映画「君の膵臓をたべたい」感想
9/8 12:55チネチッタの上映後舞台挨拶回を観てきました。
いや、ほんと原作の危ういところを見事に掬い取っていって、なんて恵まれた作品なんだ……とつくづく思いました。映像で観たいと思ったシーンはたぶんちゃんと全部入っていた。本当に主人公たる「僕」の非人間性みたいなものがアニメという生々しさが実写に比べると剝奪された状態だと、「しっくり」来るのです。声の主が、高杉真宙なのも、またいい。高杉真宙の社会的なイメージがどのあたりなのかはわからないけれど、たぶんドラマ「賭ケグルイ」みたいなのはレアパターンで、やっぱり孤高の窓際族っぽいんじゃないだろうか。ドラマ「セトウツミ」とか、仮面ライダー鎧武だとか。そういうちょっと斜に構えたイメージどおりの声が、映画の音声の一部となっていくところが、感慨深かった。ほかのキャラクターがアニメ声なのに、一人だけ浮いている感じ、その浮遊感が「僕」らしいし、だんだん演技が変わって寄せていく流れまで、完全に計算づくのようにしっかりしていて、本当にしあわせな作品だったな、と。
物語の終わりが分かっているからこそ、涙がうるっと出てしまうわけです。というか、あまり「泣き映画」を観に行ったことがなかったので、ほんとに鼻をすする音を映画館で聞くことになるとは……。手軽に一体感を得る、というのは、「泣き映画」の需要なのかもしれないな、と気づかされました。
肝心の舞台挨拶は、主題歌担当のユニットへのインタビュー形式がメインだったので、私は完全にアウェーでした。そっか、そんなに人気なバンドだったんだね……。(遅い昼食を摂ったときに耳に入った情報によると)
映画館で大音量の高杉真宙の声を聴きたい欲求がある方にはめちゃくちゃ勧めたいです(どんな欲求だよ)。いや、ほんとアイドル映画っぽさを隠したアイドル映画なんですって。ビジュアルではなく、声で高杉真宙を感じられるひととき、そうないですよ……。
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