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レポート:初個展「手の花瓶」開催

2024年11月2日から4日まで、原宿のデザインフェスタギャラリー原宿WESTにて、初めての個展「手の花瓶」を開催しました。3日間合計で286人にご来場いただいたこの作品展は、私の人生において転機となる特別な体験であり、思い出に残る時間でした。


「手の花瓶」とは

手に宿る感情を花との融合で表現している「手の花瓶」

「手の花瓶」は、文字通り手を花瓶に見立て、感情豊かな手と静寂の中で咲き誇る生け花の美しさを融合させた独自の創作アートです。シンプルでありながら凝縮された空間の中で手と草花が一体となることで、現実と非現実が共存する生命力豊かな世界を生み出すことを試みています。


「シンプルさ」と「純粋さ」

花と手以外の要素を排している「手の花瓶」

作品の制作において最も大切にしているのは「シンプルさ」と「純粋さ」です。あえて要素を極限まで削ぎ落とし、被写体の本質を際立たせることに挑戦しました。写真の中に映し出されるのは、ただ「花」と「手」。それ以外の余計な要素を排除し、花と手が対話する空間を作り上げることで、その持つ美しさや生命力を際立たせています。

飾り気のない手に生けられた草花

この作品では、背景を無地もしくは単色のカラーのみで統一し、主題である「花」と「手」だけが画面に浮かぶように構成しました。背景に余計な要素を取り入れないことで、花と手の存在感が際立ち、鑑賞者がそこに自分だけの物語や風景を見出せるように意図しています。花を手で支えるその瞬間には、何気ない美しさや儚さ、あるいは手の温もりが感じられるかもしれません。背景のシンプルさによって、想像力がどこまでも広がり、私が感じた手と花の微細な関係性を、来場者自身の視点からも味わってもらいたいと考えました。


解放される感情

草花を持たせないことで、開放や自由を表現

「手の花瓶」では、草花や木などの花材を自由の象徴として捉えています。草花が天に向かってすらりと伸びているA2・A3サイズの作品7点は勿論のこと、正方形の「一輪挿し」シリーズ8点も含め、草花や木を手に一切持たせていません。力みのない手という小さな器に自由に生けることで、自然の美しさと独自の個性を放ちながら、日々の窮屈さや息苦しさから解放される自由な姿や束縛されない無限の可能性を表現しています。


初個展を終えて

来場者と談笑する作者(右)

作品展の期間中、多くの方々が写真を見ながらじっくりと考え、感じてくれたことに、深く感謝しています。初めての個展ということもあり、自分自身の表現がまだ未熟だと感じる場面も多々ありましたが、だからこそ、今後さらに新しい角度から「手の花瓶」のテーマを掘り下げ、次の作品作りに繋げていきたいと思います。

会期中にいただいたフィードバックや感想は、私にとって大きな励みであり、また新たな挑戦へのエネルギーとなりました。また、私では思いつかなかった企画やアイデアを沢山頂戴できたことは大きな財産として、今後の作品に活かしていきたいと考えています。この個展が私の創作活動の大きな一歩であるとともに、これからも多くの方に私の世界を届けていきたいという決意を新たにしました。次回の展示や作品にも、ぜひご期待ください。


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