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【クルスタSS】クロトとメルエルの初詣パニック!【前編】

※内容はメルエル視点です。

「ふんふんふーん♪」
私、メルエルは今日猛烈に上機嫌です。何故なら…
「今日は会長クンと…久しぶりのデート…!」
会長クンは生徒会の仕事だったり、アステラの脅威対策に時間を割かれることが多くて、せっかく恋人になったのに過ごせる時間が少ない。だからこういう何もない1日っていうのがとても貴重なの。
「よしっ、今日は一杯甘えるぞ~!なんてね」

今日は1月1日、元旦の日。例年なら友達と一緒に初詣に行く予定だったけど、今年は一緒に過ごせる人がいる。
「会長くん、おはよ!」
緋宮クロト。御前試合で前会長のヴィーナスを破って星徒会長になって、今は私の恋人。一時期一緒の時間を過ごした片思いの相手が、ずっと傍にいてくれている。
「おはよ、メルエル。昨日はよく眠れた?」
「…そんなに眠れなかった、かな。その、なんか緊張しちゃって…」
「実は俺もなんだ。メルエルと一緒って考えただけで、ドキドキしてさ」
クロトも私と一緒だったみたい。
「そ、そうなんだ。じゃあ、今日はお互い少し寝不足だね…えへへ」
「出かけ先で眠くなったら、メルエルの肩を借りようかな…なんて」
「う、うん、いいよ!会長くんの為なら、私…」
「それとさ、今日1つだけ約束してほしい事があるんだ」
「約束?」
「うん、今日だけは俺のことを『クロト』って呼んで欲しいんだ」
突然の発言に、私の心臓は跳ね上がった。
「な、なな名前で!?」
「俺達恋人同士なんだし、名前で読んでほしいなって思うんだけど…どう?」
真剣な眼差しを向ける会長クン。一緒にいるだけでどきどきしっぱなしなのに、名前で呼ぶなんて…恋人として、ここはちゃんと応じるべきだよね。
「も、もちろんいいよ!えっと…ク、クロト…」
言った矢先に急に恥ずかしくなって、つい目を逸らしてしまう。顔から火が出そうってこういう事なのかな…クロトとまともに目を合わせることもできない。
「メルエル、顔真っ赤で可愛い」
指摘されて、ますます恥ずかしくなった。心臓が張り裂けそうなくらいにバクバクしてしまう。
「〜〜〜〜〜/// 下の名前で呼ぶの、は、初めて…だから…んっ…」
(クロトが軽くキスをする)
「じゃ、いこっか。今日は楽しい一日にしよう」
「...うんっ!」


流星市国でも有名な神社にやってきた。既にかなりの参拝客がいて、入場規制が仕切られていた。
「流石に人が沢山いるなぁ…順番回ってくるまで少しかかりそうだ」
「ここ、パワースポットとしても有名だものね」
人の流れを見る限り、大体30~1時間程経てば参拝が出来そうだった。そんなに長くならないだろうということで、私達は列に並んで待つことに。
「メルエルは願い事決まってるの?」
不意にクロトが尋ねてくる。
「うん、決まってるよ!私はね…」
(会長くん…ううん、クロトと…ずっと…)
「?」
私の思いを伝えようとしたけど、ここでは言わずに留めておくことにした。
「やっぱり秘密!」
「えー!いいじゃない、聞かせてくれたって」
「女の子には秘密の1つや2つあるものなのよ」
「そうか…そういうものなのか…」
「そういうクロトはどうなの?」
「俺?そりゃあもちろん、星徒会長として皆を束ねていける様にかな。もっと強くなりたいんだ」
「さっすが星徒会長クン!」
「それとね、もう1つ」
クロトはこちらに顔を向けた。
「メルエルともっと色んな事を経験をしたい。思い出作りも願いの1つだよ」
「…っ///」
急にそんなこと言われたものだから、私は少し動揺してまた顔を逸らしてしまった。
「そういうこと…平然というんだから…」
「俺達が再開して今こうして恋人同士になったのも、偶然じゃないと思う。初めて出会った時から、こうなる運命だったのかもしれない」
「クロト…」
「新星の星徒会長として学園と世界を守る。そしてメルエルの恋人として、沢山の思い出を作る。これが俺の願いかな」
「…ふふっ」
「メルエル?」
「ううん…凄く、頼もしいなって。昔、私が接してた時とは別人みたい」
「い、嫌かな…」
「ぜーんぜん!むしろ…」
私はクロトの腕に抱き着いて、クロトの顔を見る。
「今のクロトの方が好き。昔よりもっと…もーっと好きになってるよ」
「ははっ、そりゃ良かった。俺もメルエルが大好きだ」
その後はずっとクロトとくっついたまま、参拝の順番が来るのを待っていた。

