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加藤製作所(証券コード: 6390)
企業概要
株式会社加藤製作所(KATO WORKS CO., LTD.)は、建設機械や産業機械の製造・販売を手掛ける日本の企業で、特にクレーンや油圧ショベルなどの製品で知られています。
業績状況
2025年3月期第2四半期(2024年4月~9月)の連結決算では、売上高は前年同期比10.4%減の264億8,300万円、営業利益は同5.6%増の8億4,500万円、経常利益は同16.5%減の13億4,000万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純損失は49億8,800万円の赤字となっています。
通期予想に対する達成率と上振れの可能性
2025年3月期第2四半期の決算発表において、特別損失の計上に伴い、通期業績予想が修正されました。売上高は前期比7.0%増の615億円、営業利益は同9.3%減の15億円、経常利益は同37.9%減の16億円、親会社株主に帰属する当期純損失は42億円と予想されています。
中間期達成率は以下の通りです。
・売上高: 43.4%
・営業利益: 56.3%
・経常利益: 83.8%
利益面では順調な進捗を見せていますが、売上高の進捗が低いため、下期の売上拡大が課題です。
特別損失の計上
2024年11月8日、加藤製作所は中国事業の見直しに伴い、現地子会社2社の解散・清算を決定し、これに関連する特別損失61億8,000万円を計上しました。この特別損失の主な内訳は、工場設備や売上債権の評価損であり、多くはキャッシュアウトを伴わないものです。
株価指標(2024年12月13日時点)
株価: 1,449円
時価総額: 約170億円
予想PER: 赤字のため算出不可
実績PBR: 0.37倍
配当利回り(予想): 4.83%(年間配当70円)
ROE(実績): 9.53%
自己資本比率: 48.09%
将来性の評価
加藤製作所は、国内外での事業展開や新製品の投入など、成長戦略を推進しています。特に、2024年12月にはインド市場への進出準備として「インド事業準備室」を新設することを発表しており、新興国市場での拡大が期待されます。しかし、中国事業の見直しに伴う特別損失の計上や、業績予想の下方修正など、課題も抱えています。今後の業績改善には、海外市場での競争力強化や収益性の向上が求められるでしょう。
総合的な分析
加藤製作所は、堅実な財務基盤と高い自己資本比率を維持しており、配当利回りも魅力的です。しかし、直近の業績悪化や中国事業の見直しによる影響が懸念材料となっています。投資判断に際しては、同社の海外展開戦略や業績回復の動向を注視することが重要です。