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あのシンデレラのその後を現代風に描いた『哀愁しんでれら』

【個人的な評価】

2021年日本公開映画で面白かった順位:13/19
   ストーリー:★★★☆☆
  キャラクター:★★★☆☆
      映像:★★★☆☆
      音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆

【以下の要素が好きなら楽しめるかも】

サスペンス
子育て
サイコ家族
シンデレラのその後

【あらすじ】

児童相談所で働く小春(土屋太鳳)は、自転車屋を営む実家で父と妹と祖父と4人暮らし。母に捨てられた過去を抱えながらも、幸せでも不幸せでもない平凡な毎日を送っていました。

しかしある夜、怒涛の不幸に襲われ一晩ですべてを失ってしまいます。そんな彼女に手を差し伸べたのが、8歳の娘・ヒカリを男手ひとつで育てる開業医の大悟(田中圭)。

優しく、裕福な大悟は、まさに王子様。「ただ幸せになりたい」と願う小春は、出会って間もない彼のプロポーズを受け入れ、不幸のどん底から一気に幸せの頂点へ駆け上がりました。

シンデレラの物語ならここで"めでたしめでたし"。しかし小春の物語はそこでは終わりませんでした……。

【感想】

土屋太鳳、アリスの次はシンデレラですね(アリスまだ観てませんがw)。

今作は、王子様と結婚したシンデレラの"その後"を現代風に描いたサスペンス映画です。全体的に悪くはなかったんですけど、ラストが賛否分かれそうだなーという内容でした。

シンデレラ自体は有名すぎる話だとは思いますが、実は多数のバリエーションが存在するんですよね。まあ、ざっくり言うと、継母たちにいじめられていたシンデレラが紆余曲折を経て、最後には王子様と結婚するという話です。原作はそこで終わっているので、その後の話に関しては、解釈はいかようにも可能です。

この映画では、いろんな不運な事故が重なった主人公が、イケメンで金持ちの開業医と結婚するという設定。しかし、幸せになれると思って選んだ道だけれど、気づいたらその選択は誤っていたんじゃないかと思わせるところがいかにも現代らしいです。

肝心の王子様一家がとんだサイコ野郎ってのがその理由だけれど、金と地位と表面上の人柄に惹かれて、出会ってすぐに結婚したらそりゃそうなるだろとは思いますよね(笑)劇中で小春の友達が言ってた「足のサイズしか知らないのに結婚して大丈夫?」というシンデレラの意思決定に疑問を呈しているのはごもっともです。

でも、印象的なのはその後の展開なんですよ。今作はモンスターペアレンツの要素も入れ込んでいるのですが、あんなに自分はこの家族とは合わないかもと思っていた小春が、だんだん染まってくるんですよね。朱に交われば赤くなるとはまさにこのこと。

今日、舞台挨拶中継付きの回に行って、そこで土屋太鳳や監督の方もおっしゃっていたけれど、「同じ場所に居続けることによって、最初に感じていた違和感や痛みに慣れてしまう」っていうのがうまく描かれていると思いました。洗脳とかじゃないんですけど、やっぱりずーっと同じ環境にいると染まってしまうことってありますよね。特に大きな企業で働いていると、そこの風土に染まるみたいに。

ただ、ラストがな~。唐突だし、ちょっと意味わからなかったんですよ。。。自らの正義を貫き通すためとはいえ、そこまでする?っていう。無理矢理すぎかなって感じてしまいました。こういうのは洋画の方がうまい気がしますね。きっかり白黒つけるか、大どんでん返し出してくるので。

なので、設定はわかりやすいし、シンデレラのひとつの可能性としてはアリだとは思いつつ、、、キャラクターのサイコ感や小春の人格の移ろいはちょっと弱かったかなと僕は感じました。なんか、なんか、惜しい!っていう(笑)

てか、山田杏奈すごいですよね、最近出まくりで。今やってる映画でも、これに加えて、『名も無き世界のエンドロール』と『樹海村』に出てるし、ドラマもテレ朝の『書けないッ!?』に出てるから、マジで引っ張りだこだなって。

あと、子役の子がね、すごいんですよ。COCOっていうファッションインスタグラマーらしいんですが、これが映像作品初出演なのに、劇中の演技はうまいし、舞台挨拶の受け答えはしっかりしてるし、おじさんびっくりでした(笑)


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