台湾人彼女と台湾一周:台北の「華山1914文化創意園区」でモダンな文化・「行天宮」で伝統文化を体験
今回の記事では台湾のモダンな文化を感じられるエリア「華山1914文化創意園区 (ファーシャン1914ウェンファチュアンイーユエンチュー)」と年末年始の伝統文化「行天宮(シンティエンゴン)参拝」を中心に、台湾三日目に食べた台湾グルメなどを紹介していきます。その中でデザイナーをしている友人のポップアップショップを訪れた経験や台湾に馴染もうとする私の努力や思いを皆さんと共有していきます。
台北朝食:葱抓餅(ツォンジャービン)・鐵板麵(ティエバンミエン)
台湾三日目。疲れていた私たちはしっかり睡眠を取り、10時ごろに起床しました。外出の準備をしてまず向かったのは朝食屋。2回目の朝食屋では前回紹介した蛋餅に加えて、葱抓餅(ツォンジャービン)・豬排鐵板麵(ジューパイティエバンミエン)を注文しました。葱抓餅はネギが混ぜ込まれた小麦粉の皮を焼くというシンプルな料理。そのシンプルさゆえに少しパサパサで歯応えのある皮の食感とネギの香りが美味しかったです。
豬排鐵板麵は焼きそばのような感じですが、味付けは醤油ベースに台湾特有のスパイスや漢方が使われているような味付け。結構美味しくて、他の台湾人のお客さんも食べていました。この麺に目玉焼きと柔らかい豚のローストが載せてあることが満足度をグッと高めてくれます。
カロリーと水分を摂ることができたので、次は地下鉄に乗って「華山1914文化創意園区(ファーシャン1914ウェンファチュアンイーユエンチュー)」に向かいます。
モダンなデザインの商品が立ち並ぶ「華山1914文化創意園区」
地下鉄の「忠考新生(ジョンカオシンシェン)」駅で降りて徒歩10分弱で、華山1914文化創意園区(ファーシャン1914ウェンファチュアンイーユエンチュー)につきました。
1914年に清酒工場として建築され、1987年に工場が移転したことから清酒工場としての役目を終えました。その後、昔良き建物の雰囲気を残しながら内装を中心にリノベーションが行われ、現在ではレストランや台湾各地の芸工作家の作品を集めたショップ、アニメ関連のポップアップショップや映画館など、現代の多種多様な文化を楽しめるエリアとなっています。
ここでは二つのものを購入しました。まずはタピオカなどのドリンクにつけるドリンクホルダー。台湾人は全員これを持っていて、ドリンクを楽々に持ちながら颯爽と歩いています。台湾に馴染みたい私は早速購入しました。
BUWU(布物設計)というブランドの商品です。鮮やかなカラーを使った幾何学模様の布製品を販売していて、知的でオシャレな模様に惹かれました。
もう一つ購入した物は藺草(イグサ)を使った小さなポーチ。この商品を作っている藺子(リンジー)という会社は伝統技術とモダンデザインを掛け合わせた商品を作っていて、このビジネスで伝統技術を守りながら地方の雇用を増やすというブランドストーリーにも惹かれ、購入しました。
買い物を楽しんでいるともう14時30分頃になっていました。お腹が空いてきたのでお昼ご飯へ向かいます。
台北ランチ:滷肉飯(ルーローハン)・排骨湯(パイグータン)
お昼ご飯を食べに向かったのは、私が楽しみにしていた滷肉飯(ルーローハン)が食べられるお店。日本でもレストランや彼女が作ってくれた滷肉飯を食べていましたが、初めての本場の滷肉飯。ついでに雞肉飯(ジーローハン)も頼みました。
これがめっちゃ美味いです!滷肉飯は醤油ベースの八角などの中華スパイスが入ったタレが抜群で肉は超柔らかい。雞肉飯は鶏の旨みを感じる油があっさり美味しく、苦手なはずのパクチーとも合っていました。
さらにもう一つ頼んだのは排骨湯(パイグータン)。これも豚肉の出汁がしっかりと味をつけていて、滷肉飯を食べて排骨湯を飲むという最高のサイクルを繰り返した。サイドディッシュの役目を完璧に果たしていた。
大満足してお店を出たが、まだまだお腹には入る。駅に向かいながらオヤツを探していた。
台湾のおやつ:蔥油餅(ツォンヨウビン)
駅に向かっていると、食べ物のお店が立ち並ぶ小さな通りを見つけた。そこに入っていくと、元気なおばあちゃんが料理をしている蔥油餅(ツォンヨウビン)のお店に列ができていた。その時彼女が「この店絶対美味しいなー!おばあちゃんが作ってるから!」と言ったので、すぐに並びすぐに注文、すぐに食べた。
蔥油餅は小麦粉とネギでできた皮を油で揚げて、その中に卵などを挟むおやつで、これが驚くほど美味かった。塩と胡椒の味が効いたサクサクふわふわの皮に卵焼きが包まれ、ネギの香りが少しだけする。これはいくらでも食べられる。
大満足で次のスポットへ向かいました。
行天宮で年末年始の伝統文化を体験
地下鉄に乗って行天宮(シンティエンゴン)駅で降りた私たちは台湾で最も多くの人が訪れると言われている行天宮に向かった。ここでは三国志に出てくる関羽が商業の神として祀られている。
ここにやってきた目的は行天宮のおば様の方々が線香を使って悪い気を追い払ってくれる行事に参加することだ。どうやら年末年始には恒例らしい。たくさんの人が並んでいた。
