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超サイヤ人2

母が私営の塾を実家で経営している。幼稚園児から高校生まで来ているのだが、今の中学3年生のグループを見ていると恐ろしいなと思う。

まるで中学のころの自分の見ているようだ。有り余るエネルギーを消費しきれず、完全に脳がバグを起こしている。

とりあえずどでかい声で周りと話し、まるで内容のない事を永遠と話ながらゲラゲラと腹の底から笑っているのだ。

勉強でも、部活でも大した成績を残せずに自分に劣等感を抱え、如何せん体力だけはあるものだから、そのエネルギーを発散するために大声で話、大声で笑うことしかできないのだ。

女子が中学に上がり体と心が成長するのに対して、男子は中学に上がっても成長するのは体だけ。これもまたバグを引き起こす原因である。

中学に上がり急に周りの大人に敬語を使わなくてはいけなくなり、制服をきなければいけなくなる。周りからは半人前のレッテルをはられ、半人前のように扱われる。心は小学生なのに体だけ大きくなるものだから本人が気づかないうちに心と体がリンクしない。

体はでかくなったからもう自分は大人だと錯覚する。女の先生ならほとんど自分より背が小さくなるのでなんとなく反抗できるような気になる。

小学校の頃にできなかったことができるのがかっこいい、大人になったと中学生は勘違いをしてしまう。小学生の頃は間違っても人前でシモネタを言えないし、好きなこの話などできない。

しかし、何故か中学に上がった途端、それらの話を公の場で堂々とするようになる。本人たちはそれによって自らの成長を感じているのだろうが、見ていて非常に滑稽である。

共感性羞恥心のある僕は、中学生たちの話の内容を聞いているだけであまりの滑稽さと恥ずかしさでこっちの顔が真っ赤になるほどだ。

自分は何もできないことすら知らないから、もう何でもできるような気持ちになっている。まさにセルをリンチしたときの超サイヤ人2悟飯のように。

何でもできると思う反面、現実世界では何もできないギャップに苦しみ、なにか芸術や文章でその気持を表現すらできないからフラストレーションだけが溜まっていく。

「うっせぇ、うっせぇ、うっせぇわ。臭い口塞げや限界です。」脳内で思ってはいるがadoのように音楽に昇華できる才能すらないから、ギャーギャー騒ぐことしかできないのだ。

今振り替えても中学時代が一番体力があったと思う。もっとそのエネルギーをなにかにつかえていたらと今は思う。




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