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グループ箱庭という場
箱庭療法は、一般的には、クライエントとカウンセラー、1対1で行われる。
クライエントとカウンセラーの関係が深まるにつれて、表現される箱庭も変化していき、心の深層からおこる人格の変容が促されると言われている。
その箱庭療法を集団で行うのがグループ箱庭である。
5〜6人の集団で、一つの砂箱に、順番に一つずつミニチュアを置いていく。
制作中は無言で、お互いの意図を話し合ってはならない。
グループ箱庭が最初に提案されたのは、岡田(1991)で、その後はカウンセラーの訓練としてグループ箱庭が活用されることはあったようだが、箱庭の研究自体はあまり多くない。
研究が少ない理由としては、箱庭療法は1対1の治療で力を発揮するものだというイメージが根強かったからだろうと思っている。
今年の1月に、カフェでグループ箱庭のワークショップを実施した。
企画段階から、「カフェという開かれた場で箱庭を作るということはどういうことだろう」という問いを立てながら、チームメンバーとディスカッションを重ね、個別の箱庭でなく、グループ箱庭をやってみようということになった。
実際のグループ箱庭では、参加者がそれぞれ、分断されることなく、ひとつの砂箱の中になんらかの表現し、最終的にひとつのまとまりとなった作品を完成させた。
私は将来、地域の中で、分断のないコミュニティを作りたいと考えている。
不登校も発達障害も、大人も子どもも性別も関係なく、また、何かができるとかできないとかも関係なく、生まれた地域が同じということだけで受け入れられるコミュニティ。かつ、外にも開かれているコミュニティ。
そんな、自分が作りたいコミュニティのイメージと、ワークショップのグループ箱庭で表現されたもののイメージが重なり、このグループ箱庭を追求していくことが、将来自分のやりたいことの実現につながるのではないかという予感がした。
なぜそれをやりたいかと尋ねられると、やっぱりそれはまた困ってしまうのだけれど、自分自身が、あまりつながりを重視しない人間だから、というのはあるのかもしれない。
コスパとか、メリットとか、役に立つとか、何ができるとか、できないとか、そんなのは関係なく、ただ「つながる」ということを目的とした、そんなコミュニティを心のどこかで求めているのかもしれない。