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その5: バスケットボールにおける2つの闘争
まずは前回のブログをお読みください。
(よかったらそれ以前のもお読みください笑)
バスケは対人のスポーツ
何度も言っていますが、バスケットボールは対人のスポーツであり、非対人のスポーツとは大きく勝利目的が違います。
例えば陸上100m走の場合、走るレーンが決まっています。走る選手はそのレーンを逸脱する事ができません。勝利目的はそこにいる誰よりも速くゴールにたどり着き、その日or歴代の最高記録をより速いタイムでゴールすることです。そして他の選手が走る邪魔をすることができません。逆に言えば、相手選手が良いパフォーマンスをすることに影響を与えれません。
つまり選手は、可能な限り自分が速く走ることのみが目的になります。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22804896/picture_pc_52f895a69f0ec720a1f26b4738a6f2e8.png?width=1200)
という事になります。パフォーマンス勝負です。
フィギュアスケートや、器械体操のような採点競技が、一番わかりやすいパフォーマンス勝負のスポーツです。フィギュアでも、相手の演技を邪魔する事はできませんよね?自分の演技が終わった後は、じっくり相手の演技を観る事しかできません。
しかし、バスケは相手の邪魔が入るのでお互いがいいオフェンスをすることに影響を与えることができます。これがディフェンスです。100m走やフィギュアスケートにディフェンスは存在しません。
https://note.com/markkaijima/n/n1db9f8e0611f
僕が書いたブログその1でも話しましたが、バスケにはオフェンスとディフェンスの局面しか存在しません。
ボールを所持する時にはいいシュートを打つ。
ボールの所持がない場合は、ボールを奪うかシュートを邪魔する。
これが対人競技であるバスケの特徴です。
バスケは団体闘争
バスケットボールが競技としては、
僕がとても影響を受けている河内一馬さんが仰る、「団体闘争競技」だと考えられます。
僕も以前からバスケは闘争だと考えていましたが、河内さんのブログを読んでさらに考えがクリアになりました。
今回話すのは
闘争であるバスケットボール
の細かい分類についての話です。
この闘争には、2つの要素が存在し、ブログのタイトル通り
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22805044/picture_pc_043ed72bf4a33cef7de86ddb97798547.png?width=1200)
が存在すると考えます。
バスケットボールにおける2つの闘争とは
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22805161/picture_pc_25f43cf5b29d58a783def73e6acb4c92.png?width=1200)
があると考えます。
*あとでわかりやすいように闘争その1、闘争その2と呼ばせてもらいます。
2つの闘争を、詳しく説明します。
闘争その1:バスケの直接的闘争
直接的な闘争は、以前話したバスケの基本原則の通り、
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22805268/picture_pc_99392d6f9dd1ed3c0890dbf1ef88b359.png?width=1200)
この2つのサイドが闘争するという図式です
オフェンスとしての直接的闘争
・ドリブルしてハーフまで持っていく
・セットを遂行する
・ピックでずらす
・ディフェンスを抜く、フリーになる
・パスをする
・シュートを打つ
などが考えられます。ディフェンスの邪魔をかいくぐり、シュートまで持っていく行為です。オフェンスの直接的闘争に勝つためにはこれらのことを遂行する個人スキルと、コート上にいる5人で協力しあうチームスキルが必要です。
ディフェンスとしての直接的闘争
・ボールマンに対するプレッシャー
・セットを先読みする
・ピックに対するディフェンス(ファイトオーバーかスイッチか)
・抜かれないための足さばき
・パスカット
・シュートブロック・チェック
などです。ディフェンスも、同じように闘争に勝利するためにはディフェンスの個人スキルとチームディフェンスのスキル(ヘルプ、ピストルスタンス、ダウン)などが必要です。
これがいわゆる一般的にバスケで言う
オフェンスvsディフェンスの闘争です。
直接的闘争に関しての研究や理論は、多く見られます。そして勝利するためにとても重要だと思います。
直接的闘争は、基本的にアクティブです。
つまり、こちらからアクションを起こすことによって結果を促します。
ここがかなり重要なポイントなのですが、直接的闘争はすべて
「何かをする」ことなのです。
これは、指示も簡単ですが、選手も「行う」ことなので、遂行しやすいです。
闘争その2:(シュートセレクションにおける)間接的闘争
間接的闘争は、前回話したショットセレクションの話につながっていきます。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22805333/picture_pc_c70e4fc95c406176d8e81a8d600076ec.png?width=1200)
という感じです。前回のショットセレクションの話とつながってきますね。オフェンスは良いシュートを打ち、ディフェンスは悪いシュートを打たせます。これは直接的闘争に似てそうですが違います。
「直接的闘争はシュートに持って行くまでの争い」
「間接的闘争はシュートを選ぶ争い」
この違いを理解する事が必要です。
アクティブvsノンアクティブ間接的闘争
一方間接的闘争には、二つの種類があると考えています。
その違いは、闘争において行動するか否かにあります。
アクティブ間接的闘争
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22805391/picture_pc_89792c0ac971a50f40bcb1700a424348.png?width=1200)
行動のイニシアチブをとって、結果を促す方法です。
「何かをすることによって、間接的闘争に勝つ」
ここが大きなポイントになります。
何かアクションを起こすという点については、直接的闘争にとても似ていますが、エンドゲームがシュートを打つ場所という面では間接的闘争とは違います。間接的闘争は、あくまでもシュートを選ぶ争いです。
アクティブ間接的闘争の例としては:
オフェンスとしてのアクティブ間接的闘争
絶対に打てるシュートにこだわる
ハーデンのアイソ(パスを減らす)
3Pとレイアップを打つ(効率にこだわる)
オープンショットをクリエイトする
ディフェンスとしてのアクティブ間接的闘争
3を打たせないように、キックアウトからのプレッシャー
オープンショットを許さない(必ずチェックする)
レイアップを打たせないようにゾーン気味で守る
これらの行動を起こすことによって、シュートセレクションを良くし、
相手のシュートセレクションを悪くするのが目的です。
ノンアクティブ間接的闘争
ここが今回の一番のポイントです。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/22805454/picture_pc_f8bc21ad14ced9be8e04bdb08da7edf7.png?width=1200)
直接的闘争にて基本的な部分であるシュートやシュートチェックをあえてしない。選手たちが今まで自然に一生懸命やってきた事を、あえてやらない選択をする。
何かをしない事が、戦っている。
これはアスリートにとってとても難しい事かもしれません。
例としては:
オフェンスとしてのノンアクティブ間接的闘争
ノンシューターに打つなと指示
オープンでも、悪いシュートは打たない
ディフェンスとしてのノンアクティブ間接的闘争
ノンシューターを無視
一般的にポジティブに見えるものをあえて実行せずにに勝つ。
このコンセプトを浸透させるには、選手やスタッフ全員のbuy inが必要となってきます。
ノンアクティブ間接的闘争は、指示するのがとても大変です。
「オープンショットを打つな」
「相手がフリーでもチェックに行くな」
これらはカテゴリーによっては慣れないコンセプトかもしれません。
僕はこの間接的闘争で勝利する事が、とても大事だと思っています。
次回は、この2つの闘争を
どうチームに浸透させるのか?
どう勝利に導くのか?
どう向き合って行くのか?
を詳しく話していきたいと思っています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
Mark Kaijima