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【序章】ある日突然おしゃれがしたい

センタープリーツの白のワイドパンツにネイビーのタイトな薄手のニット。
トレンチコートを着てパンプス、時々スニーカーを履いて、所謂無難なオフィスカジュアルな格好をしていた。

40歳を目前とした私に、それなりに似合ってる格好ではないだろうか。
UNIQLOではたまに良い形のトップスやインナーを買い、同じファーストリテイリングのPLASTでは形の綺麗なパンツを買う。足が短くどんくさい体型なのだが、PLASTは値段の割に良く研究されていると思う。
theoryはもっと形が良いと思うけど、よくお茶をこぼすので未だに手は出せないでいる。

上に着る物はとにかくサイズがぴったりで形がよれてないものが望ましいので、色んなところで探し見つけたら買う。
価格の差が質感に出る様に感じるので、ファストファッション寄りのお店は避けて、アダム・エ・ロペとかで探す。

靴とバッグは高級ブランドでは無くても、それなりの品質のものを持てばそれなりに見える。
TOFF&LOADSTONEとかいかがでしょうか。
日本のブランドで金具が真鍮の鋳造でこだわりを感じる。カラー展開も今っぽくて良い。
同じ価格帯〜少し上の海外ブランドと比べてもこだわり品質に見える。

ジュエリーについては本物一択。お金をためて色石に強いジュエラーさんで買う。
理由:宝石が好き。
(長くなるのでこれはまた別の機会に)

時計はRosemont(ロゼモン)。
由緒正しきスイスの歴史ある時計にも関わらず入手しやすい価格帯。
時々カルティエか、オメガでほしいのあるんだよね~~と思うけど、
やはりRosemontのちょっとクラシックなデザインが私の手首には似合うんだよねー…
時々Apple Watchも欲しくなるけど、試着するとファッションアイテムではなくて完全にガジェットですよね、ってなるので購買意欲が落ちるんだよねー…
時々アンティークハミルトン(ダイヤがついているやつ)が欲しくなるけど、巻き時計無理、クオーツが最高って思っているのでねー…
ベルトも変えられるし、とってもかわいい。ロゼモンラブ。


こだわりと合理性を持って選んだアイテムたち。
極端なプチプラを避け、劣化たあるものは排除し、時計・靴・ジュエリーがちゃんとしていればそれなりにシュッとまとまって見える。

(ちゃんとした職場だと年齢に対してカジュアルすぎる可能性もありますが、周りがハイパーカジュアルなので、この程度で「かなりちゃんとした人」に見える環境)


つまらない。
なんだか急につまらない。


新しい可能性に出会いたくて、新しい服を探す旅に出ることにした。



(振れ幅の大きいウィンドウショッピングをしているため、ファッションに詳しい皆さんからは驚かれる可能性がある。)

最初に行ったところ。UN3D.
noteを参考にさせて頂いているスタイリストさまによって知ったブランドである。
その方はとてもかわいく、素敵にこのブランドの服を着ている。
ネットでも良さそうなものがいくつかある。
試着がしたい。が、店舗に行くと前衛的すぎて何を着たらいいのかわからなかった。
青山のお店に行ったところ、店頭のディスプレイが、全然服じゃない素材をロープで巻き付けてドレスの様に見える形になっていたので、さすが3つのアンチテーゼからなるブランドコンセプト通り、固定概念を覆す表現だな、とリスペクトした。


無難を極めた服装をしていたのに、いきなり冒険しすぎたことを反省し、次に見たのはグレースコンチネンタル。

刺繍とかレースが好きなので昔から好きだったけど、買った記憶がない。
今の服装の上位互換的な考え方で取り入れられそうなアイテムもある。
ショップスタッフの人のコーディネートが見られたり、そこからインスタアカウントにつながっていたり、販売の人がファンを作る様なシステムになっていて、好みの人(それでいて自分と髪型や体形が遠すぎない人)を見つけるととても勉強になる。
かわいい。大好き。でも保留。大人になってしまった私には何かが足りない。
もう少しスパイスが欲しい。


そして私は見つけてしまった。
とあるSNSで。
Mame Kurogouchiの服を着こなす人を。


恥ずかしながらこちらのブランドを存じ上げなかったのですが、刺繍やレース、どこか伝統的な要素を取り入れつつも、ラインは現代的。
伝統と素材の新解釈。と、勝手に感じた。
Mame Kurogouchiの素敵さと、着こなしているその方のマッチングがすごくて、私が実践したいのはこういうことだ。と思った。



私にはほいほい買える価格帯のブランドではないので、作戦が必要だ。
あと、私に似合うとも限らないので、試着も必要だ。
そしてその方の着こなしの何にそんなに心惹かれたのか。

いわゆるハイブランドは、場所代と人件費と広告費はかかるよね、としばしば思うけれどそこは本質じゃなく、やはり一流のクリエイターがモノづくりしている結果なのだと思う。
アパレル関係の仕事はしたことがないけれど、何かの制作者の端くれとしてハイブランドが提供するアイテムを見ると、やはりその天才さにうっとりため息をつく結果になる。

素敵な人が持っている憧れブランドだからほしいわけじゃないんだよ。
天才的なデザインだからほしいんだよ。

このブランドとこの方を知って、感覚に変化がもたらされた。
冒頭にあげていた様な、無難なすっきりした格好が急に物足りなすぎるのだ。
昨日までラインがきれいに見えると思っていたトップスとパンツが急に大量生産の権化に見えてきた。
自分の解釈もデザイナーの新しい視点も含まれないからだろうか。

とはいえ、今頭の中の試したいリストに上がり始めたブランドは私にほいほい買える価格帯ではない。(2回目)

とりあえず手持ちの服を重ね着して、情報量を増やしたり、新たなシルエットを作り出したりしてみる。
ワンピースの下にスカートを履くなんて考えたこともなかったね。いままでは単体でシンプルに着ていたので、これだけで少し新鮮。
今ある服をアレンジして自分の実現したいシルエットを作りつつ、これからのお買い物計画を立てる。

おしゃれになりたい。

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