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スタートアップ経営者がこの本を読むべき3つの理由

 

上場準備、人材採用、資金調達

 スタートアップ経営者が考えるべきこの3大テーマについても、新著『ESG投資で激変!2030年会社員の未来』は大きく関係しています。

上場準備の大前提、株式市場の原則をレクチャー


 ESG投資は新しいルールのようですが、もともとある株式会社のルールの上に成り立っています。上場の前に必ず理解しておきたいことです。
 「上場する意味は何か」「外部株主とはどんな存在か」「資本にコストがあるとはどういうことか」という株式市場の原点を、8月に上場した株式会社クラシコムの役員や社員に対し、上場準備の段階で実際にレクチャーした内容を元に説明していきます。(第1章、第2章)

 さらに、ステークホルダー資本主義とコーポレートガバナンスの原則がどう関連するのか、船のたとえ話を用いながら世界一わかりやすく解説します。(第5章)
 役員報酬・指名や、執行と監督の分離など、上場準備中にじっくり考えておきたいガバナンスの原則についても事例を使ってやさしく掘り下げます!

人材採用とパーパスの関係を説明

 二点目。人材採用・育成において、企業のパーパス(存在意義、企業理念、ミッション・ビジョン・バリュー)がはっきりしていて、個人のパーパスと一致していることが一層、重要になっています。
 メルカリマネーフォワード丸井グループなどの日本企業の事例に加え、ユニリーバで行われている個人のパーパスを探るプログラムを紹介します。(第6章)
 メルカリの小泉会長のご自身の体験を踏まえたパーパスの話も大変興味深いです。

 また、機関投資家が、働きがいのある会社は株の投資リターンも高くなることに気づいています。経営者として、従業員の働きがいや働きやすさを一層重視する必要があります。(第4章)

資金調達にもパーパスとESGが問われる例を紹介

 三点目、資金調達。ESG経営とはつまりパーパス経営ですが、強いパーパスは、人だけでなくお金も引き寄せます。クラシコムの社長の青木さんが、上場のだいぶ前に、グロース投資の名ファンドマネージャーのアセットマネジメントOneの岩谷さんに会い、投資とは関係ない雑談をしたエピソードを掲載しました。(第3章)

 そこで岩谷さんは、もし投資するなら経営者のどんな要素を見て判断するのかを話してくれます。実は、「経営者が〇〇したい△△の大きさとか難しさ」を見ているのだそうです。〇〇とか△△は本を読んでいただきたいのですが、要するにパーパスを見ているのです。
 これはシリコンバレーのVCも米系大手運用機関のファンドマネージャーもみんな言っていることです。
 資金調達には、強くて良いパーパスが必要なんです。

スタートアップやグロース企業へ波及

 ESG投資とリターンの関係についてもう少し続けましょう。
 プロの投資家が重視するESG課題とは、企業価値算定(DCF)において成長率を上げるか割引率を下げるものなのだと私は理解しています。
  重視すべきESGとは投資家の利益を損なうものではなく、むしろ長い目では儲かるであろうはずものです。どんなものがあるか、ソニーグループなどの事例を用いて説明しました。(第3章)

 ESG投資はが中小型株や未上場株への投資にも広がっていまて、「ビジネスモデルは素晴らしい会社だったけどESG基準に満たなかったから投資を見送られた」ケースも最近よく聞きます。選ばれるためには必須なのです。  
 MPower Partnersのように国内でもESG重視型VCも設立されています。Mpowerのゼネラルパートナーの関さんのインタビューも掲載されています。

「Why」に答える本


 このように、上場準備、人材採用、資金調達、どれもESGに関係あるのです。この本は、「なぜESGが重要なのか」「なぜガバナンスか」という「Why」に答える本です。
 なお、「Why」(なぜやるのか)には触れず、どのように「How」開示するのかという本は他にたくさんあるので、「How」についてはあまり触れていないことはご承知おきください。
 9月1日発売です。ぜひお手に取ってお読みください。

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IR(インベスター・リレーションズ)の経験などに基づいたテーマで記事を書いています。幅広い層のビジネスパーソンにも読んでもらえたら嬉しく思います!