悪夢のような『デトロイト』

本当に悪夢のような2時間半だった。。。
怒りと失望がこみ上げ、ここに正義はないのかと叫びたくなる。
デトロイト市警が狂気の沙汰すぎる。
もうデトロイトになんか絶対に行くかと思うほど(笑)

黒人に対する人種差別を根底に、
アメリカの暗い歴史と緊張感が張り巡らされた見応えしかない映画。

今回、改めて人間は恐いと思った。
暴徒と化し、歯止めのきかなくなった民衆のうねりはまさにカオス。
もちろん意志ある行動として暴動に参加した人もいるだろうけど、
中には「流されて」参加している人もいるはずで、
そういった意志なき流された大衆はタチが悪いんだろうなと勝手なイメージ。

そして、疑心にまみれた人間の恐さ。
デトロイト市警が、黒人たちが銃を持っていると思ったら、
その確からしさに関する検証は一切行わない。
何を言ってもまわりの声を信じず、
自分が決めつけた結論以外は認めない理不尽さには、
怒りと悲しみが混在した。
警察による圧倒的暴力の前に、
「おまえは神か?」と問いたくなるが、
もはやそれに従うしか生きる術のない黒人たちに心が痛む。

とはいえ、少なくとも俺が生まれてからは、
日本には大きな暴動や人種差別がほぼないので、
この映画を観ても実体験としてそれらを感じることはできないけれど、
アメリカをはじめ、そういったことが
歴史として刻まれている国に住む人々からしたら、
これはまた違った映画に見えるのかもしれない。

こういう映画だと、虐げられている側があまり反撃に出ないけれど、
それは力は力によって押さえ込まれることや、
やったところで再度大きな報復が来ることがわかっているからだろうか。
日本は他人に対して厳しく何かを言うことがないし、
泣き寝入りじゃないけど、強く意思表示することもないから、
同じ反撃をしないという行動でもその背景は大きく異なりそう。
(だからクソみたいな外人YouTuberが好き勝手やるのかもしれないけれど)

緊急事態かつ常軌を逸した状況下では、
俺の想像を絶することが起きるのだと思うけど、
それにしても惨い映画だった。

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