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『サイケまたしても』を読んで、『うえきの法則』も読んでくれ!

‪2020/3/14まで漫画アプリ「うぇぶり」で、福地翼先生の『サイケまたしても』が全巻読めます!

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784091255235‬ (版元ドットコムもいちおう貼っておきます)

『うえきの法則+』以来、ほとんど福地作品から離れていたんですが、これははちゃめちゃ面白い。というか、『うえきの法則』ファンが漏れなく、「福地翼はやはり天才であったな……」と思い起こすこと請け合いの快作なのである。

主人公サイケは平凡な少年で、何も楽しいことがないと考えていたけれど、ある日、池に落ちるとタイムリープできることを発見する。それによって、彼は世界の「ヒーロー」になろうとするが……。

という感じのお話なのだけれど、つまり『うえきの法則』シリーズ以来の異能力バトルものなのです。すごい、それだけでも面白いのに、植木(ゴミを木に変える力)以上に素では使いにくい能力。だって、何回も人生を繰り返さないと、敵を倒せないんだぜ! それだけでしんどそう〜。植木は既読なら分かると思いますが、本来の異能力以外のパワーを後々身につけてしまうので、そこらへんはあんまりだなぁ、と思っていたんですけど、今作はそういうことしないところもいいですね。サイケと、サイケの仲間たちの能力の複合で成立するのが良い。

要するに、試行回数が多くなっているだけで敵を倒すので、サイケは最初は頭がそこまで冴えてなくて、身体能力低くなくても、最終的に頭キレキレ、身体能力向上済みの頭脳戦で勝ち抜いていくわけです。かっこいいじゃないですか、知略戦!

それと、『うえきの法則』を読んでるなら、動物に変身させられるシチュ、ヒルに襲われるシチュ、そして極め付けは「変態だー!!!」まで、読んでいたらニヤニヤすること間違いなしなのです。某巻では、おまけ漫画で植木たち出ているよ!

『うえきの法則』と同じ作者だから、というのもあるかもしれないけど、我々には主人公たちが「次どうするのか」という意思みたいなのがわかっちゃって、それ故に歯痒い……みたいなのももちろんあります。わかるけど、わかるけど、なんでそんなことしちゃうんだよー! を何度心中で叫んだことか。あと、さすが福地翼先生、殺し文句を作るのがうまい! 出会って仲間になるキャラのセリフに「お前の最期を看取りたい」とか言わせちゃうんですよ! 強い、強すぎる……!

『うえきの法則』のときには、当たり前に異能力が存在していたけれど、今作での異能力の立ち位置も興味深いのです。早く読んで、この思想を浴びて欲しいの。「普通」とはなにか、「ヒーロー」とはなにか、常に問い続けている……そういう素敵な作品である。ので、読んでください。まだまだ時間があるので! そしてここまで読んでいて、「『うえきの法則』も読んでないわー!」ってひとは、3/15-21に公開されるので読んでください! でも『うえきの法則+』も読んで欲しいな!


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