ほうじ茶ラテが好きだったあの人へ
忘れられない記憶
何千回と結婚式の打ち合わせを重ね、さまざまな新郎新婦と出会ってきました。その度に多くの思い出が生まれ、特別な瞬間が積み重なっていきます。結婚式を通じて私が最も心に残るものは、意外にも結婚式当日の感動体験や進行、装飾やスタッフとチームになって一日を創り上げたことへの達成感ややりがいだけではない。むしろ、そのお客様が口にしていた飲み物とか、ふと「これが昔から本当に大好きで」と教えてくださったことや会話。ちょっとした日常的な瞬間、その方のお人柄を感じさせる瞬間とかが私の記憶に強く刻まれることが多いのです。
自己紹介
はじめまして。この記事を書いている私の自己紹介を別の記事にしました。気になる方はこちらへどうぞ。
私の中に残るもの
ともみさんは、ほうじ茶ラテが好きでした。みさとさんはカフェラテ、ゆりさんはブラックのコーヒーかチャイ、もしくはソイラテを選ぶことが多かった。こういった日常的な好みや、打ち合わせの際に交わした何気ない会話が、私たちの関係性を築く大切な要素でした。
結婚式の仕事は、瞬間を記録する役割もありますが、実際にはその日常の延長にある時間を共有し、心の中に刻まれる感覚を共有する仕事でもあるのです。新郎新婦に、毎回私は感謝のお手紙を書いています。たくさんのプロデュース会社がある中から、私たちを選んでくださったこと、今日までの準備のことなど。手紙に書いて当日お渡しするのですが、さぶろうさん、ともみさんの結婚式当日に読んだ手紙の中にも、「これからも、ほうじ茶ラテを見るたびに、私はともみさんを思い出すと思います」とお伝えしました。
二人との時間が与えてくれたこと
結婚式は、人生の一大イベントです。そのために、新郎新婦は多くの時間を費やし、打ち合わせを重ねて準備を進めていきます。その中で私たちプランナーもまた、一緒に同じ時間を過ごし、新郎新婦の人生の節目に寄り添う役割を果たします。
お客様一人ひとりとの関わりは一瞬のようでありながら、その時間は私にとって生涯続く記憶となります。結婚式が終わった後も、ほうじ茶ラテのような小さな記憶の断片が私の心の中に残り続け、次の結婚式へと繋がっていくのです。二人と過ごした時間が、今でも私を励まし、次のお客様へのサービス向上に繋がっています。
夫婦カウンセリングで繋がってくださっている方もいますし、お子様が生まれてお会いする方もいますが、すべてのお客様とその後も続けて会えるわけではありません。しかし、会えなくなったとしても、お客様との時間や結婚式の記憶は消えることはありません。それでも、「今日は、ともみさんが好きだったほうじ茶ラテにしよう」とカフェで二人の結婚式に思いを寄せて、よし頑張ろうと力をいただいたりします。
目標達成もいいけど、目標に向かう過程が好きなんです
結婚式が完結すること。それは二人の理想と、夢が叶う日であり、プランナーである私たちにとってのも、大切な夢が一つ叶う日です。
日々仕事やプライベートにおいても色々な目標設定をして、そこに向かっているのですが、目標達成もいいけど、目標に向かう過程が好きなです。何かに向かうことを大切にしたい私にとって、打ち合わせは、ただの準備の一環ではありません。それは、新郎新婦と私たちプランナーとの間に生まれる信頼と絆を築く時間でもあります。ともみさんのように、打ち合わせの際に何気なく注文したほうじ茶ラテや、みさとさんのカフェラテがその人らしさを表す一つの象徴となり、その人との絆を思い出すきっかけになることがあります。
結婚式という日を迎えるまでに、私たちは何度も話し合い、時には悩みを共有し、一緒に課題を乗り越えていきます。その過程で生まれる信頼関係は、新郎新婦が大切な日を最高の形で迎えるために不可欠です。どんなにいそがしいスケジュールの中でも、新郎新婦との時間は一つひとつが特別であり、そこに生まれる思い出や会話は、一生の宝物として私の心に残ります。
特に、結婚式当日の一瞬一瞬が過ぎ去ると、その記憶はさらに大切なものとなります。ともみさんの手紙に込められた「ほうじ茶ラテ」のように、日常的なものが特別な意味を持ち、その人との時間を思い出すきっかけとなるのです。結婚式というイベントは、ただの一日ではなく、その日を準備してきた日々すべてが詰まった一瞬の集合体だということを、改めて感じます。
結婚式の思い出が次へと繋がる
結婚式のプランニングという仕事は、単なる「サービス業」にとどまらず、心の繋がりを築くものだと考えています。私たちが関わった新郎新婦との記憶は、未来へと続いていきます。結婚式が終わった後も、その時間は私の中で生き続け、励まされ、自信になり、次の新郎新婦との関わりに活かされていくのです。
私たちプランナーは、多くの結婚式に携わり、その一つひとつが次の結婚式をより素晴らしいものにするための糧となります。新しいお客様に対して、過去のお客様との経験をもとに、より良い提案やサポートを提供できるのは、その全ての記憶が私たちの中で成長しているからです。
これからも、ほうじ茶ラテを見るたびにともみさんを思い出すことでしょう。そしてその思い出が、次のお客様との時間をより豊かにし、結婚式という特別な一日を最高の形でサポートする力となるのです。結婚式の記憶は決して終わりではなく、次へと続く新たな始まりを導いてくれるものなのです。
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結婚式に関わる仕事は、人生の大切な瞬間に寄り添うことができる特別なものです。そしてその一瞬一瞬が、次のお客様との出会いをより意味のあるものにしてくれる。過去の記憶が新しい記憶を育む。それが私の仕事の最大の魅力であり、やりがいなのです。
ともみさん、さぶろうさんのお手紙
動画でも解説
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