ペット飼育におけるネグレクトについて考える。<参>
※ これは、ペット飼育ネグレクト疑惑動画をupしているYouTubeチャンネル『やまねこと猫』の動画を振り返り、問題点を検証していく記事である。
■ とん挫したTNR活動
映像の編集をしていた深夜、仔猫を新たに保護したおじさん。
その後、ネネを保護した山へふらりと訪れ、多くの野良猫の存在を確認したおじさんは、個人的にTNR活動を始める事を決意したという。
※ TNR活動とは:捕獲器などで野良猫を捕獲(Trap)し、不妊・去勢手術(Neuter)を行い、元の場所に戻す(Return)活動の事。これらの頭文字からTNR活動と呼ばれ、その目印として耳先をV字にカットする。
TNR活動は主に保護団体が行う事が多いが、個人で禁止されている訳ではなさそうなので、おじさんがTNR活動を始めるのはなんら問題は無いと思う。
ネネを保護したという山で新たに保護したのはネネに似た顔立ちの仔猫2匹。
その後、おじさんの家の近所の仔猫が1匹捕獲された。
当初は里親を募集する事に決めたのだが、募集条件がかなり厳しいものとなっていた。
最初に提示された募集条件がこちらである。
・山口県か隣接する場所にお住まいで私(※ 注釈「おじさん」のこと)が連れて行ける場所
・既婚者であり夫婦で面倒を見れる方
・戸建て住まい マンションやアパートは不可
・年齢50歳以下であること
・室内飼いをしてくださること
以上の条件を前提の上 事前の住宅調査 家庭訪問 身分証明書のコピー預かり 誓約書等をもらう
続いて提示された募集条件がこちら。
・2次譲渡を目的としない方(保護団体、法人は不可)
・戸建て、マンション在住の方(賃貸物件は不可)登記簿確認します
・ケージ飼い・紐飼いは不可
・生涯家族の一員として、責任と愛情を持って育ててくださる方
・室内飼いを約束してくださる方
・18歳以上で経済能力のある方
・既婚者で夫婦、家族で猫の面倒をみてくださる方
・一人暮らし、同棲中のカップル、未成年への譲渡は不可
・65歳以下の方(今から20年面倒を見ることを前提として)
・山口県在住もしくは近隣の県にお住まいの方(遠方の方でどうしてもという方はご相談ください)
・飼育できなくなった場合は連絡してやまねこ家に返してくださる方
・トライアル期間はありませんので覚悟を持って応募できる方
用意いただく書類
・世帯全員分記載の住民票
・世帯主と配偶者両方の保険証
写真で撮ってメールで送っていただきます
そして、最終的に提示された条件が以下である。
・2次譲渡を目的としない方(保護団体、法人は不可)
・戸建て、マンション在住の方(賃貸物件は基本不可)
・ケージ飼い・紐飼いは不可
・生涯家族の一員として、責任と愛情を持って育ててくださる方
・室内飼いを約束してくださる方
・18歳以上で経済能力のある方
・既婚者で夫婦、家族で猫の面倒をみてくださる方
・一人暮らし、同棲中のカップル、未成年への譲渡は不可
・65歳以下の方(今から20年面倒を見ることを前提として)
・山口県在住もしくは近隣の県にお住まいの方
・飼育できなくなった場合は連絡してやまねこ家に返してくださる方
・トライアル期間はありませんので覚悟を持って応募できる方
緩和された募集条件でも、持ち家に拘ったり里親側の個人情報を何に使うか明記せずに開示する事を求める一方でおじさんの個人情報は一切明かさないと宣言したり、と本気で里親を募集するつもりがあるのか分からないものばかりである。
条件を満たす里親はなかなか現れず、最終的にはネットでの里親募集を停止した。
知り合いなどで譲渡する可能性は”少しは”あるとしながらも、恐らくこのまま15匹の猫を飼育し続けるつもりなのだろう。