「っと、そろそろ参拝出来そうだね」
気が付けば、私達の順番が迫って来ていた。あと数人終われば、ようやく参拝が出来そうかな。
「長いと思ってたけど、なんだかあっという間だったなぁ…」
そして私達の番が回ってきた…その時だった。
ピピピピ!ピピピピ!
「!出動要請だ。」
「えぇ!こんな時に!?」
学園からの出動要請。大規模なアステラが、各地に同時発生したらしい。
「タイミング悪いけど…仕方ない。メルエルは住民を安全に非難させて、俺はアステラへ向かうから」
クロトが一人で向かおうとする事に不安がよぎり、私は思わず声を上げた。
「待って、クロト一人じゃ危険よ!私も一緒に…」
「俺は大丈夫。支援が来るまで、何とか持ちこたえるから」
クロトは強いって私も分かってる。それについていってしまったら、町の皆はパニックに陥ってしまう。なら、私に出来る事は1つだけ。
「…うん。お願いだから、無理はしないでね…」
私はクロトの手を握って、せめてものと彼の無事を願った。
「ありがとう。それじゃあ行ってくるよ」
最後まで彼の動向を見守り終わると、私は気持ちを切り替える。
(私もしっかりしなきゃ。今出来ることを精一杯やる!一意専心!)

私は神社内の人々の避難誘導を行った。駆けつけていたのは私だけだったけど、何とか皆の安全を確保する事には成功した。
(住民の避難は終わった。クロトの支援に…)
「キシャアアアアアアア!!」
変身して目の前に見えているアステラへ向かおうとしている最中、背後から複数のモンスターが私を襲って来ていた。
「っ!モンスター…!もう、邪魔よ!」
1体ずつ倒していくが、次から次に湧いてきてキリがない。
そして突然湧いて出た新たなモンスターから、私は足に強烈に一撃を受けてしまった。
「う…ぐっ…!」
態勢を崩した所に、複数のモンスター達が同時に襲い掛かってきた。
(しまっ…やられる…!)

「アイシクルレイン!」

モンスター達は私の目の前で凍結し、消滅していった。ギリギリのところでサーシャさんが駆けつけてくれたのだった。
「メルエルちゃん、大丈夫?」
「サ、サーシャさん…ありがとうございます。助かりました!」
「アステラには他のプリマステラが向かっているから、心配しなくても平気よ♪ それよりも…」
サーシャさんは私の足を心配そうに見つめている。出血はしていないけど、足の痛みとだるさが残って上手く動けない状態だった。
「い、いたっ…!」
「足、ケガしちゃってるわね。メルエルちゃん、ここは私に任せて一旦後方のサポートをお願い出来るかしら?」
「だ、大丈夫です!私はまだ…っ…」
気持ちとは裏腹に、私の足は動いてくれない。サーシャさんも私の事を慰めるように優しく諭した。
「その気持ちは大切だけど、あまり無理はしちゃだめよ。それに…」
少し間をおいて、包み込むような柔らかい表情で私を見つめてくる。
「あなたが無茶したら、会長クンが悲しむでしょ?」
「……」
クロトとの約束…私の方が先に破っちゃったな。人のこと言えないなと少しだけ落ち込み、この場は身を引く事にした。
「…分かりました。サーシャさん、残りはお願いします」
「うふふ。おまかせあれ~♪」



前編は以上です。会話部分はすぐに浮かぶけど、間の文章が全然浮かばなくて泣ける。他は…妄想で保管してください。

後編はまた明日上げます。

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まろんぐらっせ
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