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初心者が初心者に贈る「若草山山焼き」の撮影について
2025年の山焼き。ようやく行けました。撮影旅です。
初めての人、しかもカメラ初心者が、えらそーに、ではあるのですが、
「知っておきたかった」と思うこともあったので、つらつら、まとめます。
「若草山山焼き」のポスターは合成だ!
もう、いきなり、身も蓋もないんですけどね。
例えば、これら美しい画像
![](https://assets.st-note.com/img/1738594498-YRCb3ldWS2HQAuhmJKavtFgo.png?width=1200)
凄いですよね。 この場所をちゃんと陣取るところ、撮影技術!すごい!
でも実は、これは合成なのです。これに限らず、花火と山焼きが一緒に映っているのは全部合成です。(合成というと、カメラ好き界隈がうるさいので、画像加工・特殊な撮影法、という事にしておきます)
奈良県民と、奈良を撮ってる写真家はみんな知ってるんですね。
私は一年前まで知らなかったんです。
で、こういう画像をつかったツアー募集広告があるわけですよ。
![](https://assets.st-note.com/img/1738590559-kpDYzeLRAGmJUuaoVZF6jx4S.png)
この景色が見えると思うと、見えないんです!!!
そのうち、「誇大広告」とか言われるんじゃないかと思うんですよねー。
(本業旅行会社の者としては、気になるところです)
花火と山焼きは同時ではない。
18:15 花火スタート 15分間
18:30 山焼き点火!ここから1時間くらいが勢いよく燃える
これが毎年のスケジュールです。
重ならないんです。だから同時には起きない。
山が一面焼ける姿すら、画像加工。
花火と山焼きは合成、なのはわかった、わかったとしましょう。
しかし、この山一面が焼けている姿も合成なんです。
どういうことかって?
若草山の麓の方から着火して、それがどんどん上に燃え広がります。燃えたところは黒くなります。
乾いた草なんですよね、これ。
想像してください。藁って火をつけたら、ずっと煌々と光ってます? チリチリに黒くなってしまうでしょ? そうなんです。
燃え上ってくそばから、黒くなっていくのですよ、草ですもん。
ではなぜ、一面炎の写真があるかって??
これも、数秒ごとに撮った写真を重ねてるんです。
最初の50センチが燃えてる画像、
次の50センチが燃えて、最初の50センチは黒くなってる画像
その次の・・・と何枚も山が燃えていく姿を撮ります。
それを重ねてしまえば、山が全部同時に燃えてるように見えるわけです。
写真撮った後立ち寄った飲み屋で、奈良県民が
「ガソリンまいたってあんな一面一度に焼けないって」と身もふたもないことを言ってました。。 おっしゃる通り。
「比較(明)合成」という手法。(一例)
合成合成、といっても、AIのような生成でもないし、まったくない景色をつくっているわけではないので、あしからず。
「人間の目では違う時刻に起きる景色を、重ね合わせている」というべきでしょうかね?
え、難しい?
簡単に言うと、こんな感じです。一例です。他にもこういった画像を撮る手法はあります。
画面の上・真ん中・下の方に花火が映った画像と、山焼きが映った画像を用意して、画像処理ソフトで重ねます。その時に「明るいところを採用する」という重ね方を選択します。
![](https://assets.st-note.com/img/1738591529-qYfkK1gM78nzdPvAQwVitDRU.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1738591529-zIfZQF8oce5CXVhW2LdM0Tkn.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1738591530-ynKoS0Ff6OTkmDpWQv1CsGiq.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1738591530-jHOapG8xdv4XNWJR9zZrf3kK.jpg?width=1200)
そうすると、
![](https://assets.st-note.com/img/1738591674-EUn1XLD3tuN6ZYlsiob7aMSG.jpg?width=1200)
こんな画像ができががるのです。(実際にはもっと花火の画像枚数が多いです) 嘘じゃないけど、肉眼では見られない景色、ではあるのです。
撮影場所はどこがいいのか?
①遠景で、奈良らしい建物と撮る。
奈良は空が広いので、それを生かして、大きなキャンパスに、奈良っぽい建物と、その向こうにあがる花火と山焼きをいれて合成する。
これが一番オーソドックスです。人気です。
場所は、平城宮跡の大極殿や、薬師寺のツインタワーが入る構図が人気です。 しかしこの辺りは1週間~2日くらい前から陣取りされているとか・・。すごい熱意!
