ハワイアンレイの歴史と意味
レイを編むのに知っていて欲しい、情報をアップしていきます。
1.ハワイアンレイの歴史
レイは主に植物を編んだもので、首や、頭の周りに飾ります。実際には植物以外もあるので、それはまた別に紹介しますね。
歴史を辿ると、古代ギリシャで、オリーブと月桂樹の冠(オリンピックの発祥?)が紀元前750年ごろと言われています。
月桂樹(ローリエ)の冠と言われていてるけど、ギリシャのオリーブオイルを扱っている方から、オリーブの葉っぱで編むというのが大元だったというのも聞いたことがあります。
日本でもご神事には、麻や榊など、植物は必需品です。
ハワイには、ポリネシアから人が渡った時に、その人たちから伝わったとされています。ハワイに行くと空港やホテルで、歓迎の意味を込めてレイを渡されるのでそんなイメージが強いかな?
特にハワイでは、19〜20世紀に観光客を呼ぶことが盛んになり、それを通して発展していった文化でもあります。
2.フラのコスチュームとしてのレイ
フラの場合は、日本のご神事的なものでもあるので、その植物のマナ(パワー)を身にまとうということであったり、あるいはフラの女神 ラカの化身である植物(様々な種類の化身の植物があります)を身にまとうことで、自分もラカとなってフラを踊ることなど、深い意味があります。
でも、昔は布。。なかったから、植物を身にまとったり、植物で身を飾ったりするのは当然だったと思います。
その後に、植物から取った繊維を折ることで、布が作られていくようになるのだからね。ハワイだと樹皮布(タパ)というものでも、お洋服を作っていました。
日本の和紙、みたいな感じの布です。よく古典フラの衣装で使われています。
これは、ウワケ(カジノキ)やマキキ(クワの木)といった植物の、樹皮を叩いて布にしていくものです。これもまた別の機会に紹介します。
植物を身にまとう、その一つである、レイ。
首にかけるレイ(Lei ʻā.ʻī)や 頭にかぶるレイ(Lei Poʻo)がパッと思いつくかな。
フラの場合は、そのほかに、手首や足首につけるレイ( Kūpeʻe)などもあります。
この呼び方は、どこの部位につけるか。。という呼び方です。編み方によってもレイの名前が異なります。
昔、ハクレイってのが頭のレイだと思っていたのですが、ハクってのは編み方の一つの種類。
ハワイ語で 頭=Poʻo なので 頭につけるレイは Lei Poʻo
3.レイを送る、頂く、その後
ハワイでは、ご神事的なフラの奉納から、お祝いの席にまで、レイを送ります。
相手を思いながら編む、という作業で、実際に作り手のマナ(パワー)を一緒に編む混みます。その植物のマナ(パワー)と一緒になって、祝福のエネルギーが倍増するのです。
ハワイでの誕生日や、卒業式などでは、レイで顔が見えないぐらいになるのが、とっても自慢になるそうです。
レイは生の植物のものがほとんどなので(その他にも貝や羽や、骨。。などもあるのでまた例の種類で紹介します) その場のその時、思いを伝えるのにいいものです。
日本でもプレゼントには残らない消えもの の方がいいよ・・という場合もあると思います。変にいらないもので残っても、相手も困っちゃうからね。
お花によっては、その日しか持たないものもあるからこそ、その時の美しさに思いを乗せて贈るもの。
日本人はどうしても、頂いたお花長持ちさせたいと思うのですが・・
この辺は、割り切って。。もしどうしても手元に置きたかったら、ドライフラワーにするのをトライしてみてください。
状況(季節や乾燥具合)やお花の種類によって、うまく綺麗に残る場合もあります。
でも最後は必ず、自然に返してくださいね。ゴミ箱に捨てるのは失礼です(お花にも)ハワイ文化を知っている人なら、レイは全て自然に還るもので作ります。
もし装着が手軽になるように。。と化学物質的なものがついていたら、それを外して、海に流すか、山の土に還るところへ帰してあげてください。
そうすることによって、またこのお花のマナと一緒に自然に循環します。
レイを作るときも、お花を全部積むってことはしません。少しづつ集めて、その木や植物が枯れてしまわないようにするのも、大切なこと。
日本だとどうしてもお花はお花屋さんで買うけど、ハワイの場合は常夏で、お花があちこちに咲いているので、それを自然に断りを入れて、頂いて、心を込めて編む。そして差し上げる。
頂いた人も、感謝して頂いて、最後には自然に返す。という循環を大切にします。
ハワイから先生が来て、すぐに帰らなければいけないスケジュールの時は、頂いたレイを自然に返すのも、託されたりします。
本来は、どこか(海外)に持ち出すのでなく、その土地へ返すのがいいのだと思います。
4.レイの花の意味
ハワイでは植物にも意味があって、この時にはこのレイを贈るとか、この時は贈っていけないというものもあります。
例えば、ハラの実を使ったレイ。これは初めと終わりという意味があるので、卒業や入学の時はいいですが、普段は亡くなった方を贈るものにも使うので注意が必要です。日本では ハラの実は手に入らないのであまり心配ないですが、ハワイでできたものを買って差し上げる時には気をつけてください。
また妊婦さんには、オープンレイ、といって話になっていないレイを贈ります。お腹の赤ちゃんが臍の緒を首に巻き付けないように。。という意味があります。
島ごとに島を象徴するお花があって、フラの衣装などでは、その曲のテーマに合わせて、その花を選ぶことがあります。
私のハワイの先生に聞いたところ、この島ごとの花も、やはり19〜20世紀のハワイのツーリズムが盛んだった時に、決められたもので昔からの伝統ではないそうです。
オアフ島 イリマ
ハワイ島 オヒアレフア
マウイ島 ロケラニ
カウアイ島 モキハナ
モロカイ島 ククイ
ラナイ島 カウナオア
カホオラベ島 ヒナヒナ
ニイハウ島 ププ
こちらは、ハワイ島の花、オヒアレフア。厳密にはお花はレフア。木がおフィア。これも素敵な神話があります。
ニイハウ島の Pupuは植物ではなく貝殻のレイです。ニイハウシェルという有名な貝があります。今はあまり取れないので、とっても高価なもの。
というわけで、例の種類や、島ごとの花や色、そんなお話もしていきたいのですが、長くなったので今日はこの辺で。