復活したSIRENを怖がらず楽しむためのアイディア
ご機嫌麗しゅう。火中の栗と申します。
ついに来ましたね。ホラーゲームの金字塔、『SIREN』の復活!!
プレステ2で発売されてから21年。
先日、現行機であるPS4とPS5でプレイできるようになったのであります。
私は学生時代に友達と夜な夜なクリアをしてからSIRENの虜。
ゲームとしての面白さはもちろん、練りに練り込まれた緻密な物語、知っても知り尽くせないほどの細かな設定に酔いしれ続けております。
けれど約10年ぶりにプレイして思ったのだけど、あまりにも怖すぎる。
隣に後輩の可愛い女の子にでも居てもらわないとやってられない。(思えばめちゃくちゃ恵まれたプレイ環境だったな・・・。)
けれど怖がってプレイできないのはあまりに勿体無い。
そんなわけで、SIRENを怖がらずプレイするためのアイディアを自分に言い聞かせるために書き連ねたいと思います。
ちなみに重要なネタバレをしかねないので、未プレイの人はネタバレ注意です。
①屍人は友達!怖くない!
SIRENを代表する怖い敵キャラ、屍人。
物語の初めはゾンビのような見た目だが、ストーリーが進むにつれて犬屍人や蜘蛛屍人、空飛ぶ羽屍人や頭部があんなことやこんなことになった頭脳屍人(ブレイン)だったりと、あの手この手で怖がらせてくる。
そんな屍人は設定上、人智を超えて神に近づいた存在。
僕たち人間よりも高度で尊い存在なのだ。
屍人たちはプレイヤーキャラクターを見つけると農具や工具、拳銃や猟銃で襲ってくるのだけど、何も悪意があって攻撃してくるわけではない。
「仲間になりなよ!」「一緒に楽園に行こうよ!」そんな熱いウェルカムの気持ちで誘ってくれているのだ。
血を流せば流すだけ、村を覆い、雨のように降る”赤い水”が代わりに身体に入っていく。”赤い水”が入れば入るだけ神に近づくことができる。
そうすることで視界には天使様のような可愛い存在が飛び交う楽園が見えるし、永遠の若さと命を手にいれることができる。
屍人たちの生活をよく観察すれば気づくはずだ。笑顔が絶えない、アットホームな暮らしであることに。
「イヒヒッ!」「春海ちゃんの匂いがするよぉ」「ふくらはぎっ!」
そんな言葉を楽しそうに言ってるじゃないか。
けれど、僕たちプレイヤーには「終了条件」という達成すべき目的がある。
歓迎されて後ろ髪を引かれるけど、もう少しやりたいことをやらせておくれ。時には友達の誘いを断る勇気を忘れちゃいけない。嫌われる勇気も大切だ。
②マップを頭に叩き込め!
前項で屍人に対する恐怖は捨てることができた。
その次に克服すべきなのは、先が見えない恐怖だ。
異界に飲み込まれた舞台、羽生蛇村はとても暗く、霧が深い。
まさに一寸先は闇だ。
目の前が見えないからといって懐中電灯を灯せば、すぐにお友達に見つかってしまう。歓迎してくれるから嬉しいのだけど、お誘いを断る気まずさが残る。
怖いのは、どこに何があるのか分かっていないからだ。いくら暗くても、夜の自分のお家は怖くないじゃないか。
目を瞑っても村を歩けるくらいにマップを頭に叩き込むのだ。
誤ってお友達の誘いを受けることになったとしても、何も死ぬわけじゃない。何度だってやり直せる。
何故かって?それが業(カルマ)だからだよ。(※結構なネタバレ)
何度も何度も村を歩いて、観光大使になれるくらい詳しくなろう。
③キャラクターを愛せ!
SIRENはたくさんの登場人物の視点から描かれる群像劇だ。
操作するキャラクターだけで十人もいる。
銃や聖剣(火かき棒)を持ち、友達の誘いを断りやすいキャラもいれば、友達に近づかれただけでゲームオーバーのお人好しもいる。
そんな一人一人を愛そう。愛で乗り越えるんだ。
特にメイン主人公、須田恭也のシナリオではヒロイン神代美耶子を連れて歩くシーンが多い。敵・・・じゃなかったお友達のお誘いを振り切りながら美耶子を守るのにヤキモキさせられる。
こっちは一生懸命なのに「早く連れてけ!」と言われるし、もたもたすると「ぐーず」と言われる。こっちだって必死なのに!と怒っちゃダメだ。
この様子、ツンデレのメスガキじゃないかい?
2003年に発売された今作、ツンデレブームを巻き起こした涼宮ハルヒも、メスガキ旋風を巻き起こしたポケモンのサンゴにも先駆けて美耶子にオタクが喜ぶ属性を盛っているのだ。
ほうら、(気持ちが)明るくなっただろう?
④公式解説本『SIREN MANIACS』を読め!
既に一度プレイ済み、もしくはネタバレなんて気にせず世界観を楽しみたいという方は公式解説本『SIREN MANIACS』を読むことを強くお勧めする。
この本は一般的な攻略本とは大きく異なり、世界観を深く理解するための解説書だ。本の帯にも「クリアしてない人にも読んでほしい。「サイレン」のすべてが理解できる一冊」と書いてある。
この本はとにかく情報量がものすごい。
キャラクターやストーリーの解説はもちろん、ディレクターやシナリオライターへのインタビューは読んでいて胸が熱くなる。
世界観や設定の一つ一つを練り上げて、妥協なくゲームを作り込む。
圧倒的なクリエイティブの姿がそこにある。
知れば知るほどSIRENの世界が好きになるし、怖がっていちゃ勿体無いという気持ちにさせられるのだ。
ちなみに僕は続編、SIREN2のMANIACSまで持っている。
えっへん。
⑤ネットで世界と繋がれ!
SIRENの魅力の一つが、インターネット上の盛り上がりだ。
毎年7月中頃〜8月初頭は物語が進行する時期として、「異界入り」というハッシュタグがトレンド入りする。
ゲームに関わった人たちも現在進行形でSIRENを愛していて、主人公の須田恭弥役を演じた俳優、篠田光亮さんもSIRENの復活を祝っていた。
昨年はシリーズ発売20周年を記念して、「異界入り万博」というリアルイベントまで開催された。
現行機種で復活を遂げた今、SIRENの熱は更に加速したはずだ。
これからの動向もリアルタイムで追ってみよう。
また、YouTubeにはたくさんの実況動画や解説動画が上がっている。
ネタバレは気をつけないといけないかも知れないが、プレイしているのは自分だけじゃないと思うだけでも心強いだろう。
⑥とにかくプレイしろ!
ここまで色々書いてきたが、結局怖いのだ。
少し進めて猟銃を持ったイケおじ、志村さんのシナリオまで来たのだけど、その面がめちゃくちゃ難しかった記憶があって中断しちゃったのだ。
そんな自分を宥めすかすためにくどくど書いてきたが、とにかくプレイしないと始まらない。
どうか僕に楽しくプレイできる勇気をくださいーーー。