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ライター志望者は”川越ランデヴー”を聴け
川越に、以前からずっと気になっている店がある。
いつ通りかかっても繁盛している様子はない。
冷やかしで覗いてみるのも申し訳なくて、
今まで足を踏み入れたことはなかった。
「斉藤牛蒡店」というのがその店の名前だ。
こんな語りから始まる曲がある。
タブラ奏者U-zhaanと夭折のテクノ音楽家rei harakamiの楽曲『川越ランデヴー』だ。川越にあるゴボウ専門店「斉藤牛蒡店」にまつわるU-zhaanの独白をrei harakamiの暖かい電子音が包む。曲の大半をU-zhaanの語りが占め、メロディがあるのはサビだけ。音楽というよりもエッセイに近い作品だ。
U-zhaanは川越生まれ川越育ち。彼が「斉藤牛蒡店」に想いを馳せ、訪れ、ごぼうを買って帰る。ただそれだけの出来事がラブソングになる。気弱な男性がごぼうを買って帰ってきただけなのに、サビでは切ない恋模様が描かれる。
それでもあなたが好きだから
今夜もまた一人呟いてる
変わらない想い染め抜いて
淡い気持ち掠めてランデヴー
それでもあなたに会いたいから
食後にそう呟いてみたのさ
離れた気持ち持ち直す
俺の朝焼け川越ランデヴー
僕は昔からずっとこの曲が好きだ。もともとU-zhaanもrei harakamiも大好きなのだけど、とりわけこの曲が持つ日常の切なさが心を掴んで離さない。
U-zhaanは斉藤牛蒡店を訪れて「ごぼうだけでやっていけるんですか?」という問いを飲み込む。彼自身がタブラ奏者として「太鼓だけでやっていけるんですか?」と聞かれ続けてうんざりしているからだ。ニッチを愛し、ニッチに生きる者としての重なりが想いを強くする。その想いは恋心にまで至る。
ライターってこうあるべきだよな、と最近思った。
宣伝会議の編集・ライター講座が始まっておおむね1ヶ月が経った。
これまで8回の講義を受け、8名のスーパースター達の話を聞いた。
どの話も刺激的で、ロマンいっぱいで、凝り固まったサラリーマンの脳をガンガン揺さぶってくる。
講義の時間が大好きで、終わった後も浸っていたくて、土曜の夜は「ずっと真夜中でいいのに」と思いながら考え事をしてしまう。
ライターという仕事に夢を抱きまくってきゅんきゅんしているのだ。
講座ではいろいろなフレームワークやロジック、テクニックを習う。
ライターとは職業であり、仕事であるからには知識と技術が必要で、きっと好きって気持ちだけではやっていけない厳しい世界だ。
けれど、根底には愛があるはず。
狂おしいほどの偏愛が、常軌を逸してこそ見える世界がある。
恋焦がれて歌を作っちゃうくらいの青臭い恋心がきっと必要だ。
今日の講義で「恋と戦争は手段を選ばない」という言葉が出てきた。
博報堂ケトルの社是らしい。
出典を調べてみると、”All is fair in love and war.”という英語のことわざだそうだ。
ことわざ好きとして、自分の座右の銘にしちゃいたいくらい気に入った。
これまで座右の銘は「和を以て貴しと為す」と言ってきた。聖徳太子が制定したとされる十七条憲法の第一条だ。
けど恋のためなら、戦争のためなら手段なんて選ばないもんね。
そんな強気にさせてくれる言葉だと思った。
恋と戦争といえば相対性理論の『(恋は)百年戦争』。
最強装備で向かう 今夜決勝戦
一仕事終わらせる 私百戦錬磨
これくらい強いマインドでやってくぞ。
ここからは余談。
そういえば、自分も斉藤牛蒡店に行ったことがあるのを思い出した。
画像の情報によると2020年1月25日のことだった。
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きんぴら用のごぼうと人参の袋を買って、きんぴらを作ったはずだと思ったのに、全然別の謎牛丼と味噌汁になっていた。なんで作ってないんだよ。
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きんぴらは好きでよく作る。今年は年始に二週間ほど一人暮らしになったので、たくさん作って毎日食べた。
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ある日の晩御飯。奥さんに健康アピールをして、翌日からは沢山ラーメンを食べた。
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