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【クルスタSS】クロトとメルエルの初詣パニック!【後編】

※前編に引き続きメルエル目線のSSです。

前編はこちらから ⇒ クロトとメルエルの初詣パニック!前編




あの後、プリマステラ達によってアステラは全て破壊された。非常に広い規模で発生した異変だったが、市民に危害が加わることがなかった。
「はい、これで処置は終わり!」
「トワ先生、ありがとうございます」
保健室で処置を施してもらい、私も問題なく歩けるくらいには回復していた。あの時、サーシャさんに通りに引き返したおかげで重症化せずに済んだのかもしれない。
「今回はまあ軽傷で済んだみたいだけど、あまり無理しちゃだけなんだからね?」
「はい…すみません。はぁ…」
せっかくの休日、しかも新年初日からこんな目に合うなんて。クロトとの思い出作りも上手く出来てないし、思わずため息が漏れてしまう。
「そういえば今日、会長くんと一緒に過ごしてたんだよね?」
先生の突然の指摘に、思わずドキッとしてしまった。
「!せ、先生…どうしてそれを…」
「私も実は初詣行ってたんだ~。『今年こそ素敵な人との出会いを!』って
ね…」
あはは~と笑ってごまかす先生。そういえば先生って何歳くらいなんだろう…いやいや、邪推は辞めておこう。
「ほら…メルエルちゃんには、会長くんがいるじゃない?だからもっと自分の事を大切にして欲しいんだよ~」
先生にも自分を大切にするように諭される。私、クロトの役に立ちたいって思うともうそれ以外見えなくなっちゃうのかな…意識を自分に向けるっていうことも、重要なのかもしれない。
「そうですね、これから気を付けます」
「なんか、ちょっと説教がましくなっちゃってごめんね…」
「い、いえいえ!そんなことないですよ!今回は私が…」
「メルエル!」
保健室のドアが開いて、私の思い人が目の前に現れた。
「あ、クロト!」
「ケガしたっていうから来てみたけど…無事でよかった」
「クロト…私…」
思わず私は彼に抱き着く。まるで申し訳ないっていう気持ちを隠すかのように。
「あーあー…オホン!お二人とも、いちゃいちゃはどこか別な場所でお願いしまーす!」
先生の言葉で我に返り、クロトと少し距離を取る。
「す、すみませんトワちゃん先生。メルエル、ちょ、今だけは離れて」
「あ…私こそごめん…先生、お世話になりました」
「うんうん、これも先生の務めだからね。それと…会長クン。ちょっとちょっと」
「はい。何でしょうか?」
(2人で何を話してるんだろう…気になる…)
「ま、そういうことだから。それじゃあ今年も改めてよろしくね、会長クン、メルエルちゃん」
「あ、はい。こちらこそ、また1年よろしくお願いいたします!」




学園を出る頃には、辺りは真っ暗になっていた。時計を見ると午後7時を回っている。
「デートのはずだったのに、とんでもない日になっちゃったなぁ」
「そうだね。せっかくの2人きりの初詣だったのに…」
がっかりする2人。せっかくの2人きりの時間が、こんな形で終わっちゃうのは嫌だな…
「ねぇ…クロト」
「ん?なに?」
「その…もし時間あるなら、今からもう一度初詣にいかない?」
もう真っ暗だし、昼間と違って人も殆どいないだろうから、せめて参拝だけはしたいと思って私は話を切り出した。
「俺は大丈夫だけど、メルエルは?マムを怒らせたらまずいと思うけど…」
寮の門限まであまり時間はない。マムは普段は寛大だけど、こういう規律に関わる事にはとても厳しい事で有名だ。でも…
「ちょっと時間怪しいけど、大丈夫!それにね…」
私はクロトの腕に抱き着く。
「もっとクロトと一緒にいたい…ううん、離れたくなくて…」
彼の事を考えれば考えるほど、頭の中が一色に染められていく。この幸せがずっと続いていて欲しい…私の思いはどんどん膨れ上がっていった。
「…マム、怒らないといいね。」
「いざとなったら、クロトの家に行って泊めてもらうからいいもん!」
苦笑いをするクロトと一緒に、私達は朝訪れた神社へ再度向かうことにした。




