闇の力を解放したシンデレラがガラスの靴を凶器に舞踏会の参加者をメッタ刺し!会場全体がいちごジャムみたいになってたB級ホラー映画『シン・デレラ』
【個人的な満足度】
2024年日本公開映画で面白かった順位:105/119
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★☆☆
映像:★★★★☆
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆
【作品情報】
原題:Cinderella's Curse
製作年:2024年
製作国:イギリス・アメリカ合作
配給:ハーク、S・D・P
上映時間:115分
ジャンル:ホラー、スプラッター
元ネタなど:童話『シンデレラ(灰かぶり)』(1812)
公式サイト:https://hark3.com/cinderella/
【あらすじ】
※公式サイトより引用。
昔々あるところにシンデレラ(ケリー・ライアン・サンソン)という美しい娘がいました。継母と義理の姉たちによる虐待に苦しんでいたある日、庭で見つけた不思議な本を読んだ彼女の前に魔法使いの“フェアリーゴッドマザー”(クリッシー・ウンナ)が出現。「舞踏会で王子様(サム・バレット)と踊りたい」と願ったシンデレラは、魔法の力によって憧れの王子とダンスをする夢が叶います。
ところが王子や継母たちは舞踏会に参加している人々の前で、シンデレラのドレスを剥ぎ取り、全裸にして嘲笑、辱めの限りを尽くしたのです。その瞬間「復讐したい」と願ったシンデレラはガラスの靴を凶器に変え、邪悪な人間どもを残虐な手段で次々と血祭りにあげていく──!!
【感想】
あの『シンデレラ』がまさかのホラー映画化!とはいえ、原作の『シンデレラ』も実は恐ろしい描写があるので、ある意味それに近しいとも言えますが、内容としてはB級ホラーという感じでした(笑)ヒット作には必ず似たような作品がついてまわるものですけど、こういうB級ホラー映画はヒットしているかしていないかわかりませんが、とにかく量産される不思議があります(笑)
<おおまかには原作通り>
この映画、まず目につくのが邦題のひどさです(笑)原題は『Cinderella's Curse』なので、日本語にすれば『シンデレラの呪い』って感じなんでしょうけど、『シン・ゴジラ』(2016)や『シン・ウルトラマン』(2022)、『シン・仮面ライダー』(2023)に倣ってか、『シン・デレラ』になっています。もう日本人にしか通じないギャグでしかないじゃんかっていう(笑)
ストーリーとしてはみんながよく知っている『シンデレラ』のままで、継母(ダニエル・スコット)たちにいじめられるも魔法の力で舞踏会へ行き、王子様(サム・バレット)とダンスっていうところまでは同じです。唯一違うのが、シンデレラが庭で一冊の本を見つけたことですね。これが何なのかはわからずじまいですが、人間の皮膚でできたような表紙に目がついており、パッと見で「呪いの本」の類だというのがわかります。その本を手にしたことで、フェアリーゴッドマザーが現れて、シンデレラの願いを3つ叶えてくれるんですよ。まあ、見た目は“イービルバッドマザー”という表現がピッタリなぐらい、炎で焼かれて溶けたような顔をしたおぞましい姿なんですけど。そこでシンデレラはドレスを欲し、王子様とのダンスを願います。
<一番の見どころはやっぱりスプラッターシーン>
晴れて舞踏会に行ったシンデレラですが、彼女を待っていたのは壮絶な辱めでした。もともと王子は以前にシンデレラの家に行ったときに彼女に気があるようなそぶりをしていたんですけど、それもすべて長女の義姉(ローレン・バッド)と共謀したフェイク。王子がそこまでする理由はわかりませんが、彼は次女の義姉(ナターシャ・トシーニ)がこっそり持ち出したシンデレラの日記をみんなの前で読み上げ、舞踏会の参加者を煽ってシンデレラのドレスを引きちぎり、全裸にして嘲り笑うというクソっぷり。そこでシンデレラの怒りが頂点に達します。残っていた最後の願いを「復讐」にしたのです。魔法を使えるようになり、遠隔操作で会場の出入り口を封鎖し、ガラスの靴のヒール部分で参加者をメッタ刺し!おびただしい量の血しぶきが辺りを真っ赤に染め上げ、グチャミソのいちごジャム状態。
何とか会場から抜け出した継母と2人の義姉、そして王子をどこまでも追いかけまわし、全員の息の根を止めて物語は幕を閉じました。一番エグイなと思ったのは、シンデレラのガラスの靴を次女の義姉に履かせようとしたときに足が大きくて入らないからと、ハサミで指をジョキジョキ切り落とすところです。似たようなシーンは原作にはあるようですが、改めて映像として観るとなかなかに強烈でしたね。
<そんなわけで>
素敵なおとぎ話である『シンデレラ』がこうもスプラッターになるのがある意味新鮮な映画でした。スプラッターではありますが、今までいじめてきた継母たちへの復讐ストーリーなのでスカッとはします(笑)惨殺シーンはシュールなので、気になる方は劇場へどうぞ(笑)