三鷹の国立天文台のドームシアター。想像の100光年斜め先を行く! 心地いいほど分からない!
三鷹の国立天文台
三鷹駅からバスで20分ほど。 調布飛行場の近くに、それはあります。
大学のキャンパスのような構内に(東大とか北海道大学っぽい)、古い天体観測用の施設が点在しています。
現役のものもありますが、ほぼ、過去の活躍を懐かしむもの。壊れたらもう治す技術がないのでおしまい、という太陽観測用の望遠鏡もあります。
寂れ方がジブリ的で、エモーショナルです。写活にも最適空間。
4D2Uドームシアター
実際に天文台として研究をしている施設なのですが、一般公開の施設もあります。現代の投影技術の粋をあつめた、ドーム型シアターがあります。「プラネタリウム」とは呼ばないんですけどね、それはなんでかわかりません。(たしかに座席の真ん中に投影機はない)
【無料】
今時、プラネタリウムって2000円くらいするじゃないですか?そのくせ、生のナビゲーターではなく収録分の放送だったり、ドームでなくてもいいような映像を流したりで、個人的にはコニ〇ミノル〇社等の最新プラネタリウムには腹を立てているんですわ。
が、さすが国立天文台。そんな女子供だましのプログラムの100光年くらい斜め上を行ってますわ。
もちろん、生ナビゲーション。 しかも、無料!!
【3D】
入り口で3D映像用の眼鏡を受け取り着席します。
すごい立体感!元のクオリティがいいので、すごい臨場感です。
なのはいいのですが、私、車酔い屋さんなんですよね。映像がすごすぎて、酔いました。
三半規管弱い方注意です!
【むずい】
しかしですね、テーマが深いんです。今回見に行った回は「ダークマター」がメインテーマ。
投影の前半は太陽系や自転・公転など身近な話ですが、銀河系を飛び出した当たりから、話が難しくなります。
単位も「光年」とか「天文単位」になってきて、理解するのに下知識が必要になってきます。
ついに、「ダークマター」=「宇宙に存在すると考えられている、光などの電磁波で観測できない未知の物質」のお話になってきました。
目に見えているものだけで宇宙の重量を試算すると、軽すぎるから、見えないものがあるはず、ということで「ダークマター」が提唱されているんですけど、ド文系頭からすると
「宇宙が軽すぎるって何?」
って話で。
かろうじて私は子供のころNHKスペシャルでこのあたりの話を観ていたので、「理論の理解」できてないけど「指してるものがなにであるか」はギリわかりました。
私の同じ列に着席していたおばちゃん3人組。最初こそ「しゃべるな!」って言われてるのに、言葉が漏れて(なんでおばちゃんって言葉が口からあふれちゃうんですかね?)
「ぐふふふ」「きれー」とかやってたのが、話が後半に突入してから、一切言葉を発しなくなりました。
「遠くを見れば見るほど、昔の宇宙を観ていることになるから、宇宙が生まれた瞬間を見るために、宇宙望遠鏡を開発し、より遠くの光をとらえるのです!!」
おばさんらは、押し黙ります。
それくらい「わからーん」話なのです。
でも、さすがの国立天文台。 わからん人に寄り添いません。
これくらいのことが分かってる人が来てるよね!?バリに、どんどん一般人を置いてむずーい話になっていきます。この置いてけぼり感が心地いいくらい、スパッと置いていきます。
「日本最高峰の技術で提供される全然わからない美しい知識たち」が非日常へと誘ってくれるわけです。これは癖になる。
終わって退場となっても、だれも文句は言ってません。
「わかんなかった」というのも烏滸がましいほどのクオリティのものを只で見せてもらったんですもん。
こんなすごい内容なのに、月に3,4回しか上映日がなく、そして毎月内容がかわるのだそう。
これは「置いて行かれる快感」のために、毎月通いたくなります。
【一日居られる場所】
大学のキャンパスのように、建物が点在し、内部の見学もできる施設がありますので、このドームシアター以外でも時間を使います。子供連れで1日いてもいいくらいの場所です。ぜひどうぞ。