この列が並んでいる場所にはスマホを使ってはいけないというルールがあり、写真を撮ることはできなかったが、上の写真の奥の方で十五人ぐらいの青い服装をしたおば様が線香で一人ずつ邪気を払っている。ここでは自分の名前をおば様に伝えて邪気を払うのですが、一人ずつ行われるので彼女に隣で通訳してもらえない私は窮地に陥った。順番が来ておばさまに呼ばれた後中国語で「ウォースーナンベンヤージュー」と自分の名前を伝えるとおば様が「アッ?」と聞き返してきた。もう一度伝えると伝わったみたいだった。邪気払いは大体30秒ほど行われ、線香を持ったおば様が線香を私の周りで回してくれたり、手で線香の煙を仰ぐことで線香の煙を私にかけてくれた。おそらくそのおかげだと思うが、台湾一周最終日に乗り遅れたと思った特急が13分遅れになっていて、なんとか台湾一周を終えられた。ありがとう、おば様。
このあとは彼女の友達で、デザイナーをやっているカップルが参加しているポップアップストアに向かいました。
自分だけの春聯(チュンリアン)作り
行天宮から歩いて10分ほど、一つの雑居ビルに到着しました。中に入ると2階がバーのようになっていて、2階と屋上に8組ぐらいのクリエイターが店を出していました。そこで彼女の友達カップルのお店に向かいました。彼女の友達はイラストデザイナー、その彼氏は書道デザインをしています。
彼らのお店では225台湾ドル(1000円ぐらい)でお客さんの要望する春聯(チュンリアン)を作ることができました。春聯とは赤い紙に文字やイラストが書かれているもので、新年を迎える際に玄関などに貼ることでいい運気を取り入れる物です。これが台湾人にとってとっても重要な物なようで、私が行ったカフェや台南で泊まったゲストハウスの方などから彼ら自身でデザインされた春聯をもらったりしました。
友達カップルのお店では書道デザイナーの方が漢字を書き、イラストデザイナーの方(InstagramID: @moh1sm )がその周りにデザインを描いてくれました。
社会人になる今年は改善のサイクルを回し続けたいという意味を込めて「改」という字を書いてもらい、四隅には昨日猴硐猫村で出会った「猫」、今年から航空業界で働くため「飛行機」、鳥が一番好きな動物なのですがその中でも一番好きな鳥の「鶴」、そして巳年生まれなので「蛇」を書いてもらいました。
彼女は友達と色々話した後、私たちはこの雑居ビルを離れ、占い屋さんがたくさん並ぶ通りを抜けながら中正紀念堂へと向かいました。
台北で一番来たかった中正紀念堂・自由広場
地下鉄に乗り、東門(ドンメン)で降りた私たちは自由広場へと向かいました。5分ぐらい歩くと自由広場の大きな門が見えてきました。これが想像の5倍は大きく、荘厳な雰囲気がありました。
中に入っていくと二つの大きな建物があり、一見中華式のお城のように見えますが、国立の音楽ホールと劇場のようです。
奥に進むと中正紀念堂がありましたが、18時で門が閉まるようで中華民国初代総統・蒋介石に挨拶することはできませんでした。
少し疲れていたので、音楽ホールの地下にあるカフェで一休みした後に私が楽しみしていたことの一つ、初の夜市へと向かいました。
外国人がいない板橋南雅夜市
地下鉄に乗って府中(フージョン)駅で降りた私たちは板橋南雅夜市へと向かいました。この夜市は台北中心部から離れているので、外国人観光客が私含めて5人程度しかいませんでした。そのほかはたくさんの台湾人。地元に愛される夜市という感じでした。
まず向かったのはその良い地の一歩手前にある豚の血で作った豆腐スープが有名なお店。
豚の血の豆腐と聞いて億劫になっていたのですが、結構美味しいです。。絹ごし豆腐よりも少し硬めで、絹ごし豆腐のようにツルツル。豚の味も少しだけします。豚の臭み消しにネギと生姜がたっぷり使われているので、豚の旨みを香味野菜と一緒に飲むことができます。
前菜を食べ終えた後は夜市へ。夜市の中でも一番楽しみにしていた雞排(ジーパイ)のお店にまず向かいました。
10人以上が出来上がりを待っていて、私たちも20分ぐらい待ちました。そうするとまさに想像していた巨大フライドチキンが出てきました!
皮サクサク、肉のジューシーさは誇張して日本のフライドチキンの2倍、という感じです。このうまさがこの大きさで食べられることが幸せ。そのほかにもさつまいもスティックも揚げてもらいましたが、これもめっちゃ美味しかったです!梅味のパウダーをかけてもらってあっさり食べられました。
そのほかにも胡椒餅やスイカジュースなどを食べたり飲んだりしましたが、台湾に来たならば挑戦しなければならないもの、それが臭豆腐。
揚げた臭豆腐は日本人でも食べやすいと聞いたので、揚げられた臭豆腐を注文しました。少し甘酸っぱいタレがかけれらていて、台湾の漬物も添えられていました。
これが全く口に合いませんでした笑。「臭い臭いとか言って、食べてみたら美味しいんでしょっ」と思い、なんだかんだ期待値も上がっていました。ただやっぱり臭かった!笑 しかし、これでもう食わず嫌いではなくなったのでいい経験でした。
この1日は台湾文化を身をもってたっぷり経験した日でした。現代に合わせてアップデートされている台湾文化、古き良き台湾文化。その台湾文化にデザイナーの方々の力を借りて春聯を通して入り込み、臭豆腐に追い返されるという、食・宗教・芸工の文化を堪能した1日でした。