[ Decode:Art ] 国連本部 絵画「チェルノブイリ」
本日の記事は国連本部に寄贈され飾られている絵画「チェルノブイリ」について。
何とも独特なタッチの作品ですよねー。実はこの作品、タペストリーなんです。
このタッチと象徴のお陰で一度見たら頭から離れなくなりましたので、記事に書こうと思い立ちました。
…と言っても絵画の解説をする訳ではなく、絵画のパス・構図についてサクッと見ていきましょうと言う記事になっています。
実は今回、霜月やよいさんの記事に触発されてのこの記事。
長年魔女の元でしごかれましたので、その知識を使いDecodeしてゆきます。
今回も私の記事では黄金比(1:1.618)をはじめ、数字が登場します。簡単ではありますが記事にしてありますので気になる方はこちら。
それではサクッと見ていきましょう!
絵の構図
作品「チェルノブイリ」ですが、作者はアレクサンダー・キシュチェンコ。
タイトルの通りチェルノブイリ原発事故とその後の対応に問題があったこと、背景についての作品だそう。
絵の大きさは12.6フィート×33フィートで、1991年9月19日に国連に寄贈。
象徴的な数字が並びますねー。
さすが国連に置かれているだけあって数字も興味深いですが、本題の絵の構図もしっかり計算されていて興味深いです。
ではここから絵の構図について見ていきます。
この絵は「1:2.618」の比率で黄金比のキャンバスになっています。パスで分けますと、両サイドは正方形で、中心が黄金長方形。
その独特なタッチ故に、絵が頭から離れなくなったのかと思いましたが、絵の構図が黄金比でしたね。
補足になるのですが、人間の視覚は空間や構図を眺めるとき、無意識に比やリズム、パターンなどの秩序を探してしまいます。絵画においてパスの線上・交点に、目や心臓、指先、その人物のシンボルとなる物を配置をすれば秩序が生まれ、作品全体が調和します。
と、早速いくつか該当していますね。
中央人物の目・心臓
竜退治
左人物の掲げる本の目etc…
続けて数字を見ていきましょう。
取ったパスを細かく見ていくと、対角線から√2と√3を見出すことができます。
この対角線のパスを取ることによって幾何学が浮かび上がります。
わかりやすいように色を塗っておきました。√2と√3の五芒星です。
五芒星が絵の中心に向かっています。
私たち人間の目線は、無意識に画面中央に最も引力を感じてしまいます。
チェルノブイリの構図の様に、三体の人物を均等に配置し描く場合、最も目立たせたい絵のテーマや主役は、中央に配置されることが多いです。(もちろん他の作法あり)
つまり中央人物が重要。その中央は黄金長方形に囲まれ、中央に向かって√のマリアージュの五芒星が対で向かっています。
ここまで最初に取ったパスを見てきましたが、既に目や心臓などいくつかの重要ポイントが押さえてあった上に、しっかり黄金比と√を計算し使用していますね。
では今度は別のパスを追加し、絵を見ていきましょう。
作品「チェルノブイリ」では原子炉内部が描かれているのですが、炉心の上下に横線2本を追加しました。
追加した2本の線の間を通る中心線、この中心線が丁度黄金分割線。つまり黄金比になっています。(0.25:0.404≒0.618:1)
そして上の線は、
三人物の目
赤子の掲げる知恵の実
を通過しています。やはり重要な箇所はパス上に配されていますね。
ではもう一丁パスを追加します。
今度は2つの五芒星を中央に追加しました。
ただ適当に五芒星をはめ込んだ訳ではなく、大きい五芒星(赤)は先程追加した黄金比の線にはめ込むと、両サイドの対角線(丸印)にピッタリ重なります。
そして小さい五芒星(黄)は、縦横の中心線と大きい五芒星内に納まります。
このパスにより、それぞれ大小の五芒星は、
掲げられた原子構造
竜退治
両翼
両足
炉心の枠
が納まっていますね。蛇足になるかも知れませんが、この記事を書きながら絵を見返していて、中央大小の五芒星、かなり綺麗に絵とパスが計算されている。
では最後にパスの全盛を画像を。
この絵画の三人物がそれぞれ掲げてる物は「本・原子構造(化学)・知恵の実」と、それぞれ知恵に関する物ですね。そして三つの対象が出てきたら三位一体。
創造・維持・破壊
慈悲・中庸・峻厳
生・死・時間
月・太陽・土星
最も古き者・似て非なる対
などなど。あなたにはこの作品がどの様に見えましたか?
終わりに
ここまで「チェルノブイリ」のパス・構図をサクッと見てきました。以上になるのですが、終わりに個人的に気になる箇所をピックアップして本記事を締めたいと思います。
気になるのは同じく国連本部ビルに飾られているこちらの絵。
霜月さんがこちらの絵を記事と動画で取り上げていましたので記憶に焼きついている方もいらっしゃるのでは無いでしょうか?
こちらの絵の中央下部には剣に貫かれたトカゲ(竜)と不死鳥が描かれています。
また、今回の「チェルノブイリ」にも竜(退治)と不死鳥が描かれています。
「おいおい、トカゲと竜は別だし、それぞれ違う鳥じゃんかよー」とのツッコミを入れてくる方がいらっしゃるかも知れませんが、どちらも同じ象徴です。
そのことについてマンリー先生の本から引用しましょう。
どちらでも同じフェニックス(不死鳥)ってことです。同じ様にごく僅かの想像力を活用すればトカゲ=竜。
ベンヌもニワトリもフェニックスも太陽と時間(周期性)を象徴します。(ついでに薔薇十字団のフェニックスとも被りますよね?)
この竜(退治)と不死鳥、どちらも別々のテーマの絵なのに、同じ象徴を用いていることに引っ掛かりますね。というか二つの象徴以外にも似ている様な…
マンリー先生の引用にあった「古い国から生じた新しい国を表すのにフェニックスが用いられて然るべき」、国連という国際機関に飾られている、似ている気のする二枚の絵画…
と、今回の記事はこれにて終わりです。歯切れの悪い終わり方ですが、冒頭で絵の解説よりもパス・構図に重点を置くと言っていましたのでご容赦を。ご意見・ご感想、質問等ありましたらお気軽にTwitterにてメール下さいませ。
最後にお知らせになるのですが、noteのスキ、フォロー、マガジン追加のお礼メッセージをマイナーチェンジしました。本当にマイナーチェンジですので期待せずにスキなどを押してやって下さいませー!
偶然?それとも必然?
※無断での引用・転載禁止※
本記事を引用・転載されたい方はTwitterにてメールして頂けましたら対応します。
noteプロフィールにあります、Twitterアイコンからどうぞ。