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どんなモノづくりにもチャレンジする株式会社YOSHIHIDEとだからこそ叶った、ニットシリーズの製品開発                   

いつも私たちが何気なく手に取って使っている商品、その商品1つにも実はたくさんの人が携わっていて、様々な技術が駆使され、それぞれの人の“想い”を繋いでカタチになっています。

一体どんな背景でモノづくりが成されているのだろう?
この商品にはどんな想いが込められているのだろう?

普段あまり知る機会のないモノづくりの裏側と、生産者の“想い”をフィーチャーしました。

今回はニット製品の製造をしている、株式会社YOSHIHIDE(以下「YOSHIHIDE」) 代表取締役の吉川さんにインタビュー。
モノづくりに対する想いや、開発秘話を語ってくれました。

株式会社YOSHIHIDE
ニット製品を主とした衣料品全般の企画・製造・販売を行う会社。
ホールガーメント製法を用いたMARLMARLのニットアイテムを生産。
2023年秋冬の新作を含めると、今では全8種類のアイテムを作っています。

MARLMARLとの取り組みをはじめたきっかけ

YOSHIHIDEとの取り組みは、今年で7年目。

MARLMARLのデザイナーが当時、ベビーの足の形に合わせたニットアイテムを企画していくつかの工場でサンプルを進行していたものの、難易度が高いためどの工場でも生産は厳しいと首を横に振られていました。暗中模索の中、実現できる手法を探している時にホールガーメントに辿り着き、YOSIHIDEと出会いました。

写真:knit pants 1 seiji

​​YOSIHIDEと取り組むきっかけになったニットアイテムこそ、2023年秋冬に新デザインも登場する「knit pants(ニットパンツ)」でした。

初回アイテムから試行錯誤の連続

ホールガーメント製法を用いた「knit pants」の開発は、まさに試行錯誤の連続。

無縫製ニットと呼ばれるホールガーメント製法は、縫い目ができない編み方です。
縫い目がないということは、縫い代のごろつきやツッパリ感がなく、ニット本来の伸縮性を最大限に生かすことができます。ソフトな仕上がりで抜群の着心地とフィット感があり一目一目全ての編み目が伸縮するので、自由に動き回るベビーにもぴったり。

ベビーにも優しく、作りたい製品イメージを実現できるホールガーメント製法だからこそチャレンジしたかったものの、想像以上の壁が立ちはだかりました。

なぜなら、ホールガーメント製法の鉄則は“左右・前後対照”。対して検討していたデザインは、左右前後非対称。生産過程において、大きな矛盾にぶつかったのです。

写真左:knit pants 1 seiji 写真右:knit pants足先

しかしYOSHIHIDEはデザイナーのデザインに懸ける想いを汲んで、「一緒に0から作ろう!」と目指す方向を共にして歩んでくれました。

他工場から「開発するのは難しい」と言われていた最中の、まさに一縷の希望でした。

ミリ単位の微調整を繰り返して何度もキャッチボールを通して創り上げられたのが、今でも定番の人気を誇る「knit pants」なのです。

二人三脚で開発をしたからこそ、実現できたアイテムたち

写真左:knit bonnet 4 sakura/cardigan 4 sakura 写真右:MOY sleeveless 2 rikyu

「knit pants」にはじまり、今までYOSHIHIDEと開発を取り組んできたアイテムたちは、ほとんどが左右前後非対称。

なので新しいアイテムを開発する毎に、共に乗り越えなければならない壁が立ちはだかります。

特にMOY newborn boxは、YOSHIHIDEが今まで生産したどのアイテムよりも難しく、史上最高の難易度なのだとか。

写真:MOY newborn box 1 bunny cloud

また、子ども向けのアイテムはフィッティングやサイズ感が開発の時点で分からないことが難しい点のひとつ。
良かれと思って施した帽子の膨らみが、実際の子どもに着せてみたら想像と違った…ということもしばしば。

テキストや口頭で伝わりにくい部分は、時にデザイナーが直接縫い直しを行ってニュアンスを伝えたり、実際に試作品を着用した子どもの写真や動画を送ってイメージを伝えることも。

こうして、生産工場とデザイナーが少しずつチューニングを合わせて日々二人三脚で開発に取り組んだ末に生まれたのが、今のMARLMARLのニットシリーズのアイテムたちです。

