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SnowflakeでSalesforce CRMデータを活用する:主要標準オブジェクトとその役割・分析ユースケース

リバネスナレッジの平塚ことmarreta27です。前回は「SnowflakeにSalesforce CRM (Sales Cloud) を同期するべき理由」を紹介しました。今回は「Snowflakeに同期するべきSalesforce CRM (Sales Cloud)  標準オブジェクトとその想定ユースケース」を紹介いたします。Salesforce CRMに馴染みのないData Analystが読んでいることも考慮して、各オブジェクトのSalesforce上での役割も説明しているのでご安心ください。

なお、前回のエントリーはこちらです。

SnowflakeにSalesforce CRMのデータを同期することは、より深い顧客インサイトの獲得や、ビジネス全体のパフォーマンス向上に繋がるでしょう。それでは、主要なオブジェクトとその役割、ユースケースを見ていきましょう。

1. Account(取引先)

Salesforceでの役割:

個々の取引先を表します。顧客、競合会社、およびパートナーなどのビジネスに関係する組織や個人が含まれます。

分析ユースケース:

  • 顧客セグメンテーション分析

  • 地域別の顧客分布調査

  • 業種別の売上傾向分析

2. Contact(取引先責任者)

Salesforceでの役割:

取引先に関連付けられた個人である、取引先の担当者を表します。オブジェクト名には"責任者"とありますが、責任者ではないレコードも含まれています。

分析ユースケース:

  • 役職別の商談成立確率調査

  • キーパーソンの調査

  • コミュニケーション頻度と成約率の相関分析

3. Opportunity(商談)

Salesforceでの役割:

販売または保留中の取引である商談を表します。営業パイプラインの管理に利用されます。

分析ユースケース:

  • 営業パイプラインの健全性評価

  • 売上予測モデルの構築

  • 商談ステージごとの滞留時間分析

  • Win/Lossの要因分析

4. Lead(リード)

Salesforceでの役割:

見込み客またはリードを表します。利用していない組織も多いため、分析対象の組織で利用有無を確認してから同期対象にするか決めると良いでしょう。

分析ユースケース:

  • リードスコアリングモデルの開発

  • マーケティングキャンペーンの効果測定

  • リードからの商談化率の分析

5. Campaign(キャンペーン)

Salesforceでの役割:

ダイレクトメールによる販売促進、Web セミナー、展示会など、マーケティングキャンペーンを表し、追跡します。マーケティング活動の計画/実行の管理にも利用されます。

分析ユースケース:

  • マーケティングROIの算出

  • キャンペーンの影響を受けた商談の追跡

  • クロスチャネルキャンペーンの効果比較

6. Task(タスク)とEvent(行動)

Salesforceでの役割:

  • Taskは通話などの ToDo 項目をはじめとする、ビジネスでの活動を表します。

  • Eventはカレンダーの行動を表します。

  • ユーザーインターフェースでは、Task と Event レコードは活動として集合的に参照されます。

分析ユースケース:

  • フォローアップ活動の管理

  • 営業活動の効率性分析

  • 最適なフォローアップタイミングの予測

7. Product(商品)

Salesforceでの役割:

会社で販売している商品を表します。価格表と連動して見積金額を自動算出させることもできます。利用していない組織も多いため、分析対象の組織で利用有無を確認してから同期対象にするか決めると良いでしょう。

分析ユースケース:

  • クロスセル・アップセル機会の特定

  • 製品ライフサイクル分析

8. User(ユーザー)

Salesforceでの役割:

Salesforceシステムにアクセスする個々のユーザーを表します。システムへのアクセス権限や設定の管理だけでなく、商談レコードのOwnerを表すためのレコードとしても利用されます。

分析ユースケース:

  • ユーザーごとの活動量と成果の相関分析

  • チーム別のパフォーマンス比較

  • システム利用状況の把握とトレーニングニーズの特定

9. UserRole(ユーザーロール)

Salesforceでの役割:

組織内のユーザーの役割を表します。組織階層を定義し、データやレポートのアクセス権限を制御するために利用されることが多いです。

分析ユースケース:

  • 自社組織構造に基づいた売上分析

  • ロール別の商談クローズ率比較

また、これらのデータをSnowflake上でSalesforce CRM以外のデータと組み合わせることで、より多くの分析ユースケースを作り出すことができるでしょう。

次回からは、これらのオブジェクトを組み合わせた分析ユースケースサンプルをSQLレベルで紹介していきたいと思います。

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