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本読み日記2「方舟」「十戒」「変身」「白夜行」
こんにちは。
本読み日記2です。
最近読んだ4冊!
ネタバレありの感想はワンクッション置いて書きます。
Amazonのリンク置いておくのであらすじとかはそちらから読んでください。
※タヒ関連の単語に伏字を使ってます!
■「方舟」夕木春央
クローズドの舞台で巻き起こるミステリー。〇ぬべき人間を選ぶ。
ぜひ、「もし自分だったらこうするな」とか、「この人を選ぶな」とか考えながら読んでほしいです。推理しながら読むのもとても楽しいです。
読み終わった後、誰かと感想を共有したくなるような一冊だと思います。
この本を読もうと思ったのはきっかけは、私の好きな作家である小高和剛さんがこの本を紹介していたこと。ミステリ好きならぜひ。という感じだったのと、表紙が印象的で読もうと思いました。
普段ミステリを読んでいない方や、長い文章を読むのが苦手な人にも読んでほしい。ノッてしまえば半日で読み終わる量かなと思います。
表紙の禍々しさが癖になる感じ。読了後は表紙と裏表紙をじっと見たりしていました。
ひとつだけ。深夜に読むのはおすすめしません。自分は恐怖で寝られなくなり、深夜に友人に電話で泣きつきました。昼間に読めばよかったです笑
でも面白くて読むのが中断できませんでした。良いトラウマ本でした。
■「十戒」夕木春央
「方舟」を読んだら、その次に読んでほしい作品です。
こちらもクローズドの舞台。
ミステリーなのに、犯人を見つけてはいけないというのがすごく面白いです。全員が犯人を見つけないように牽制しながら過ごす三日間。緊張感がずっとあって読んでいてハラハラします。
読み終わったら是非、こちらの解説サイトを見て欲しいです。鳥肌です。
■「変身」東野圭吾
思考実験、テセウスの船、クトゥルフ神話TRPG「カタシロ」
このワードが好きな人にオススメしたいです。
ある事故に巻き込まれた主人公は、破損した脳の一部を補うために脳移植を施されます。もし自分の脳の一部が別の誰かの脳で補われたとき、それは果たして今までの自分と同一だと言えるのか?そんな本です。
この本を読み始めてすぐに思ったのは、テセウスの船の思考実験に似ているな〜と。
テセウスという船の一部が少しずつ新しいものに取り替えられていき、最終的に全てが新しい部品となった時、それはテセウスの船と言えるのか。
以前このテーマについて、あなたはどう思う?的なことを考える機会があって、私は「これまで部品が変わっていく過程でテセウスの船であったと自分は捉えるから、全ての部品が変わった時にもそれはテセウスの船である」と考えました。
でも、人間の場合ってどうでしょうか。
■「白夜行」東野圭吾
すごい本を読んでしまった。最近読書モチベが高いので、たまに挫折している いわゆる分厚い本 を取ってみようという気になり読んだ。
すごい。これだけ分厚い事の意味がある。どこがサビかはネタバレありの方に書くけれど、サビの盛り上がりがすごい。
途中、東野圭吾のミステリーの組み方に脱帽して両手で頭抱えながら鳥肌が収まるまで待つ休憩時間を入れた。
分厚いミステリー読みたいな~という方は是非とも読んで欲しいです。そうでない方も勿論…
登場人物は少し多めです。でも、2年一緒にいた友達の顔と名前が急に一致しなくなるような私でも大方人物把握しながら読めたので大丈夫かと思います。
⚠以下ネタバレあり感想、読了後見てください🙏
![](https://assets.st-note.com/img/1726706462-nxjIy9NTRqvA873fHhOzisV2.png)
□「方舟」
この本を読んで、最後の展開を予測できた方いらっしゃいますか‥。私は全くできなかった。
序盤で大岩が落ち、混乱している最中で唐突に〇人が起きる。頭は混乱する。それが静まるよりも前に次の殺人が起きる。そして最後の数ページですべてが覆される。眠れなくなった。
日が明けて冷静に考えてみれば、〇人を犯さなくても助かる道はありそうだったし、麻衣に見捨てられたあとでも助かる道は考えられそうだった。しかし、残り数ページでの覆しに混乱させられ、そのことよりも、恐怖が上回り臨場感でいっぱいになった。
本で眠れなくなったのは久しぶりだった。
麻衣が一連の〇人の犯人だと分かった後、麻衣は大岩をどかす為のレバーの部屋へ向かう。そのとき、麻衣は柊一の方を振り向く。柊一は麻衣にはついていかないという選択を取る。
もし自分が主人公で、相手が愛している人だとしたら、貴方ならどうしますか。私はその人(ここでいう麻衣)についていくかもしれないと思った。
柊一の麻衣に対する愛は、共通の敵という隆太ありきで成立していたものだったのかもしれないと思った。
愛されない人は死ぬべきか?麻衣が言っていたことはこういうことなんだとも思う。愛されなくとも、愛されていても、生きたい。そう思うのは平等だ。
□「十戒」(方舟も読んだ方のみ見てください)
またまた、やられた!!と思った。方舟を読んだから十分に警戒していたはずなのに。読了後、もう一度読み直した人も多いんじゃないだろうか。
主人公にも、綾川さんにも騙されていた。
こんなに短い文章量でここまで翻弄される経験が無くて、本当に新鮮で面白かった。
そして、↑でも紹介した「十戒」のネタバレ解説を読む。
