空桶日記 #9 ソラアイ
鏡で自分の顔を見ると、ふと、
「あぁ、今日の顔、ばあちゃんに似てるなぁ」と思うことがある。
今日は、そんなばあちゃんの話。
昨年の今頃、母方のばあちゃんが亡くなった。
ばあちゃんは、秋田で生まれ
じいちゃんと出会って、北海道に移住した。
開拓した北海道の片田舎で、伯父と母を育てた。
ばあちゃんは、いつも等身大な人だった。
ただ人として正しく、毎日いつも通りちゃんと生きることを頑張っていた。
見栄を張らず、背伸びせず、
できないことは、笑って「できない」と言える強い人だった。
そして、決して人をばかにしなかった。
そんなばあちゃんの使う言葉は、簡単で、柔らかくて、
すーっと体に沁み渡る水みたいな響きだった。
愛するゆえに 寂しくなって
ツカエテは 苦しくなって
こんな風でしか君を愛せなくて
本当に、ごめんね
ばあちゃんの孫に生まれることができて、本当に誇らしい。
ばあちゃんのように、心のままに言葉を伝えられたらいいな。
晴れるわけでもない空を
それでも僕は
今日を期待して生きてみる
君が僕にくれたように
僕もまた誰かを
深く愛せますように、と
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