親の世代から始まったことが子の世代へと受け継がれていく2世代4家族による時を超えるヒューマンドラマ『愛と哀しみのボレロ デジタル・リマスター版』
【個人的な満足度】
「午前十時の映画祭13」で面白かった順位:23/26
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★☆☆
【作品情報】
原題:Les uns et les autres(The Ones and the Others)
製作年:1981年
製作国:フランス
配給:コピアポア・フィルム
上映時間:185分
ジャンル:ヒューマンドラマ
元ネタなど:なし
【あらすじ】
※公式サイトの文章を元に記載。
1936年、モスクワ:ダンサー志望のタチアナ(リタ・ポールブールド)は、ボリス(ジョルジュ・ドン)と結婚して息子を授かるが、第二次大戦で夫は戦死し…。
ベルリン:ピアニストのカール(ダニエル・オルブリフスキー)は、ヒトラーから称賛されたことで生涯苦しみ続けることに…。
パリ:バイオリニストのアンヌ(ニコール・ガルシア)は、ユダヤ人ピアニストのシモン(ロベール・オッセン)と結婚して息子を儲けるが、二人は強制収容所行きの列車に乗せられ…。
ニューヨーク:ジャック・グレン(ジェームズ・カーン)は、ジャズ・バンドで名声を得ていた…。
そして20年後、彼らの子供たちは…。
【感想】
「午前十時の映画祭13」にて。1981年のフランス映画。親世代では繋がりのなかった4家族が、子供の世代で奇しくも一堂に会するのがとても感慨深い映画でした。
<4つの家族に起こる波乱万丈な人生>
子供を持つ身になると、こういう親世代から子世代へ受け継がれていくような話はとても興味深く感じますね。時代に多少の差こそあれ、どの家族も第二次世界大戦を挟んで大きく人生が変わっていきます。個人的に一番印象に残ったのは、アンヌとシモンのエピソード。強制収容所へ向かう列車に乗せられたとき、我が子を助けるために、まだ生まれて3ヶ月も経っていないような赤ちゃんを、停車中の列車から線路に降ろすシーンは心苦しかったです。結果としてその赤ちゃんが無事に成長していったのはよかったけど、終戦後にアンヌが必死になってその赤ちゃんの行方を捜すところは感情移入してグッときました。
<ある意味ズルい『ボレロ』の功績>
この映画は音楽もいいんです。特に、邦題にその名前がついていますが、作中で使われるモーリス・ラヴェルが1928年に作曲したバレエ曲『ボレロ』は、僕の大好きな『デジモンアドベンチャー』(1999)でも使用されているため、それだけで好印象です(笑)また、物語の序盤と終盤で観れるその『ボレロ』に合わせたセルゲイ(ジョルジュ・ドン)の力強いコンテンポラリー・ダンスのインパクトも大きいです。ちなみに、原題には「ボレロ」なんて入っていないんですが、原題をそのまま訳したら、、、なんでしょう、、、「ひとりとその他の人たち」ってこと、、、?日本語にしたら意味わからないですね(笑)
<人物相関図がわかりづらすぎる>
そんないい要素もあるこの映画ですが、、各レビューサイトの高評価とは裏腹に、個人的にそこまでハマれなかった理由がひとつだけあります。それは、「誰が誰だかわからない」ということ(笑)まず、4家族ってことでそもそも登場人物が多いです。その上、親子2世代にわたる話なんですが、親と子で同じ役者が演じているんですよね。馴染み深い役者ならまだしも、初見の人ばかりの中で、しかも自分から見る欧米人って同じ顔に見えたりするじゃないですか。テロップで時代や場所を事細かに明示しているわけでもないし、「あれ、この人さっき死んでなかった、、、?」、「この人ってあの指揮者の人、、、?」という自問自答が後半ずっと続いていました(笑)おそらく、これは2回目を一時停止したり巻き戻したりしながら観た方がよさそうですね。とはいえ、現状ではTSUTAYAでDVD借りるしか観る手段がないのですが。
<そんなわけで>
1回観ただけだと混乱しかしなそうですが、人物相関図を把握してから観たら、もう少し楽しめるんじゃないかなと思える内容でした。ただ、この映画を観ると、自分がこれまで出会った人たちの出自を紐解いていったら、もしかしたら、両親や祖父母世代ですでに何かしらの繋がりがあるのかもしれないというところにロマンを感じますね。
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