新サービスは「やりたいこと」+「どのように利益を得るか」で考える
「新しいビジネスを始めよう」という時、「どのように利益を得るか」ということも必ず考えるべきです。これは、企業・副業双方において必要なことです。
例えば、「私はお弁当屋さんをやりたい」という場合と、「私はアプリを作りたい」という2つのアイデアがあったとしましょう。どちらも「やりたい」という意味では共通ですが、ビジネスモデルとしては異なります。子どもが書く将来の夢ではないのですから、その点についてもしっかりと考慮した上で、我が社(副業の方なら「私」)は「お弁当を売るか、それともアプリを売るか?」を考えなければなりません。
企業(副業)が収益を得るには、いくつかのビジネスモデルがあります。ここでは4つ挙げてみましょう。
1)仕入れたものをそのまま販売
2)仕入れたものを加工して販売
3)自社(自分)にしか作れないものを作り販売
4)自社(自分)が持つ知識(資格)・サービスを提供
この4つを「参入のしやすさ」「ライバル」「商品作り」「職業に就きやすいか」の4つの視点で考えてみましょう。
参入のしやすさ
参入のしやすさという点では「1」でしょう。ただし、販売するのに資格の必要な商品、または法率で禁じられている商品もありますのでその点は注意が必要です。
「2」、「3」、「4」は、付加価値が必要です。難易度の高い資格、高度な知識、またはセンスなどが求められます。
ライバル
「1」は、参入しやすい分、ライバルがたくさんいます。ですから、多くの人が同じ商品を販売することもあります。「たくさんいるライバルの中から我が社で買うとココが素晴らしい」という点をPRしないと、あなたの会社(あなた)から買ってもらえません。あなたもライバルも扱う製品は同じです。そいうなると、お客様が比較するのは、「価格」や「商品提供までのサービス(配送など)」になります。商品が同じなら1円でも安く買いたいのが顧客心理です。つまり価格競争が起こります。これに負けるとあなたの会社から商品は売れません。だからライバルが1円下げるとあなたの会社も1円下げることになります。そうするとまたライバルが1円下げ、そしてあなたも1円下げ……が繰り返されます。これに巻き込まれると利益はどんどん減る一方です。好ましいビジネスモデルを考えるなら、これには巻き込まれるべきではないでしょう。
「2」、「3」、「4」もライバルがいることは事実です。しかし顧客は単純に価格だけで比較しません。サービス、品質なども重視します。例えば、2の業種の一つにレストランがあるでしょう。「今日は記念日なので静かなレストランで食事を」という時、お店の雰囲気を重視しますね? もちろん「予算」があるので、価格のチェックも必要ですが、「まず価格からチェック」ではなく、「条件から探す」ことになるのではないでしょうか。「静かなレストランで食事」に行きたい時に、ファーストフードや居酒屋のような店は選びません。このように付加価値をつけることで、価格競争に巻き込まれることを避けることができます。その結果、利益を確保することが可能になります。
商品作り
「2」の業種の1つに、お弁当屋さんがあります。お弁当屋さんは毎日お弁当を作らないと商品がありません。「今日はお弁当を作らないけど、お昼にはお弁当を売るぞ!」はできないのです。それに対し「3」の業種の1つに挙げられる「ソフトウェア会社」(例:スマホゲーム)は、毎朝お客様のためにゲームを作る必要はありません。「今日は100人のお客様がゲームをするらしいから100個作るぞ!」にはなりません。ソフトウェアの開発は、商品が出来上がるまでには非常に時間もコストもかかります。しかし、商品が完成すると、あとはダウンロード等してもらうだけです。1人がダウンロードしようが、100万人がダウンロードしようが同じです。(サーバの負荷、バージョンアップ、メンテナンス等については省略)
お弁当屋さんの場合、お客様が1人なら1つ準備すればよく、100万人なら100万人分準備しなければなりません。1日100人分のお弁当しか作る余裕のない会社に100万人分の注文が来たら、受けることはできません。しかし、スマホゲームの場合、毎日人数分作る必要もありませんし、お客様が1人でも100万人でもゲームは1つあればOKなのです。
職業に就きやすいか
仕事には、「資格不要なもの」、「専門知識が必要なもの」、「該当する資格を取得していないとできないもの」などいろいろあります。例えば、「4」の場合、難関試験を突破しないと得られない資格や、非常に高い技術を要求されるものなどが挙げられます。参入しにくい分、ライバルが減ります。しかし、資格を取得する・技能を得るまでに何年もの時間を要するものもあります。例えば医師免許を取得する場合などが挙げられますね。「来月から始めたい」という場合には、これらは選ぶことは難しいものです。
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それぞれのビジネスの「メリット」「デメリット」をきちんと把握した上で、「私はこのビジネスに参入する」と決めなければなりません。なぜなら「価格競争に疲れたから、明日からアプリを作って売るか」ということが簡単にできないからです。
どれを選んでも共通して言えることは、「今はそれで成功しても10年後はわからない」ということです。時代の流れとともに、ビジネスの環境も変わります。例えば、いつの時代においても、私たちは毎日食べなければ生きていません。しかし、昭和20年代と現代の「食事」は異なります。環境の変化に臨機応変に対応することも意識しておかなければなりません。
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