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令和4年行政書士試験 記述式問題の答え合わせ

私の記述式の得点は32点でした。
選択式問題で156点、180点の合格点まで記述式問題で24点必要でした。

問題44
模範解答
B市を被告として重大な損害が生じるおそれがあると主張し、是正命令の義務付け訴訟を提起する 。

私の解答
B市を被告として重大な損害を避けるため緊急の必要があると主張し義務付け訴訟を提起する

「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」は執行停止の要件です。間違ってますね。「重大な損害」のキーワードで部分点をもらえるほど甘くないです。

私の自己採点の方法

行政書士試験の記述式の配点、採点基準は非公開でブラックボックスですから本当のところはわかりません。
私が使用した問題集、予想問題では記述式問題の採点(配点)基準の分析、説明で納得のいくものはひとつもありませんでした。こういうところのとっつきにくさ、といいましょうか、記述式問題を必要以上に受験生に難しく感じさせ、学習意欲をそぎ、苦手意識を植えつけるのでないでしょうか。
行政書士を志す人は少なくとも「なんだかわからんけど書類を書く仕事らしいよ」くらいの行政書士の業務内容の知識を持っていると思います。ですから全く字を書くのもおっくう、みたいな人は受験しないでしょう。あくまで自己評価としてどちらかというと文章を書く素養はあるほう、の人が行政書士試験の受験生でしょうから、記述問題の学習は文章の書き方を練習するわけではないので、このくらい勉強した人は「ここまでは書けてほしい」、みたいな分析を問題集の解答欄に記載してもらわないと解答としての価値がないと思います。記述式問題には「40字」という文字数制限があり決まった文句を書かないと時数制限オーバーします。法律用語や条文を言い換えて解答することははじめからできないわけです。市販の問題集では間違いやすい解答を書いているような、受験生が本当にほしいものを編集するものはありません。

そこで私は記述式1問あたり3要素(項目)に区分されていて、1要素あたり配点6点と仮定、1問の配点20点のうち2点は微調整用に取り分けてあると考え、試験勉強からいつも18点満点で自己採点をしてました。

問題44 私の自己採点は「B市を被告として」、6点
            「義務付け訴訟を提起」で5点
     合計11点

この問題「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」と違う条件を書いていたため、というよりも「重大な損害」を使うのはすぐわかりましたが、その次の文句が思い出せず、ひねりだしたのが「重大な損害を避けるため緊急の必要がある」の一文でこれを書くとマスが足りなくなるので、つめることを考えて、「是正命令の」のところまで注意が向きませんでした。この問題は書き直し、文字数数えをしたので15分くらいかかっていたかもしれません。

問題45
模範解答
無権代理人を相続した本人が無権代理行為の追認を拒絶しても信義に反しな いため、認められる。

私の解答
無権代理人を相続した本人は無権代理行為の追認を拒絶できる。

私の自己採点
「無権代理行為の追認を拒絶できる」5点
問題文では「その許否につき理由を付して・・・」とありますから、「・・・の理由で認められる」「だから」「・・・のため」のような”理由”を述べていないと減点対象だと思われます。

  • 択一で何度も「無権代理行為の追認拒絶」は繰り返し出てきていましたので問題を見た瞬間でこれは思いつきました。信義に反しない、信義則に反しない、の要素は全く浮かんできませんでした。句読点。を入れても29字しかありません。でもこれ以上は思いつかないのでこのままにして次の問題へ進みました。40字程度で記述しなさいと指示があれど何文字以上とは書いていないのでよかろう、という判断です。この問題には7、8分程度解答に要していると思われます、

問題46
模範解答
正解例1 Bの所有権に基づく妨害排除請求権を代位して、 塀の撤去及び損 害賠償を請求することができる 。

正解例2 Bの所有権に基づく妨害排除請求権を代位して、塀の撤去を請求 することができる 。

私の解答
Bの所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使することができる。

句読点 。を含めても30文字しかありません。
他に書くことが全く思いつきませんでした。問題文の要求を見直しても、「塀の撤去」は書けませんでした。このあたりは練習不足です。
問題文に書いてある文面を持ってきて解答を書けば部分点もらえるでしょう、という考え方は安易としか言いようがありません。試験の現場では
問題文に書いてある文面の借用すら思いつきません。
「代位権」は試験勉強中に理解できず、繰り返し繰り返し間違っていたところでしたので印象に残っていて「所有権に基づく妨害排除請求権を代位行使」は問題を見た瞬間に浮かんできました。この問題は7,8分で解答していると思います。

