バーチャル、だから何、と書き捨てる恥
前項の「VRアイドル「えのぐ」に初めて出会ったこと」を投稿して1日も経たないうちに、いろいろな人から反応頂き、恐縮の極みである。
1.圧倒的な熱量のもとで
真夜中に眠気も忘れて一気に書き切ったし、自分自身まとまった文章を書く経験は普段ないので、乱文雑文ご愛嬌といった具合である。
だから投稿するのには若干の躊躇があったものの、多くの人に読んでいただいたのは嬉しさもある。
しかしそれ以上に「えのぐ」ファンの方々の熱量には驚かされた。あんなにRPいいねされる現場って他に無いって!また、反応いただいた方の属性を辿ると、「えのぐ」は本当にいろいろな方から支持されているんだなぁと窺い知ることもできた。
2.バーチャルとリアルの狭間で
前稿で自分は、「えのぐは紛れもなく3次元アイドルだ」と言及した。彼女たちは見た目こそ3DCGだが、同時性を持って歌声を届け、フロアと同期する、リアルにこの時間を生きている存在だと。
えのぐは、3DCGのバーチャルな見た目を以て、海千山千の3次元アイドルがいる世界で活動している。それはあたらしいファン層の獲得をもたらすだろうし、新しい市場の開拓という野心を感じさせる。
しかし、彼女たちが3次元アイドルと同じステージに立つと考えた時、脳裏に一つの疑問が浮かぶ。
3.「バーチャル、だから何?」
「バーチャル、だから何?」
VRアイドルが本質的に3次元アイドルと同じだとみなすならば、他のグループと差別化される要素は何なのか?
楽曲やルックスのコンセプトは?
目指すべき目標は?
どんな新しい価値観を提供するのか?
「えのぐ」は、
VRアイドル・バーチャルアイドルを誰でも知っている当たり前の存在にすること、
その上で、世界一のVRアイドルになることに
人生をかけて挑戦している、
3人組VRアイドルグループです。
少なくとも、この文章を読む限りでは、「VRアイドル」であることそれ自体をアイデンティティにしているようにしか思えない。
「VRアイドル」であるという要素だけで、他のコンセプチュアルで、ダンスや歌唱、楽曲に強烈な魅力を持たせている、あるいは魅力的な接触戦略によってファンの承認欲求を満たすそんなアイドルグループに勝てるのか。
若干疑問が残る。
それに、3DCGでできた身体であるということは、表情や、動作のダイナミクスといった、「熱量」を感じさせる要素をオミットしてしまうことに繋がる。
「バーチャル、だから何?」
この問いにアンサーを返せていないとしたら、数あるアイドルの中の一つとして埋もれてしまうだろう。
4.ありふれた、だけど大切なモノ
昨日、「えのぐ」のメンバーである白藤環さんの配信を観た。
なんだこのイザークのモノマネするVRアイドルは・・・
— 𝑌𝐴𝑆𝑂𝑂 (ヤスー) (@ya_sooo3) February 16, 2024
これはちょっと衝撃を受けた。
歌って→喋って→歌って→喋っての繰り返しなのだけど、その時の自分の感想は、「歌、上手いな…」と「うるせぇえええwwwww」の繰り返しだった。
終始喋り通すトーク力と、転じて表現力のある歌唱に圧倒された。それに自分自身、ロボットアニメが好きだという属性から、脳にクリーンヒットを受けたような感触がした。
好きなモノを語る力は、人を惹きつける。それって「個性」じゃないですか。
これは個人的偏見100%なんですが、「3次元アイドルの配信って、中身がない、つまらない」
観てて当然、「かわいい」とか「人柄が知れて嬉しい」とかありましたけど、「面白い🤣」と思ったことはあまり無い。
それは「歌」とか「ダンス」とかそういったものに特化しているからこそ、「配信」ってオマケ的な要素でしかないからだろう。
「配信力」に関してはなるほど、「VRアイドルとしての強み」なんだろう。そしてその根底にあるのは、配信者の「個性」であると。
もっと「好き」を語ってほしい!もっともっと!
えのぐが、オタクに熱く支持される理由、
自分はえのぐと出会って間もないけど垣間見ることができました。