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ロングコートとマトリックスアクションが似合う日本人は金城武しかいないと思った『リターナー 4Kデジタルリマスター』
【個人的な満足度】
2024年日本公開映画で面白かった順位:57/133
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★★
映像:★★★★★
音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★★★
【作品情報】
原題:-
製作年:2024年(オリジナル版は2002年)
製作国:日本
配給:東宝
上映時間:116分
ジャンル:SF、アクション
元ネタなど:なし
公式サイト:https://eiga.com/movie/76027/
【あらすじ】
※映画.comより引用。
2002年。闇の取引からブラックマネーを奪って依頼者に送り返す「リターナー」のミヤモト(金城武)の前に、2084年からタイムスリップしてきた少女・ミリ(鈴木杏)が姿を現す。2084年の地球は宇宙人・ダグラの侵略によって人類存続の危機に陥っており、ミリは地球にやって来た最初のダグラを抹殺するため2002年に送り込まれたのだった。
やがて2人の前に現れた最初のダグラを巡り、ミヤモトの宿敵で裏社会を支配しようと目論む溝口(岸谷五朗)との激しい攻防が繰り広げられるが……。
【感想】
※以下、敬称略。
2002年の日本映画の4Kデジタルリマスター版にして、『ゴジラ-1.0』(2023)の山崎貴監督による長編第2作目。最近は全然見かけませんが、こんなコッテコテのSFアクションが邦画でもあったんだってぐらい新鮮に映る映画でした。
<邦画のVFXアクションの先がけ?!>
この作品の一番の見どころはミヤモト(金城武)の繰り出す超絶アクションの数々です。冒頭では、敵の銃弾を交わしながらたったひとりで全員をボコボコにする圧倒的強さに目を奪われますし、終盤では、未来からやってきたミリ(鈴木杏)の持つ体感時間を20倍に延ばす装置を借りてのハイスピード攻撃に心躍ります。弾の弾道が可視化され、それを避けながら大勢の敵を一網打尽にする姿がかっこよすぎました。それでいてミヤモトの戦闘服は黒のロングコート。多分、いや絶対『マトリックス』(1999)の影響を受けてるだろって思いますけど(笑)当時の邦画でここまでVFXを駆使した超絶アクションのある作品ってなかったのでは。いや、今もなかなかないですよね、実写では。
<王道なSF設定は何だかんだで面白い>
ストーリーもタイムトラベルを取り入れたドストレートなSF映画で個人的に好きな話です。82年後の未来ではダグラという宇宙人によって人類は滅亡の危機に瀕しているんですね。だから、彼らの地球侵略のきっかけとなった最初のダグラを殺すために、ミリが過去にタイムスリップしてくるんです。オーソドックスな設定ではあるんですが、さっきも書いたように邦画でここまでド直球のSFアクションってのが新鮮でしたし、ラストのオチもすごくよかったんですよ。ミリの約束とミヤモトの死の回避。途中のあのシーンがそういうことだったとは気づきませんでした(笑)てっきり、ミヤモトがミリの先祖だとか、謝(樹木希林)が実はミリの未来の姿だったとか、そういうところまで妄想していましたけど、さすがにそれは考えすぎでした(笑)
<岸谷五朗の演技の幅の広さに脱帽>
あとは岸谷五朗演じるヤクザの溝口も印象的です。僕が小学生の頃の観ていた『妹よ』(1994)や『みにくいアヒルの子』(1996)から、岸谷五朗はいい人のイメージが強いのですが、今回は冷酷非道なヤクザです。さらった子供を平気で撃ち殺す残忍さには背筋が凍ると同時に、彼の演技の幅広さに素晴らしい役者だなと感じました。
<そんなわけで>
ハリウッド映画にあってもおかしくないぐらいストーリーとアクションがイチオシの作品です。時代が時代なら、映画『キングダム』シリーズ(2019-)の河了貂は鈴木杏だなと思うぐらいには河了貂っぽさがありました(笑)ちなみに、ミヤモトの幼少期を子役時代の本郷奏多が演じているんですが、エンドクレジットでの表記が「泰多」という誤字。自分もよく名前の漢字間違われるので、なんか同情してしまいました(笑)それにしても、こういうコッテコテのSF邦画、なんであまり作られなくなったんでしょう。