私の試験後の自己採点は
「Bの所有権に基づく」 6点
「妨害排除請求権を代位行使」6点
合計12点

自己採点まとめ
問44 11点、問45 5点、問46 12点 
記述式問題 3問合計 28点 で 180点の合格点まで記述式問題で必要な
24点はなんとか獲得できているのではないかと予想していました。
総得点は176点~182点の範囲で、まさにボーダーライン、当落線上と分析していました。
先に書きました通り、私個人の採点方法は1問あたり3要素に区分されていて、1要素あたり配点6点でした。今回は5要素記述できていたので5要素×6点で30点、控えめにみて26~28点とみていました。

最終的に合否通知書では記述式で32点獲得していました。自己採点の28点に4点加点されていました。この4点がどこから来たものか。ほかの要素で部分点がとれているのではなく、それぞれの要素で+1点づつ配点されていたと考えると筋が通ります。
記述式問題トータルで所要時間は約30分、想定通りでした。

記述式1問あたり3要素(項目)、1要素あたり配点6点と仮定

まとめると45問と46問は法律要素で得点につながるところだけしか書けていません。私の解答は、いずれの問題についても解答の発想、アウトプットの方向性は選択肢問題で正誤を判断する「理由付け」と同じです。択一問題で蓄積した知識を書ける範囲で書いて得点を積み上げた、と分析できそうです。
択一問題で身に着けた知識が記述問題につながったといえそうです。 

択一試験の得点状況をもって記述式問題の得点を修正しているといわれますが、私見でしかありませんが、ほとんど得点調整はしていないのではないかと思われます。記述式問題には明確な採点基準がもうけられていて、採点者の裁量はほぼ0だと考えます。採点者間で最初の10人くらいの採点で目線合わせをするかもしれませんが、場合分けをされたマニュアルがあって採点者が判断することはないでしょう。

私の印象としては部分点を確実に取れる勉強をしていれば記述問題も点数が読めるのではないかと思います。
私はそこまでの域に達していなかったため、記述式問題の答えを書きうつして覚えるまでで精一杯でした。

受験勉強全体を通じ、トータルで合格点180点に到達することだけを目標にして、過去問を中心に行政法と民法を重点的に、配点の高い記述問題も過不足なく学習し、学習過程に見合った妥当な結果を手にすることができました。
選択式問題で180点オーバーするのは至難の業だと思います。
自慢じゃありませんが六法の本は買ってませんし、条文の暗記まで手が回りませんでした。条文の穴埋めみたいな問題や個数問題が出たらこんな結果にはなっていないと思います。正答率の高い問題を確実に、これ最重要です。
問題集を購入するときに問題ごとの正答率が書いてあるものをチョイスしたのも役立ったものと。過去問の解説を読んで、なるほどこういう法律があるのかと。テキスト学習はしていませんが解説は何度も読みましたし、わからないところはwebで複数の解説を見比べて理解するようには心がけていました。英語の勉強で言えば、英単語や熟語をそれ単体で記憶していくやり方は私の頭の構造上難しく、長文読解の中で出てきた単語、熟語を拾っていく、文脈の流れの中で覚えていくやり方のほうが覚えられるので行政書士試験の勉強においても同様のやり方で進めました。単元というかインデックスはよく見て、この問題はこういう分野の問題なんだというのは頭の整理のためにも意識するようにしていました。民法の「管理責任」とか「管理者責任」とか問題のタイトルは覚えるようにしましたし、判例のタイトルは覚えるようにしました。もんじゅ、とか、ジュースとか、成田空港ー直接強制、そんな感じです。それから「蓋然性」のような普段使わない言葉は辞書で調べました。高校1年のときに、社会科の勉強が嫌いになったのは、うちの高校は1年生で世界史必修で、山川の一問一答や用語集で勉強している人が周りにたくさんいましたが、私の場合、まず、カタカナが全く覚えられなかった、というか、カタカナが読みにくかった、そのときからのトラウマです。テストのたんびに赤点で、以降社会科を放棄しました。紆余曲折あり大学受験は私立文系で受験しましたが、社会の試験科目がない私立文系は限られていますから、英語と国語で受験できる大学、学部だけ受験しました。30年前の話ですから2科目受験、1科目受験なんてほとんどなくて、まず受験できる大学、学部が限られていました。ちなみに数学はよくできたんです。でも、計算が極端に苦手で、マークシートで答えだけ書かせる問題ができなくて、数学受験をあきらめました。文章を読んで答える、みたいな問題だったらなんとかなったんですね。そんな過去の経緯があって、行政書士試験の受験勉強も自分にあったやり方で進めました。30年前の成功体験を再現できるのか、これが私の行政書士試験の裏テーマでした。合格してよかったー。
私の点数の取り方、学習の進め方はある意味とてもベーシックなので参考にしていただけると思います。繰り返し繰り返し、何周も、とはいうけれど、なにをどうやって繰り返すのか、やり方がわかんないからみんな苦労するんですよね。そのあたりまた書きます。


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