コロナ渦で、スタッフに敢えて伝えたこと
たまには、少し経営の部分についてお話をしておきます。
このコロナ渦の初期、周知の通り新宿は人影の無い街になっていました。
その中でも営業を続けるという判断を下して、日々どうして良いのかわからない。これは本当にわからなかったですね。
我々、美容室は営業の規制対象に含まれたことは一回もありません。
なので、補助金や助成金の対象外です。
完全に対象外かというとそんなことはありませんが、休業判断はなかなか下し難い状況でもありました。
あと、営業における消毒方法や除菌殺菌方法、このガイドラインが公式にアナウンスされるまで、正直遅すぎます。
2020年の4月7日に、緊急事態宣言が発令されましたけど、この時点で何もアナウンスされていませんからね。
アルコールジェルや除菌シート、マスクも品薄でした。
Marrowsでは入店時に靴裏除菌の徹底をさせていただいておりますが、これはアメリカのテキサス州の感染拡大防止マニュアルに基づいたものです。
親しくさせていただいている経営者の方から、アメリカにおける美容室向けのマニュアルをメールで戴いたのを熟読し、取り入れるべき部分を自分で精査してプロセスを構築していきました。
その頃、同時進行で例の布マスク配る配らないを政府は進めていましたね(笑)
どうにか形にして営業をしていくという中で、やはり集客には目茶苦茶苦労しました。胸を張って来てくださいとは言えない状況ですからね。
SNSもブログも付け焼き刃感が否めない状況でした。
美容師になって初めてでしたね、あれ程に予約が埋まらなかったのは。
そんな状況が2ヶ月続いたので、流石に絶望しました。
前置きが大変長くなりましたが、今日お伝えしておきたいことは
「絶望の境地で僕がスタッフに言ったこと」
です。
その間に、僕はといえば金策で四苦八苦していましたし(税理士さんには本当に助けていただきました)
集客も、改善していかなくていけない。
そして個人として着手したのは、普段外注していたデザインの仕事。
ここを自分でも出来るように勉強していました。
同じことを考える人って沢山いて、紀伊國屋でもAmazonでもイラレ やフォトショップのハウツー本は売り切れでしたね(笑)
基礎から学ぶイラストレータみたいな本を購入して、地道にコツコツとデザインを学んでいました。
で、気付いたんですよね。
あれ…
技術ってそんなに簡単に身につくんだっけ?
俺は、髪切れるようになるまで60日しかかからなかったっけ?
否、そんなはずはなくて。
同じ時期、スタッフのみんなが慌ててるのも感じていましたし、何か学ぼうみたいな勢いも凄かった。
それはそれで、本当に頼もしいし、素晴らしいスタッフに恵まれたと思っています。
そこで僕が伝えたことはこんなことでした。
当時言ったことを、ほぼそのまま書き起こしておきますね。
「皆さんは、カット出来るようになるまで何年かかりましたか?
自分のスタイルだというもの確立するまで何年かかりましたか?
振り返って、それを2.3ヶ月で出来るようになる自信はありますか?」
「今やっていることは本当に必要ですか?」
「この先、こんな事態はなかなか無いのかもしれないし、累発するのかもしれない。それはわからない。
ただ言えることは、誰もわからない状況であること。
そして我々は、お客様あっての存在ということ。
どんな高価な鋏を使って、どんなスキルを持っていてもニーズがなければ意味がありません。
つい1ヶ月前迄は予約が取れなかったのに今はどうですか。」
「だから無理に勉強することで自分を奮い立たせなくていい。
それがもし、本当に学ぶべきものであればとっくに着手していたはずだから。
だから今は、映画やドラマ観るのも漫画読んでもゲームしても寝ててもいいと思う。
何もしなくてもいいと思う。
堕落した生活を送ってみるのもまた、今しか出来ないから。」
まさか僕がこんなこと言うとは思っていなかったでしょうね(笑)
目が点になってました(笑)
でも本当にそう思っていたので。
だって努力できない人は上手くなれないですもん。
うちはみんな上手。
それは努力してるから。
課題に向き合って、初志貫徹の出来ない人には身につけれないものをみんな持ってる。
だから、たまにはいいじゃん。
休もうぜ、
そう言っただけです。
結局、その2週間後くらいから予約も活況になってきたので、結局のところみんながどう過ごしていたのかは把握していません。
想像するに、堕落してみて、
そんな自分が嫌でみんな何か動いていたのだと思います。
実際、この時から全員スマフォチェック率が劇的に減ったから。
僕がコロナ渦で敢えて伝えたのは、こんなことでした。
ではまた。
Shinsuke.K
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