である、世界霊魂と天上界・地上界、もしくは形而上学と自然科学の境界線についてを「比」の視点で繋げていこうと思います。(またまた難しそうに感じるかもしれませんが、過去の記事とリンクしますのでご理解頂けるかと思います!)



連続比例式

 ここからは数字の符合や繋がりを紹介していきます。難しい用語の解説はありませんが、過去記事で紹介していたことが登場します。記憶を呼び起こして頂いたり、必要であればリンクを踏んで確認していただければと思います。

 まずはプラトンの「世界霊魂」に関する引用を見てみましょう。

 プラトンは、連続比例式をもっとも深遠なる宇宙の等式とみなした。その著書『ティマイオス』によると、世界霊魂は、数列1、2、4、8と1、3、9、27をつうじて、形相(純粋数学をふくむ)からなる天上(上方)の知性界と、物質からなる地上(下方)の感性界を結びつけ、ひとつの調和のある共鳴をつくりだす。これは連続比例式1:2::2:4::4:8と1:3::3:9::9:27とあらわせる。

スコット・オルセン『黄金比−自然と芸術にひそむもっとも不思議な数の話』


 上記の引用は、私が記事を書き始めるキッカケとなったルーツの様な引用です。(感慨深い…)この本を読んでいた頃は、いつもの数列や黄金比を暗記することに手一杯だったせいもあり、「世界霊魂」や「比」の重要性などわからずチンプンカンプンでした。
 そしてこの引用部分には表も添えられています。それが以下の表。

ラムダ型図表


 極めてシンプルな表です。尚のこと「ただの比の表じゃん。この表で何が伝えたいの?」と思いました。今でしたら分かるのですが、数や幾何学はシンプルが故に理に直結している。



 ここで簡単に表の解説をしますと、三角の左右外側の数字はそれぞれ1:2、1:3の比で増えていっています。「1:2::2:4::4:8」と記されているのは「1:2=2:4、2:4=4:8」と言う意味で、1:2の不変比で増えていっていると認識していただければOKです。
 そして、三角の間にある数字は2:3の比で増えていっています。表の2段目を例にして見てみますと、2:3=4:6、4:6=6:9。下の段にいっても同じ仕組みです。



 私は好奇心から表の続きが気になり、計算してみることにしました。それが以下の表です。

 この表を順に上から計算していった時、私の知的好奇心が昂ったのを覚えています。ですが、この記事を読まれている方は計算後の表を見ているので温度差があるかもしれません。ですので分かりやすく色をつけた表をお見せします。

 世界霊魂と比についての説明の表から、いつもの「3³=27からはじまる特別な数列」が登場しました。
 この数列が上記のプラトンが世界霊魂に言及していた引用で登場した「形相からなる天上(上方)の知性界」の数字です。

 この数列については過去記事で紹介していますので今回は触れません。詳しく知りたい方は↓のリンクからどうぞ!


 では反対に「物質からなる地上(下方)の感性界」の数字とは何でしょう?それは、ロディンフラクタルの記事で登場した369を除いた「124875」。
 ですが1248は表に出てきていますが、続きの75が途切れていますね。と言うことで、そんな時はカバラ式をしてみましょう。カバラ式は数字を一桁にすることによって数字の本質を見抜くことができます。(例えば55と言う数字でしたら、55→5+5=10→1+0=1と言う具合)

 二桁以上の数字を一桁にしたものが色付きの数字です。カバラ式により左側の1:2の数字はロディンフラクタルの「124875」の回りと同じ数字が浮かび上がりました。(この様な数字の符合を自分で見つけた時、学びって楽しいな!と心から思います)
 そして表では途切れていますが、この先の数字も124875の繰り返しとなっています。

 ここで124875がなぜ「物質からなる地上(下方)の感性界」の数字なのかを説明しますと、その理由はロディンフラクタルの記事でも紹介しましたが、繰り返す数字であり、数字の回りがトーラス構造との符合を示すからです。


 ひとつ注意して頂きたいのが、「物質からなる地上(下方)の感性界」の数字について。”地上”と書かれていてややこしいのですが、地球上に関する数字というより「生命を形造るエネルギー:トーラス」との符合だと認識して下さい。トーラス構造は地球だけに限ったものではありませんから…


 少し情報量が増えてきましたね。では、ここまで書いてきたプラトンの引用にあった表から導き出せた数字と、世界霊魂と天上界・地上界、もしくは形而上学と自然科学の境界線についてを「比」の視点で繋げてまとめていこうと思います。


まとめ


 まず、表をの続きを計算することによって「27.54.108.216.432.864」のいつもの特別な数列が現れました。特別な数列は一桁まで足し算していくと全て9になります。
 そして表の三角内を見てみると、369の数字で埋め尽くされています。369の数字の性質は、掛け算からよく理解できます。369の数字が関わる掛け算の答えは369の数字になります。

左:掛け算表 右:答えを一桁にしたもの(カバラ式)

 上記の掛け算の表では369の赤いブロックと緑のブロックが別れていますね。その数字は124875。
 以前の記事ロディンフラクタルでもそうでしたが、今回紹介している三角の比の表、左側1:2の数字でも124875。

 これが369と124875が異なる数字の性質である理由です。それを今回紹介している表からも導き出せました。

 上記の事と「形相からなる天上(上方)の知性界」「物質からなる地上(下方)の感性界」にそれぞれ数字を当てはめますと、

天上界:形相からなる天上の知性界→369
地上界:物質からなる地上の感性界→124875

となります。
 369及び3³=27から始まる数列「27.54.108.216.432.864」は、この世を形造る普遍的な数字であることから形而上学と結び付けられ、天上界の数字とされます。

 反対に124875は、物質や自然科学に結び付けられる数字で、繰り返す数字の性質、その数字の巡りから「生命を形造るエネルギー:トーラス」との符合を示しているため地上界の数字と定義できます。

1→2→4→8→7→5の数字の回り
369は369だけで成り立つ


結論

 これら天上界の数字と地上界の数字とを結びつけるのは「」です。引用においてプラトンは「連続比例式をもっとも深遠なる宇宙の等式」としていました。
 その理由は、表においての第1原因=世界霊魂は「1」であり、1から始まった1:2、1:3の比はそれぞれの比が影響し合い2:3の比で結びつき、理に関する数字を導き出すからではないでしょうか。
 換言すれば、天上界の数字、地上界の数字は「比」によって結びつき、その比によって万物は調和し、共鳴しあっていることを示していると言えます。

1から始まった1:2、1:3のそれぞれの比。
それぞれの比が影響し、三角の中は2:3の比で結びついている。
この比例式からは理に関する数字が得られた。
1から始まった異る比は調和し、共鳴している。



終わりに

 今回の記事は以上になります。抽象的なテーマであったのでピンと来にくい内容だったかと思いますが、数字の性質や考え方を少しでも理解していただけた様でしたら幸いです。

 冒頭でも綴ったのですが、本を読んでいて気になった図表を実際に自分の手で計算してみたことがキッカケで私は記事を書くことを始めました。

 それは間違いなく好奇心。もしこの記事を読んでくださったあなた様も何か興味のある事があったり、好奇心が揺さぶられる様なことがありましたら、是非行動に移してみて下さい!今まで分からなかった事が理解できたり、何かのキッカケになるはずです。
 最後は偉そうになってしまいましたが、また次回の記事も読んで頂けたら心から嬉しく思います。


「自分がやっている行為を「別に社会的成功も他人の評価もいらない。ただ単に楽しいからやっている」と言い切れるくらい好きになることが重要です」

苫米地英人



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