初めての彼

初めての彼氏のことは今でも昨日のことのように思い出せる。2つ上の先輩だった。弓道部の部長で、それなりに人気があった。彼と付き合った事が周りにバレると、他のクラスや他の学年の女子やらが｢〇〇くんの彼女ってどの子？｣なんて見に来てたから、それが嫌で私はよくベランダに隠れていた。

なんの取り柄もない普通の私が何で一体こんな目にと思っていたけど、女は一緒にいる男によって評価されるものだなぁなんてのもこの時知った。毎日彼と一緒に帰ったし、当時は携帯をまだ持っていなかったから、親の目を盗んで夜中に電話したり。授業中に手紙を書いて、休み時間に交換したり。あぁ…書いていて甘酸っぱくて死にそうだ。

きっかけは先輩達とカラオケに行ったこと。どういう経緯でその場に行ったかは覚えてないけど、多分友達に誘われて。そして、友達はきっとその彼が好きだった。後に、｢遊園地に行く約束をしたけど2人きりは緊張するから着いてきて！｣と頼まれたし。そして3人で遊園地に行くというよく分かんない事になる。笑。(いや、彼も誰かもう1人男の子呼べよと思っていたが。)遊園地の帰り道、最寄り駅が一緒だった彼が家まで送ってくれてそこから仲良くなって行ったと思う。私は彼の事、その時は何とも思っていなかったけど告白された時は嬉しかったかも。

ただ、付き合うと言うことが未経験だったし友達の事もあるし、よく分からなくて少し返事は待ってもらった。友達に経緯を話すと、もう彼の事は好きじゃないから私のことは気にしなくていいと言う。彼の友達の方が今は気になってるから仲を取り持ってね！と頼まれた。笑。なので、晴れて彼氏彼女の関係とやらに足を踏み入れた。

そして、好きな人とする私の初めてを彼に捧げた。初めてのデート。初めてのキス。初めてのセックス。初めての別れ。今じゃ2つの年の差なんて鼻で笑うくらい関係ないけれど、当時の私にはたった2つしか違わないのに随分と大人に見えた。そして彼に夢中になっていると、自分がどんどん可愛くなれる気がした。楽しい恋って絶対綺麗になれると思う。辛い恋はダメね、ブスになる。笑。

私はあれから何人もの男の人と付き合ってはみたけれど、歳をとるにつれて《初めての事》が段々となくなっていきつまらないと思っている。また、あの頃の様な初めての事を経験したいと強く思う。