おじさん自身が室内飼いを徹底できておらず、少し前に問題になった回虫や猫風邪の蔓延などが度々引き起こされるのでは?と思うと、この家の猫たちに救いの手を差し伸べたくなる。
治療費や薬代がかかるといった金銭的な事は飼い主の飼育方法に伴うものなので気にはならないが、辛い思いや痛い思いをするのは猫自身だという事を、おじさんは理解しているのだろうか。
余談ではあるが、歯周病が判明し抜歯手術を受けたネネに対して『ごめんね』や『申し訳ない』という言葉が動画内で語られた記憶は無い。
”完全におじさんの落ち度”と言うのであれば、あのような言い訳のオンパレードにはならないと思うのだが……。
■ 相次ぐ病気と数々の『言い訳』
1月下旬にupされた『ネネが最近動画にあまり映らない理由』においてネネが猫小屋にこもりきりでご飯も食べ損ねており、病気ではないかと心配していたとしながらもすぐに病院へ連れて行く事はせず、ネネはそのまま放置されてしまった。
また、後日チュールに興味を示さなかったネネに対し、『チュールに反応しない猫がいるだと』と冗談めかした発言をする始末。
その後、病院へ連れて行ってもらえたのは、血尿という体調不良が目に見える形で確認できる段階になってからだった。
病院へ連れて行ってもらえた猫は、風邪気味のモモ、前日から食欲が無く誤嚥による腸閉塞が心配なゴン、そして”最近”食欲が無いネネの3匹。
ネネを連れて行く理由としては血尿の疑いからなのだが、もしネネでなければ全頭の検査を行う必要があるという。
ゴンは仔猫なので余計に心配するのだろうが、ネネの食欲不振は1週間前、もしかするとそれより以前から食欲不振だったかもしれないのに、『病気かななんて少し心配してました』と軽い扱いになっている。
おじさんが莫大な収益を得るきっかけを作ってくれたネネも、仔猫という新たなコンテンツの前ではありがたみが薄れるようだった。
歯周病、血尿に続き今度は血便が発覚する。
再び該当しそうな猫のみを病院へ連れて行き、最終的には尿路結石ができつつあった炭治郎への言い訳が上の画像である。
先日は『歯周病に配慮した』餌で、今度は『結石』に配慮したものだ。
そんな万能薬的な餌があるのか疑問ではあるが、それが本当であればなぜここまで重症化してから病院へ連れて行くのか。
考えられるのは、猫たちをそれほど大事だと思っていないか、お金をかけたくないか、の二択なのだが、もしかしたらその両方なのかもしれない。
猫たちは日常的に猫小屋で過ごす事が多い。
害虫や害獣が侵入したとして、猫たちがそれを口にしないという可能性はゼロではなく、今回のような不安は今後も尽きないと予想する。
病気の蔓延を防ぐためにもきちんとした猫用のスペースを確保するか、家の広さに合わせた頭数に減らす方が、猫たちにとってもその家に住む家族にとってもストレスなく暮らせると思うのだが、収益に目がくらんでいる状態のおじさんはそのような事を考えないだろう。
そう思うと、やはりこの家での生活は猫たちにとって劣悪な環境下であると言えるのではないだろうか。
■ 最後に
この記事をもって『やまねこと猫』の動画検証を終える事にする。
全ての動画を視聴し、この家の猫たちがペットネグレクトを受けていると判断したため、先日、該当する機関に情報を提供させて頂いた。
それぞれ担当の機関においてその情報を共有するとの返信を頂いたので、あとは行政などの判断にお任せする事にした。
動物虐待及びペットネグレクトを行っていると判断された時、ある日突然おじさんの家に訪問者があるかもしれない事を念頭に、きちんとした猫の飼育をしてほしいと思う。
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2021/4/20、記事作成。
2021/9/4、転載・加筆修正。
2021/12/16、画像削除・加筆修正。