旅行会社 中の人からみた「GO TOトラベル」 文春砲ですが・・・
旅行会社 中の人です。
今日夕方からネットを賑わせている「大手旅行会社スタッフの日当4万!」の話。中小企業でこの恩恵に預かれない立場ですが
ちょっと思うところを書きます。
出向社員のポケットに入るわけではない
これについてのネット界隈の反応を見ていて、わかってる人が半分くらいで驚くのですが。出向費はその社員に渡されるわけではないです。事務局と旅行会社との間で動くお金なんですよね。4万×20日として80万円・・高いですかね? 派遣会社から事務がある程度できるスタッフを雇うと、1月それくらいはします。それにサラリーマンの月収と80万を比較すると高く見えますが、ひと一人雇うために、会社にかかるお金は渡してる給与分だけではないんですよね。それ、わかっていってるのかな?と。
出向しているのは大手旅行会社スタッフだけではない
今回のこの事業、とにかくスタッフがたくさんいるので、名前が上がっている大手旅行会社以外にもスタッフ出してほしいというお声はかかりました。
それぞれの会社の都合で出したり出さなかったりです。その時から2万数千円が日当ということは聞いていました。確かに大手4社が多いはずですが、それだけではありません。
「技師」というほど技術はない。
文春の記事に「主任技師 ○○円」とかいう記述がありました。まあこういう公金事業の人件費の表記の仕方の標準なんでしょうけど、初めて行う事業に「プロ」や経験者はいませんから、それなのに「主任だから日当高く」というのはおかしいと思いますよね。
インバウンドセクションなど暇な人が行く
今回のコロナ禍。旅行会社の中でも、海外からのインバウンドや海外旅行、団体旅行の部門は仕事がなくなりました。でも個人の国内旅行は細々でも仕事があるのです。
事務局への出向は、こうした海外系の暇セクションから人が行っています。
そもそも「国内旅行」のプロでもないんですよね。
だから旅行会社からの質問に答えられないこともあります。差別するわけではないですが、インバウンドセクションは外人スタッフも多いのでそういう人が事務局に居ます。質問する方が気を遣うくらいゆっくりしゃべらないと要点が伝わらないこともあります。
大手にとっての「雇用調整助成金」代替
先述の通り、事務局で人を雇ってくれることはたくさんの社員を抱えている旅行会社にとってはありがたいことです。そこでの日当が会社の収入になり、売り上げがなくても発生するスタッフの給与にあてているということになります。それが、こうした補助のない他の業界と比べて不平等かどうかといわれると黙るしかありませんが・・
そのための献金 そのための政治活動
「Go To トラベル事業」の運営団体「ツーリズム産業共同提案体」には今名前の挙がっている旅行会社大手の4社も入っています。
下記が構成員です。
<旅行会社>
株式会社JTB、KNT-CTホールディングス株式会社、株式会社日本旅行、東武トップツアーズ株式会社
<協力会社>
株式会社リクルートライフスタイル、楽天株式会社、ヤフー株式会社
わかりますよね? まだ補助金を使い切っていない旅行会社と、「足りない!」と声をあげればすぐ補填してもらえる「協力会社」でできています。
この施策の直前に某政治家に4200万円の献金があったと報道されていました。そういうことなんですよね。 彼らは某政治家のファンだから献金するわけではありません。利がなきゃしません。
だから今責められている4社からすれば、
「俺たちが立ち上げたキャンペーンだ。金も出してる。これくらい恩恵受けてあたりまえ」って思っているのかもしれません。
それもそうだと思うんです。私はこんな大手にはいませんが、少なくとも、この大手の上層部は社員を路頭に迷わせないため、自社が立ち行かなくならないために工作してるんですよ。なので少し羨ましいのです。
文春砲が火を噴いてますが、そこは冷静になってみませんか??
冷静になれば見えてくるものがあります。