朝の賑やかさとは打って変わって、神社には誰もいなかった。出店なども全て閉められていて、今日はもう閉店してしまったらしい。
「流石に人もいないね。出店も撤退してるし…うーん残念」
「ううん、私はこっちの方がいいかな」
私はクロトの方を振り向く。
「だってクロトと2人きりなんだもの!」
「そ、そうだね」
真っ暗だけど、クロトの顔が赤くなっているのよく分かる。
「あはは、辺りは暗いのに照れてるのバレバレだよ~」
「ほ、ほら早くお参り済ませちゃおうよ」
話題を逸らすように、クロトは境内の奥へと歩いていく。照れを隠す姿もとっても可愛いなぁ…。
「ふふ、はーい!」
お賽銭箱は神社の中に入れられていたけど、中に手を入れれば問題なく参拝が出来た。パンパンと手を叩いて、私達は願い事を頭の中に連ねた。
「よし、じゃあ帰ろうか」
「あ、待って。帰る前に…」
「ん?」
「その…えっと…」
自分から言うのが恥ずかしくてもじもじしていると、察したかのようにクロトが私の顎に手を当てて優しく口づけをする。
「クロト…んっ…ちゅ…」
辺りは真っ暗、クロトと私の2人だけ。状況を想像して私の気持ちは昂り、自分からクロトを求める。ずっとこうしたかった…ようやく叶った、最高のひと時を過ごすことが出来た。
「可愛いよ、メルエル」
そのまま暫く、私達は境内の中で甘く熱い時間を過ごした。冬の時期だというのに、私の体は寒さを感じない位に熱を帯びていた…。




「うぅ…すっかり遅くなっちゃった…」
あれから町の中も歩いて、結局1時間近くも経過していた。今寮内に帰ったら、間違いなくマムからお叱りを受けてしまうだろう。
「分かってはいたけど、だいぶ時間経ったなぁ…どうする?寮に帰る?」
「うん…そうする。あー今も監視とかしてるんだろうなぁ…怖い…」
でもこれも私のわがままから始まった事だから、仕方ないよね。
「そういえば、メルエルって結局なんてお願いしたの?」
不意にクロトが尋ねてくる。そっか、そういえばまだ話してなかったっけ。
「私?私はね…」
…………。
「…やっぱり秘密!」
「えー!?こっちはちゃんと話したのに…」
「朝も言ったでしょ?女の子には秘密があるものだって」
本当は恥ずかしくて言えない…だけなんだけどね。世間でよく言われている事を言ってみたけど…嘘。
「言ったけど…なんか悔しい…」
「えへへ。私の願いはなんでしょ~当ててみて♪」
本当は、クロトから言って欲しかっただけ。私の願いは…
「うーん、多分だけど…『クロトと一緒にいたい』とか?」
「…!!」
分かってた。今のクロトならそう言ってくれるって…でも、いざそれを言葉にされると思わず目を逸らしてしまう。
「あ、その様子は当たりだね?」
恥ずかしいけど…凄く嬉しくて、温かくて、世界で一番好きな恋人からの言葉。受け止めきれなくなった愛情が爆発した。
「…うん。当たり!流石クロト!」
思わず彼に飛びついてしまう。街中に戻って来て人もちらほらいたけど…そんなの全然気にならなかった。
「わっ、ちょっと!」
「えへへ~…これからも、ずっと一緒にいようね~…」
思わず彼の服に顔をすりすり。
「もちろん!でも今日はもう遅いから…また明日からね?」
「はーい♪」
私とクロトの初詣は、幸せな時間を過ごして終わりました。




この後、寮に戻った私はマムに見つかったんだけど、クロトとの楽しい思い出ばかりが頭によぎってぼんやりとしか覚えてない。マムも「やれやれ…」といった顔で呆れていたらしく、そのまま許してくれたみたい。

(何だかいつも通りになっちゃったけど…楽しかったな。今度はクロトと1日デート出来る時間が出来るといいな…ふふっ♡)

布団の中で今日の事を思い出しながら、私は眠りに落ちた。





メルエルの新規が来ないので、妄想を表に出しました。
これだけははっきりと真実を伝えたかった。

運営さんお願いします。メルエルの晴れ姿を見せてください…見せてくれたら頑張って課金しますので…

あ、文章の表現力のなさは…すみません、精進します。


誤字脱字や感想などがあれば、よろしくお願いいたします。

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まろんぐらっせ
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