メリットは、山焼きの全景がはいること。
若草山は一重、二重と、段になっているので、それが遠くからなら全部見えます。
デメリットは、陣取りされて混んでる。撮りつくされた感はある。
② 近くで迫力ある絵を撮る
今回の私はこれです。
若草山真正面の混雑に耐える自信がなかったので二月堂の下から撮っています。 そうすると迫力はありますよね。しかし、山焼きがはっきり写らない場合もあります。
メリット
花火がでかく撮れる。 山焼きそのものを撮れる。
デメリット。
場所によって花火しか撮れないことも。木が邪魔になります。
花火はどこからでも見える。
遠くからはもちろん、奈良公園の各園地 国立博物館、興福寺、奈良駅等、そもそも花火が上がる山自体が高いので、市内どこからでも見えます。
山焼きは、若草山山麓真正面にいれば見えますが、それでも一重目の山まで。 その先は見えません。 そして、東大寺のお堂や木々があるあたりまで来てしまうと、明るくなっているのはわかりますが、燃えている草そのものは見えません。 そこの塩梅が難しい。
撮影に必要なもの
・三脚
・レリーズ
・防寒具
画像処理ソフト 今はフリーアプリでもできます。
・熱意
観客の動き(どれくらい混むか)
<若草山山麓 花火真正面>
若草山山麓は、もう人が入れないくらいぎゅうぎゅです。迷子必至。三脚は早い時間から陣取っていれば使えると思いますが、後からは多分無理です。
先にあげた広告で集まったお客さんは、花火が終わって山焼きが着火したあたりで下山し始めます。ツアーバスの出発が早く設定されているのと、花火だけが目当てって人も多いからでしょう。 私は花火と、山焼き着火すぐまでは二月堂の下に居て、すぐに山麓に移動したのですが、下る人の流れが凄くて歩くのに苦労しました。それくらい、あっという間に人が去ります。
<奈良公園の園地>
春日野園地など、若草山を見上げる奈良公園の平地エリアも、人でぎゅうぎゅうだそうです。 三脚なんか立てられないくらい人がいるそうです。(カメラ友 談)係員がどんどん前方へと誘導するので立ち止まっていられないそうです。
鹿の動き
奈良の人によると、花火は、山焼きの炎にやられないよう、遠方に鹿を逃がすために鳴らすのだとか。 その通り、花火と同時に、夜になって休んでいた鹿が大挙して下っていきました。 中にはキューんと鳴いてる子も・・。そりゃ驚きますね。
山焼きはどれくらい続くのか?
先述通り、炎は着火点の山の下部と横からじわじわと、草を焦がして上ってい行きます。 山焼き前の天候に左右されるのですが、晴天が続いて乾いた草木はばー!と燃え上がって、あっという間に若草山の上の方まで焼き切ります。 湿っているとゆっくりで止まることも。
2025年は、乾燥していましたので、早かったです。
18:30の着火から、「空が赤く明るい!」と思えたのは20分くらいで、山麓から見上げている目線だと、黒いところがほとんどになってしまいました。ただし、帰り道どんどん山から離れていくと、若草山の二の重まで見えて、「まだ焼けている」のがわかりました。 この段階で着火から1時間ちょっとは経っています。
勢いがいいのは開始20分くらい。 1時間半くらいはどこかが焼けている、という状況でした。
そのあとよく行く立ち飲みで奈良市民と話したところ
「今年はよく焼けたなぁ!」だったので、かなり条件が良い2025年だったようです。
奈良公園から帰る手段
奈良公園の各園地がぎゅうぎゅうなほど人が集まります。
帰りのツアーバスも動き出すので、道路は混雑。 路線バスも時刻通りには動きません。 なので、歩いて近鉄奈良駅くらいまでは行くことをお勧めします。
私が次に狙う穴場撮影地
私はもう、来年はここで撮ると決めてる場所があります。
「穴場」というにしては、みんな素通りしていくので、「皆が興味ないエリア」とでもいいましょうか?
私は、
・人ごみ苦手
・人と争ってまで陣取りしたくない、
・撮影終わったら行きたい飲み屋があるので、あまり奈良公園から離れたくない。
という希望がありまして。それをかなえるのが、大仏池のほとりです。
トイレもあるし、山を登らなくていい。池にも映るし。
花火ぎりぎりまで、大仏池と鹿を撮ってることもできます。
今回、二月堂に上る途中に通りましたが、カメラマンはそんなにいなかったです。
近くもなく遠くもなく、な中途半端な場所ではありますが、多分撮れるとおもいます。 来年乞うご期待です!
![](https://assets.st-note.com/img/1738592896-3RXZcML1lnzjiTWAqp0hy6dJ.png?width=1200)