メディカルアロマの使い方【番外編】
皆さん、こんにちは!
MART認定講師 作業療法士の市川麻衣です。
北海道は雪も降り冬本番、ストーブが欠かせない時期となりました。
雪が多い日は雪かきのために早起きなので憂鬱です…
さて、今日のコラムのお題はアロマの使用法【番外編】です!
患者さん以外にアロマを使った小話を紹介したいと思います。
アロマをコミュニケーションツールに
私は自分の自己研鑽目的でアロマトリートメント練習を
職場のスタッフや家族など身近な人に行っています。
知識もですが、特に徒手的な技術は定期的に
実際に身体に触れて実践しないと忘れてしまいがちだからです。
ある年は、せっかくやるなら1年目の後輩にやってみよう!
と1年目の後輩にトリートメント練習に協力してもらいました。
入職したばかりの後輩と話してみたいのもありました。
トリートメントを行うにあたり、その人に適した精油を選ぶ必要があるので
1人1人事前に問診しその人にベストな精油を選択していきます。
問診時には服薬歴やアレルギー、現病・既往歴など聞く他に、
最近の体調や場合によってはプライベートな話をする時もあります。
私が問診する時に気をつけている事は
① 問診前に安全に精油を使用するために必要最低限の情報は
教えてほしいけれど、それ以外に話したくない事は
無理に話さなくて良いこと伝える
② 個室などプライバシーを守られる環境下で話をする
③ 問診内容は誰にも言わない、問診表も終了時に破棄するなどの守秘義務の提示
④ 質問攻めにせず、世間話をしつつ楽しい空気感で話す
安心してトリートメントを受けてもらうために、
このような相手への配慮を忘れないようにしています。
普段もですが「先輩」と「後輩」と言うお互いの立場は、
どうしたって揺るがないので、先輩の立場を乱用せず、
節度と配慮を持った振る舞いを忘れないようにしています。
実際に業務終了後に上肢のトリートメントをしてみると、
どの後輩も筋緊張が亢進していて身体全体がガチガチでした。
就業後は特に疲労感の蓄積で当然ですね。
トリートメント中に仕事の話をすると「大丈夫です。」と
言う人が多かったです。
でも、身体は正直なもので、無意識に身体の力がグッと入り
筋緊張も亢進して全然大丈夫じゃありませんでした。
(施術者の私の存在も緊張を高める要因だったかも。)
社会人1年目、大丈夫じゃないなんて軽々しく言えないですよね...
自分が1年目の時もそうでした。
アロマトリートメントは一定のリズムで触れ、
身体をほぐすのでリラックス効果が高く、
人によっては眠ってしまうこともあります。
後輩もトリートメントの後半は徐々に力も抜けて、
終了時には筋緊張も緩和されて身体の動きも軽やかになっていました。
リラックスできる状況では、人は本音で話をしやすくなります。
最後の方に後輩の悩んでいることや困っていることが聞けました。
面と向かって話しにくいことも、作業や活動をワンクッション挟むことで
本音や大切なことを話せたりします。
作業療法はまさにその1つですし、アロマトリートメントも
コミュニケーションツールとしても優秀です!
患者さんだけではなく、職場の人や身近にいる大切な人へ、
こんなメディカルアロマの寄り添い方もあります。
自分の言葉で伝えること
私は、トリートメント終了後に1人1人の問診表に、
施術後のコメントを記入してお返ししています。
自分の身体のことを客観的にみる機会にもなるからです。
コメントには筋緊張の亢進部位や疲労度などの客観的評価と、
セルフケアポイントの他に労いの言葉を添えています。
1人1人頑張っていることや悩みは違いますが、
「頑張っているね。でもね、たまには肩の力を抜いて逃げたっていいんだよ。」
そんな気持ちでコメントを書いてお返ししています。
言葉って不思議なもので、人からかけられた一言で傷ついたり、
落ち込むこともありますが、たった一言で頑張れたり、
心が軽くなったりもするんですよね。
だからこそ、言葉の選び方を気を付けたいものです。
私は人の気持ちを察する洞察力や共感力は低い方です。空気読めない。笑
そんな私から見ても間違いなく頑張っている人や努力している人には
「すごい!」、「頑張ってる!」と自分の言葉で伝えたいなと思います。
さて、今年私が書くコラムはこれが最後になります!
お付き合いして頂きありがとうございました!
皆さんにとって2025年が良い1年になることを願っています。
MART認定講師
作業療法士
市川麻衣