アスペルガーの息子 母親として気づいた違和感(幼児期編)
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私の息子(26歳)は大人になってアスペルガーと診断された。
「ああ、やっぱりそうだったのか」
小さな頃から感じていた違和感が線となって、繋がった気持ちになった。
赤ちゃんの頃から「あれ?」と感じることがよくあった。
息子は生まれて3,4ヶ月しても、他人と目を合わさなかった。家族とは合わす。でも人から「〇○ちゃ〜ん」と覗き込まれても、プイっと反対側を向くのだ。「あれ?〇〇ちゃ〜ん」とまた呼ばれると、又プイッと反対を向く。恥ずかしいからかな?っと、思っていた。
ちょっと大きくなってからは、独りだけ皆の遊びの中に入らず、遠くで人に背を向けて独り遊びをしている場面が多く、その頃からなんか他の子と違うなと感じていた。
発達に遅れがあった。言葉をなかなか発しなかったし、はっきり発音ができなかった。ウルトラマンを「うーたーまん」自動車を「いどーや」と言う。とても言いにくいようだった。検診で引っかかったが、結果、特に問題なしとされた。耳でも悪いのではないかと心配した。その後なんとか喋るようにはなるが、「え?」と聞き返さないと聞き取れない事が多かった。それは大人になった今でもそういう傾向がある。
それと今でも忘れらない光景がある。
息子の上にお姉ちゃんがいる。彼女は息子とは違って「あれが嫌だ、こうしてほしい」という欲求が強かった。そんなお姉ちゃんの育児は大変だった。ある日、お姉ちゃんに強く叱っていた時に、それを見ていた息子は、急いで部屋の角に行き、私達に背を向けて一人遊びをするフリを始めたのだ。
「僕は、いい子で遊んでるよ。だから、僕は怒られないよね」小さな背中から、息子のそんな意思が伝わって、思わずショックを覚えた。
アスペルガーは空気を読めないと言われているが、息子の場合は小さい頃から空気を感じて行動する能力はあった。お姉ちゃんの行動を見て「馬鹿だな、あんな事をしたら怒られるのに」というどこか大人のような感覚をもっていた。
幼稚園に上がった。当時はお帰りのお迎えに行っても、子ども達は園庭でひとしきり遊んでから帰るのが恒例だった。でも息子は、すぐに家に帰りたがる。遊ばず「帰ろ、帰ろ」と言う。そして自分からは誰とも遊ぶ約束をしない。でも誰かから「この後、遊ぼ」と言われると素直に遊びに行くのだ。
言葉数は少なく大人しい子だった。自分から友達を誘うことは無かったが、誘われれば行く。幼稚園でも問題行動はなかったが、皆と一緒に生活するのにとても気負っていた感じがあり、家に変えるとホッとしてるように感じられた。
息子にとって、幼稚園に行く事は嫌だったのだろう。参観日に行っても、楽しんでるというよりも、人の中で規律に合わせるのに一生懸命な様子だった。でも、「今日は行かない」と言う日はなかった。幼稚園とは”行かなきゃならないから、仕方なく行ってる場所”という感じがいつも伝わってきた。
楽しく幼稚園に行って、楽しくお友達と遊ぶ
幼稚園児を持つお母さんなら、そんな生活を望むのが普通であり、当然私もそうだった。他のお子さんは、皆楽しそうに、自分を表現しているように見えた。でも、そうならないのは、自分の育て方が悪いのかと思っていた。なにが悪かったのだろう?なんで、息子は他の子と違うように見えるのだろう?このまま大きくなっても大丈夫なのだろうか?
そう悩むけれど、当時は発達障害という言葉も聞いたことがない時代では、どうやって解決していけばいいのかさえ、わからない日々だった。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
marrietty.room
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