オリジナルを超えられなかった『マンハント』

これは、ちょっとひどいな。。。(笑)

元は1976年公開の『君よ憤怒の河を渉れ』っていう、
若かりし頃の高倉健や原田芳雄が出ている映画なのだけど、
これと比べてしまうと、いろいろお粗末だなと。。。

実は今回の『マンハント』を観る直前に、
予習としてオリジナルの方も観たのだけれど、
物語冒頭から強盗だの強姦だのの濡れ衣を着せられた高倉健が、
事件の真相を追いながらも、刑事たちから逃げるという、
先の展開が気になるテンポのいい映画だった。
まあ、着ぐるみ感満載の熊が出てきたり、新宿を馬で疾走したりと、
いろいろツッコミどころも多く、
世間の評価はあまり高くないのだけれど、個人的には面白かった。

ところが、である。
そのオリジナルの印象が強かったせいか、
『マンハント』はやはりそれと比べながら観てしまい、
結果、オリジナルの方が圧倒的によかったと感じてしまった。

まず、今作は登場人物が多い。
ちょいちょいオリジナルの設定を盛り込んではいるものの、
登場人物が多いせいで、ひとりひとりの扱いが薄くなり、
その結果、「この人たちなんでこんなことしてるんだっけ?」
と、彼らの行動根拠がよくわからなくなってしまった。
つまり、動機が弱いのだ。
全然感情移入できなかった。

そんな内容だから、他の変なところにも目がいってしまう。
ジョン・ウーらしい激しいアクションは見物だけれど、
「それ、絶対当たってるだろ!」ってぐらい
至近距離で銃を撃ってるのに割とセーフだったり。
(逆に遠くから撃った銃がけっこう当たってる(笑))

中国人女優なのに、役名が日本人の謎。
もちろん、中国語と日本語の両方を操るのだけど、
日本語をしゃべるとき、声と口の動きは合っているのに、
声が別の人のような感じがして、アテレコ感あったんだよなあ。

そして、これはもしかしたら中国語でしゃべっているのかもしれないけれど、
日本人キャストの声と口の動きが
合っているときと合っていないときがあった。
これもアテレコ感満載(笑)

極めつけは、エンド・クレジット後の、監督と福山雅治の対談。
よく『王様のブランチ』で見るような、宣伝を兼ねたインタビューのようで、
むしろ「DVDとかの特典映像なんじゃないの?」
っていうのを本編が終わった後に観るという、不自然な流れ(笑)

『ミッション:インポッシブル2』や『レッドクリフ』の
ジョン・ウー監督だから、それなりに期待はしていたのだけれど、
正直、オリジナルの方が断然よく、ちょっとがっかりしてしまった。
なので、オリジナルを知らないほうが、まだいいのかもしれない。

ただね、福山雅治は超絶かっこいいよ。
何食ったら、こんなかっこよくなれるんだってぐらい。
ため息出る。

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