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『Vaundy』 にコロサレル!

新宿駅南口。
今では再開発の末にすっかり様変わりしてしまった風景。
まだこの場所がそこまで近未来になる前、ガードレールの前に人だかりができているのを見た。
甘く溶けるような声と夜の東京にまとわりつくような曲。街の雑音。
それがVaundyを初めて知った瞬間だった。
今回はそんな今大注目ミュージシャンのVaundyについて。


Vaundyとは?

現役大学生 20歳。
作詞、作曲、アレンジを全て自分でこなし、デザインや映像もディレクション、セルフプロデュースするマルチアーティスト。
2019年春頃からYoutubeに楽曲を投稿し始め活動を開始。(現在Youtubeトータル8600万回以上、サブスクリプション1億8000万回以上 再生突破)「東京フラッシュ」「不可幸力」など、耳に残るメロディーに幅広いジャンルの楽曲を発表すると瞬く間にSNSで話題に。
ー公式HPより抜粋

“ミーハー”であるという凄さ

上記の通りVaundyは作詞、作曲はもちろんアレンジからアートワークまで1人で完結させるタイプの“ワンオペ”クリエイターである。
彼の曲作りは徹底した研究と管理によって理詰めで構築される。
その上での彼の凄さとは“ちゃんとミーハー”なこと。
名曲『東京フラッシュ』は毎日流れてくるレコメンドの雰囲気やリズムパターン、コード進行なんかを研究して「こういう曲作ったら流行るだろうなぁ」と思って作ったという。
音楽家を含めた芸術家というのはこの“ミーハー”というのが苦手である。
なぜなら芸術家とは「徹底して自己を見つめ続け、内側へ内側へと力が作用していく」生き物であるから。
しかしこのミーハーとは「徹底して世界を見つめ続けて、外側へ外側へと力が作用していく」という真反対の事象なのである。
だからこそ芸術家はミーハーとは相容れない存在であることが多い。
しかし彼の目は世界を見つめている。
自分の外側の共同体の中で自分が作った音が鳴るということを想像して音楽を作っている。
そして外側から聞こえる声を自分の中のルーターを通してVaundyという音楽に変換している。
これが彼の凄さの一端なのだと思う。

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パンチライン of Vaundy。

彼の鳴らすキャッチーでメロディアスな音に隠れているが、彼の紡ぐ歌詞の世界もまた素晴らしい。
その一部を紹介します。
ぜひ音と共に触れて頂きたいので公式がアップしてる音源も一緒に載せます。


「音になって 大人になって 思い出したんだ
 君が 大人になって 思い出すのは 僕じゃないかな
 いずれ」

『napori』



「もしも僕らに才能がなくて
 もしも僕らが親孝行して
 もしも僕らがイケていたら
 ずっとそんなことを思ってさ 弾き語るよ」

『僕は今日も』


「けどまだ
 どうしよう ここにいようか
 いつかまた目が見え始めるため
 まだ見えない 未来を僕ら
 灯火で照らしていくから」

『灯火』


「落ちてく過去は鮮明で
 見せたい未来は繊細で
 過ぎてく日々には鈍感な 君へ」

『怪獣の花唄』


「相槌がうまくなったんだ
 できてる?できてる?
 あぁ 君もうまいね」

『東京フラッシュ』


「なぁ なんて美しい世界だ
 僕ら何度裏切りあっていても
 まぁ なんとか手を取り合うんだ
 まるで恋愛映画のラストシーンのような
 愛で」

『不可幸力』


「愛とかノンフィクション 止まれないくらいがいいの
 愛とかノンフィクション ひたひたの愛の海のような
 夢の中を mellowで泳いでこう 沖まで
 そしたらどんどん好きになってく
 自分のことを」

『life hack』


「何回ついたかな 何回嘘をついたかな 何回もがいたかな
 行き止まってた手を
 何回ついたかな 何回嘘をついたかな 何回転んだかな
 もうわかったぜ 忘れた HERO」

『HERO』

これからのVaundy

前段のMVを見たうえでこのライブ映像を見るとVaundyの本当の凄さがわかる。
GarageBandボカロサブスク。YouTube…
音楽のあらゆる部分を家にいながら完結できる時代で、Vaundyは間違いなくライブで直接同じ空間にいてこそ最も輝くミュージシャンである。
それこそがあの新宿の路上で感じた感覚。


Spotifyのインタビュー
で「僕はまだちゃんと世の中に残るものを作れていない」と話していたVaundy。
世の中が彼の鳴らす音に耳を傾ける日はもうそこまで来ている。


音楽にコロサレル!
ニシダ


 

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