可憐な少女たちが和太鼓を叩きまくるギャップある画に萌える『藍に響け』予告編
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:75/93
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★☆☆☆
【以下の要素が気になれば観てもいいかも】
ヒューマンドラマ
青春
部活
友情
和太鼓
【あらすじ】
松沢環(紺野彩夏)はミッション系お嬢様学校へ通い、幼馴染みの佐伯美鈴(小西桜子)とは富裕層らしい日常を過ごしていた。しかし、父の会社が倒産し、バレエも辞めることになる。
友人にも言えず、行き場のない想いを抱える環は、ふと聞こえてきた音の振動に吸い寄せられる。そこでは、新島マリア(久保田紗友)が和太鼓を叩いていた。その音は力強く豊かで彼女自身の心を表すようだった。声帯損傷で言葉を話せないが明るく、和太鼓を自分の言葉のように叩くマリア。
マリアの積極的な誘いにより、いつしか心が動かされ、和太鼓部の扉を開いた環だったが……。
【感想】
和太鼓を通じて友情が育まれる部活系映画です。集団でやる音楽系のクラブ活動をしていた人は、共感度が高いかもしれないですね。僕はスポーツ系でしたが、昔の部活動を思い出すところもありました。
<メイン2人の対比が印象的>
この映画は、環とマリアの対比がとても印象深く描かれています。言葉は話せるのに、言いたいことをなかなか言えない環。言いたいことがあるのに、
声帯損傷で声が出せないマリア。2人とも、心の内にたぎる想いはあるのに、それを表に出すことができないでいるんですよ。言葉にできないという結果は同じなのに、その背景がまるで異なるっていうのが、2人の性格や関係性を表しているようです。それを、和太鼓の打ち込みを繰り返すことで、心を通わせるという青春全開なストーリーは、若さと青さがほとばしっていて観ていて微笑ましいです。
<前半はちょっと退屈>
ただ、物語の前半部分は少し退屈に感じる人もいるかもしれません。特に、環が自分の意志や気持ちを伝えられない状態が続くため、「もっとはっきりせい!」ともどかしく感じてしまいました。最初は、雰囲気的に『ウォーターボーイズ』系かなとも思ったんですが、コメディではないし、そこまでテンポよく進むわけでもなく、淡々としているため、感情移入もしづらいんですよね。ここは好み分かれるかもしれません。
<後半に入ってからが見どころ満載>
面白いのは後半に入ってからです。教師であるシスターニッチェ(筒井真理子)がコーチに就任するんですが、全国を目指すがゆえの想像を絶する厳しさに、ついていけない生徒も出てきます。
環にも変化が表れます。彼女も最初は素人だったのに、元々バレエをやっていたこともあってか、ストイックなところがあるんです。なので、上達も早く、ついていけない生徒に「努力が足らないんじゃない?」って言い出す始末。
こういう集団競技では、まわりとのモチベーションの差は必ずついてまわる問題ですよね性格もスキルもバラバラの中、全員が全員、ストイックになりきれるわけでもないし、誰よりもうまくなりたいのか、楽しくやりたいのかっていうスタンスの差もあると思います。僕は個人競技に身を置いていましたが、高校時代の部活のときは、体調不良を理由に練習を休む人に、「体調管理ができないのって気持ちが足らないんじゃない?」っていう先輩もいたので、昔をふと思い出しました。
まあ、チームマネジメントをどうするかっていう映画ではないので、そのチーム内不和みたいなのは、メイン2人の仲直りによってちゃんちゃんってなっていましたけれど(笑)
<ラストシーンは圧巻>
最後の地区予選大会のシーンはメチャクチャかっこいいです!線の細い可憐な少女たちが、声を荒げ、力強く和太鼓を叩く姿のギャップある画がすごくまぶしいんですよ。和太鼓ってイカツイ男の人がやってるイメージがあるんですが、真剣な眼差しでバチを思い切り振り下ろす姿は、誰がやっても頼もしく感じられるのかもしれません。
終わり方はやや中途半端な印象はあるんですが、真面目な部活系青春映画ってことで、そういうのが好きな人にはオススメできます。
ちなみに、僕は『太鼓の達人』ぐらいしかやったことないんですが、和太鼓ってみんな同じ楽器を使うから、集団でやったときに合わせるのすごく大変そうですよね。ちょっとでもズレると目立ちそうだから。。。