ヒーローを目指した男のヒール的な結末【第3期Σリーグ Mキングダム まろちょふ another episode】
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また、今回は自身の対局における印象的だった部分のanother episode
チームとしての第3期のまとめは別途記事化しようと思います。
リーグ戦の目的とは?
麻雀に限らず全てのゲームをプレイするプレーヤーが本来目指すべきもの、それは「勝利条件の達成」それに他ならない。
しかし、それに向けてどのようなアプローチをするかは個人の裁量に委ねられる。
とはいえ、対局においては自由とはいえど、そのプレーヤーがその選択を行う事に前向きな意義がある事が求められる。
と、難し目な言葉を並べてはいるが、結局は何を自分の中で正義とするか、という事に他ならない。
プレーオフ最終戦 縁の鴨神にゅう選手とのファイナルをかけた戦い
プレーオフ開始前は10位からスタートしたが、プレーオフはチームメイトも含めて好調。ファイナルへの勝ち上がり条件は優位な位置で最終戦を迎えた。
縁と同卓でもあったことから、縁に76.2ポイント差をつけられなければよい。
トップラスだと無条件、それ以外だと素点差が必要となる条件だ。
直接対決の相手は鴨神にゅう選手
もはや説明不要の麻雀Vtuber界の実力派スター選手。
痺れる場面で同卓となり、嬉しさを感じた。
ただ、もちろん多くの応援を受けている選手。
自チームが勝ち上がるには、ここでその手を食い止めいわゆるヒール的な存在とならなければいけない。
このプレーオフ最終戦、なかなか自分にアガリ番が来なかった。
メカZ選手とかくきりこ選手のアガリが続く。
自分がアガれない中ではいいパターンだ。
しかし、それは最後まで鴨神選手にチャンスが来なかった場合のみのお話。
自分と鴨神選手になかなかあがりがないということは、ひとたび鴨神選手が高いアガリを決めると一網打尽、あっという間にトップラスを決められてしまう。気がついたらそういう展開になる事が1番怖い。
立直棒の供託や本場が積み重なった場面での鴨神選手のリーチ。
ここで決められると一気にトップラスの危機が訪れる。
そのリーチと同じ巡目に聴牌に追いつく。待ちはドラ表含めて2切れのカン8p
しかし待ちなど関係ない。場面上やむなしの戦いとなった。こちらの方が薄い待ちだが辛くも制した。自チーム控え室からは安堵の声、縁サイドからは間違いなく悲鳴が起きたシーンだった。
南2局、親番を迎えて加点したいところだったが、鴨神選手の倍満確定のリーチがかかる。僕はもちろん加点したいところではあったが、放銃はあまりにも痛くなる可能性があった。
しかし、鴨神選手の敵は僕だけではない。
かくきりこ選手、メカZ選手も全力でアガリを取りに行ったことで、ここはメカZ選手のハネマンツモ。メカZ選手が鴨神選手と大きく差を広げる事は、ななないの突破率が少し上がると共に、Mキングダムに大きく利することとなった。
最終的にはMキングダムがファイナルに進出。
その事に大きく寄与したのはそれぞれの条件の噛み合い。
メカZ選手が、かくきりこ選手がそれぞれ全力でヒーローとなることを目指した結果、それが偶然Mキングダムに利する結果となっただけのこと。
両者が追ってるのは自チームの利益一点のみなのだから。
何はともあれ、ラスとなったがこれは完璧な「勝利条件の達成」となった。
ファイナル最終戦の心構え
1番点差が離れたRIDECATと、トップラス20万点差以上という、厳しい優勝条件がつきつけられた。
本来は勝利条件というものはこのファイナルに限っては「優勝」以外存在しないものだ。
ただ、4チームで1チームしか優勝を達成する事はできない。
事実上、戦う前から優勝確率は天文学的な数字になってしまった。
そこでどう考えるか。
プレーオフ最終戦の事に思いを巡らせる。
あの試合はメカZ選手もかくきりこ選手もそれぞれのベストを尽くした結果、素晴らしい戦いとなった。
麻雀は4人で打ってるからこそなんだ
だから色んなことが起きてより面白くなるものだ。
プレーオフ最終戦を戦って打ち破った3チームの思いを背負って、自分なりの責任を持って、最後まで戦わなければ。
その状況でファイナルの最終戦を迎えた時点で、チームメイトに
「ただの傍観者にはならない。自分なりの最善、トータル3位を目指すか、それも難しくなったらトップを目指して打ってきます」
そう告げて最終戦に臨んだ。
それはある種、自分の中での行動指針の確認。
中途半端にブレてしまうと、それはそれでノイズになってしまう。迷いをなくして素直な気持ちで対局に臨もうと考えた。
ファイナルの最終局 勝負に終わりを告げたのは自身の平和のみのアガリだった。
プレーオフの最後のアガリは
「勝利条件を満たすラス確」
このファイナル最後のアガリは
「勝利条件を満たさぬトップ確」
あまりにも様相が違う二つの最後のアガリを作り上げてしまう事となった。
これは当然優勝という勝利条件を満たしたアガりではなく、それどころかこのアガリで他者の優勝を決めている。
しかもこのアガリにより、逆転優勝条件のあるリーチを実らせなかったという結末。(結果ツモっているかどうかは問題ではなく、その可能性を遮断した事。)
対局に臨む前、場合によってはこの半荘のトップを狙って打つという「次善の策」の方針に則った結末。
次善の策による結末に意味はあるのか?
かねてより麻雀業界でずっと疑問視されていることだ。
正直明確な答えは出しづらいし、疑問視する要素も十分に理解する。
その上で、この卓には4人座っている。
その事に意味はあるはずだ。
次善の策を設定しない場合は、事実上そこに座っていないような戦いを強いられる事になる。
果たしてそうあるべきか?
そうあるべきという考えもあれば、そうでない考えも存在する。
何故ならこの四人目の座に座るために、多くの苦難を経た結果であるから。
誰かのヒーローは、誰かのヒールになる
それは対戦ゲームであるから自然な事
数多くの条件を巡ったやりとりに、たくさんの声援が飛び、たくさんの喜び、たくさんの涙が存在した。
少しでも多くの方に、今期のΣリーグ、楽しかったよ!と声をかけていただければ幸いです。
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