YOSHIHIDEのモノづくりに懸ける想い

唯一無二のものを作りたい、という信念を持って生産に取り組んでいるYOSHIHIDE。

「他社と同じものを出したくない。真似されるものは作りたくない」という想いと同時に、

「マーケットにまだない新しいものを創り出してくれるデザイナーに、決して生産面での妥協をして欲しくないからどんなにハードルのある製品でも、そこに少しでも実現可能の兆しがあるのであれば、全力を尽くしたい。開発できる方法を一緒に探っていきたい。」

メーカーと共にタッグを組んで商品開発に取り組んでいるYOSHIHIDEだからこその、想いの丈を語ってくれました。

MARLMARLの生産チームからも、「こんなに真摯に0から一緒に開発に取り組んでくれる工場はなかなか出会えない!」と声が上がるほど、常に新しいことを追い求めてメーカーと伴走してくれる、MARLMARLの製品開発において欠かせない存在です。

MARLMARLのアイテムの生産を通じて想うこと

「デザイナーとやり取りしている開発者だけでなく、生産に携わっている社員ひとりひとりがそれぞれ愛情と誇りを持ってMARLMARLのアイテムを作っているんだよ。」

と代表取締役の吉川さんが教えてくれました。

メーカーから言われたことをただ淡々とこなしているのではなく、MARLMARLというブランドやアイテムの想いに共鳴して自分事として捉えているからこそ、SNSやメディア媒体に自分達が生産しているMARLMARLのアイテムが載っている時には、我が子を見る感覚で喜んでくれているそう。

自分たちが生産者であると同時に、MARLMARLの1ファンであること・MARLMARLというブランドを作る一翼を担っていると自覚して、モノづくりに日々取り組んでいくれていることも教えてくれました。

「“ベビー”ギフト」を作っている想い

1本の糸から1枚のニットを作るホールガーメント製法は、布地の裁断時に発生する「ハギレ」が出ない、ロスを最小限に抑えた生産手法。

特にMARLMARLの商品に対するロス率は1%以下で、編み地の編み出しに使用される捨て編みと呼ばれる糸も、使用後は工場の清掃などに使用され、極限まで無駄のない製造を心掛けてくれています。

子どもたちへの贈り物を作るMARLMARLだからこそ、生産工場でもモノを作る「先」のことも考えたモノづくりに取り組んでくれています。

ホールガーメント製法の仕組み

2023年秋冬新作商品の開発秘話

写真左:​​knit bonnet 5 yamaji momo/knit pants 5 yamaji momo 
写真右:knit bonnet 6 yamaji mizu/cardigan 6 yamaji mizu

最後に、2023年秋冬新作商品の開発秘話をご紹介。
YOSHIHIDEとの出会いのきっかけにもなったknit pantsと、cardigan・knit bonnetに新しいデザイン「yamaji」が加わります。

日本の伝統柄である山路柄(yamaji)を表現するにあたり、採用したのがジャカード編み。

しかしホールガーメント製法でジャガード編を用いて柄を表現することが、実は業界でも例を見ない初の試みでした。

今回もまた0からの製品開発で、今までやったことのない挑戦。しかし工場の新しい可能性を広げられる!と今回も快くタッグを組んで開発を進めてくれました。

※cardigan yamajiは意匠特許申請中

株式会社YOSHIHIDEとの製品ラインナップ一覧

写真上段左から:​
​MOY newborn box 1 bunny cloud/MOY newborn box 2 bear milk/knit bonnet 1 seiji/​​knit bonnet 5 yamaji momo/watch cap 3 sumi 
写真下段左から:knit pants 4 sakura/knit pants 6 yamaji mizu/MOY sleeveless 2 rikyu/cardigan 2 hakuji/cardigan 6 yamaji mizu/cardigan ASA 3 rikyu

どんな無理難題であっても、目線を合わせて実現できる方法を共に一生懸命に考えてくれるYOSHIHIDE。
これからもわたしたちMARLMARLはYOSHIHIDEと共に、心あたたまるアイテムたちを贈り続けます。

MARLMARLの想い、そして生産に携わる全ての人々の優しい想いが紡がれていきますように。