旅行会社 中の人から見た「GOTOトラベル」悪用されないか? 「高齢者・基礎疾患の方の取消無料」
政治家の発言が先行してから、具体的な措置が決まる、というこの流れ・・・。やめてくんないかなぁ、というのが正直なところです。
GOTOトラベルに関してはこれが標準になってきて困ります。
さて東京発着の旅行者で高齢者OR基礎疾患のあるかたの自粛によるキャンセル料は国が負担する、というアレ。正式に通達来ましたよ。
気になるポイント
「一つの予約の中で同行者に高齢者等が含まれる場合についても、予約全体をキャンセル料は無料」
「高齢者であること・基礎疾患があることの証明書 (運転免許証や診断書等を)の提出は不要」
相変わらずの「性善説」
12/17までの出発ですので後2週間ありますね。
そして、12/13の24時までにキャンセルを申し出た旅行に関しては取消料はかからない、とされています。
例えば、
14日出発の旅行を13日の夜(さすがに旅行会社の営業時間内までには連絡をしないといけないので18:00頃として)
にキャンセルしても無料というのは、凄い事ですよね。
都や国としては、なるべく行かない方向で考え欲しいのでそういう設定になるのでしょうが、旅行会社としては
前日キャンセルは、バタつきますし取消料も高くなります。
お客さんに(今回は国に)請求する分があがりますが、航空会社や宿に対して支払うパーセンテージもあがるので国が補填してくれても、トントンかマイナスになるケースもあるかもしれません。
そして何より、前日の夜にキャンセルされても、宿としては再販売できませんので、空室になる。
多少の取消料は入るとしても、料理旅館であれば食材や、配置しているスタッフが無駄になる。
客が来てくれることで宿泊代以外に落ちるお金もある。
さらに観光地周辺の食事店やお土産屋は、なんの補填もないのにただ来訪客が減るだけ。
大変意地悪い考えですが、基礎疾患の証明書が要らない、となれば
「気が向かない」とかもっと個人的な理由で行けなくなった場合も
これを利用すれば高額なチャージが免除されるわけですよね・・。
25歳の5人グループで、やっぱ行かないってなっただけなら本来取消料は旅費の30%は取られますが
「1名の気管支炎が悪化してきて、残念だけど行けません」とさえ言えば取消料無料です。
まあ、25歳がそんな悪知恵しないし旅行行きたいほうが強いだろうけど。
大阪市、札幌市の停止の時は12/3までが取消料無料、とかなり早め設定だったので再販しようと思えばできましたが、ここまで自粛期間と取消受付期間がかぶっているとこういうことも起きてしまいます。
何にしても後手の施策というのは弊害ばかりが増えるのです。