ここでもまた、やられた!!と思った。綾川さん、貴方…前の本でも会いましたよね…。
「十戒」も「方舟」も、探偵役ってこういう人だよね。を覆してくる作品だなあと思いました。夕木さんに翻弄され過ぎてもう笑えてくる。翻弄されるのとても楽しかったです。
□「変身」
自分の脳の一部が自分以外の脳で置き換えられたとき、それは以前の自分と同一なのか。
しかも今回の話は、その脳が人殺しをする性質を持っている。
最初はテセウスの船と同じように、部品(脳の一部)が変わっても純一は純一だと思っていたんだけれど、話が進むにつれてそうとも言えなくなって行った…。
もう誰か…誰か純一を、主人公を、止めてくれ…もう純一じゃないよ…って思いながら読んでいた。
そして終盤。
愛の話だ〜〜〜〜〜〜〜〜
脳移植によって変わっていく主人公の様子を綴っていくサイコホラーな感じかと思ったら、ラストにかけて恵への深い愛が綴られて涙が出そうになった。
主人公の一人称とか思考が、純一と京極でどんどんぐちゃぐちゃになっていくのが読んでて辛かったし面白かった。
ヌードのスケッチが最期の物になるのが、何だか「タイタニック」を連想させた。あれも愛の話だったよね。
読みながら・これを書きながら考えがコロコロ変わるけど、純一が銃で自分の頭を撃った時、撃ったのは純一でもあり京極でもあったんだろうなと思う。
最期は純一として生涯を終えるんだろうな。
東野圭吾の本って、もうどれがハッピーエンドなのか分からないよ!って感じが凄く好き。多分これ今後もn回言うと思う。
またまた凄く面白い本でした〜
□「白夜行」
最初はよくあるようなシンプルめな○人事件の操作から始まる。怪しい妻がでてきたり、その妻と関係があるのでは?というような緑のサングラスをかけた男性がでてきたり…。
そしてとあるところで視点が変わる。私はこの時、あれ?あの事件ってどうなったの?全然関係ない話?と一瞬混乱した。でも、読み進めるとあの事件の後の話のようで。ふむふむ、別の登場人物の視点で進めていくタイプの構成か。これは私はこんらがりそうだな、あまり長い本を読みきったことがないし……。と思っていた。ちょっと緊張しながらも何とか食らいついて半分ほど読む。
年経過を感じながらただ物語を読み進めていくと、ある女性の行動に違和感を感じ始める。それが雪穂。
この時はまだ、ちょっと人たらしな魔性の女性なのかな?と思っていた。でも、今枝や笹垣の視点から描かれる雪穂にとても恐怖を感じるようになっていった。
ここからはもう、ただただ「先がどうなるか」が楽しみで仕方ないまま、本を読み進めた。
一歩雪穂や桐原に近づいたと思えば、離れていく。それがもどかしくてワクワクした。
そして、笹垣と一成が雪穂の自宅へ行き、雪穂の割れたサボテンの土から緑色のサングラスの破片が出てきた時、私は思わず読むのをやめて(マジか……!!!!!)となった。⬆にも書いてたけど、私的にはここがサビだった。
時間をかけて読んでいたもので、誰のサングラスの破片だったかはすぐには思い出せなかったけど、本の序盤で誰かがそれをよくかけていたという描写があったことが少し引っかかって覚えていた。
どうして覚えていたんだろう。と思った。もし、東野圭吾が読者に覚えさせるために敢えてあの文章にしていたとしたら本当に感激する。いや、本当にそうなのかも…。
うろ覚えの記憶で書いているので違ったら申し訳ないが、あの時あそこまで印象的な色の描写は出てこなかった気がする。だからこそ私は、「ああ、この男性は緑色のサングラスをかけているんだな。」とわざわざ脳内にそういう身なりをした男性の像を作りながら読んだ。
そうして物語は終わりへ向かっていく。この辺りで私は覚悟はしてた。多分、このまま綺麗には終わらないぞ…!!と。直近の経験からそういう風に警戒していた。メタ読みになってしまうのは避けたかったけど、あまりにもこの本が私を没頭させようとしてくるものだから必死に抗いながら読んでいた。
綺麗に終わると思って読み進めて、綺麗に終わらなかった時、私は本当に悔しくてどうにも出来なくて、夜寝られなくなってしまうので。笑
そうしてラスト。桐原が飛び降りて○亡する。私はこの時、正直やった!と思った。でも、そうじゃなかった…。うつ伏せになった桐原を起こすと、そこには桐原の大切にしていた鋏が桐原の胸元に刺さっていた。この時点で、桐原は何者かに意図的に○害されたことになる。あんなに大切にしていた鋏を自○に使うとは思えなかったからだ。
そして笹垣が振り返ると、そこには雪穂の姿。勿論、雪穂はその人物のことを知らないと言う。
そうして雪穂の背中を見送り、物語は終わる。
うわあああって声出したくなった。やはりミステリアスは女性は最強なのか…。とても面白かった。
「サビ」で、これまで読んできた全てのページが1本の線で繋がるのが爽快すぎる。東野圭吾大好き。って改めて思った。
そしてやっぱり物語に没頭したためしっかり悔しくなってしまったので、ここで少し鬱憤を晴らすことにする。
東野圭吾の作品、悔しい終わり方が多い!!でもそこが面白いんだけど!!でも悔しい!!
次の作品では、全てきゅるっと丸く解決‼️みたいなものに巡りあうといいな。そんな淡い期待を抱きながらまた本を読もうと思います。
悔しい終わり方が多いって分かってるのに次へ次へと読んでしまうのは、やっぱりその悔しい終わり方が癖になってしまってるからかもしれないです。
東野圭吾さんの本、外れが無いもんね。
まだまだ読んでない本沢山あるので、ちまちま読みます。