「サンクコスト」について考える
「サンクコスト」という言葉を聞いたことはありますか? 「サンクスコスト」ではありませんので間違えないようにご注意ください😉
「サンクコスト」は「埋没費用」とも言います。これまで事業に投資したお金で、その事業をやめても(縮小なども含めて)回収することができない費用のことです。例えば、あるプロジェクトを開始したとしましょう。途中で「これは中止すべきか否か」という問題に遭遇することがあります。その時、すでに費やしたコストは回収できないですよね? それが「サンクコスト」です。
企業で作る商品はもちろん、公共事業なども該当します。特に初期投資が大きく他に転用できないものの場合、サンクコストの問題は大きくなります。
ここでいう「コスト」は、「お金」に加え、「労力」や「時間」もです。それらすべて含めて「サンクコスト」と考えることができます。
ビジネスがうまくいかなくなった時、そのコストを取り返そうとしたくなるのが人の心。「これまでせっかく費やしたのに(頑張ったのに)、ここでやめるなんてもったいない。もっと頑張ればなんとかなるよ。」などと思うものではないでしょうか。
ここまで読んでお気づきになったかと思いますが、サンクコストの考えは、「これから新規ビジネスを行うぞ!」という時や、「今、うちの商品売れてに売れている!」という時には必要のない考え方です。「うまく行かない」という時にぶつかる問題です。
マーケティングを行っていると、商品に対する思いが強くなりませんか? 中には、商品を我が子のように思っている人もいるのではないでしょうか。きっと、あなたの取り扱う商品がそのような場面に置かれたら、簡単に撤退しようとは思わないでしょう。そうなると、「撤退」や「縮小」という言葉に反発したくなるかもしれません。
例えば、たくさんの機械を購入して商品を作り始めたけど、まったく売れない。ずっと赤字続きだったとします。そういう時に、その事業を中止するか継続するかという判断が出てきます。しかし、このプロジェクトを立ち上げ商品を販売することになった労力、そしてそれに費やしたコストなどを考えると、「売れない」という結果が出てもなかなかやめにくにものです。ここで「これまでのやり方は悪かった」ということで、売れない問題点を発見し方向転換して成功することも可能かもしれません。または、すでに投下したコスト(例:工場・機械など)は戻ってこないのですから、「失ったもの」とみなし、新たに必要なコスト(例:製品を作るための原材料など)で十分な利益が得られればいいというのも一つのアイデアかもしれません。もちろん「事業売却」という考え方もあるでしょう。ですが、いずれをやっても成功しなかった場合、その先新たな資金を投じるよりは撤退した方がいいとなります。
「サンクコストを検討しなければならないようなプロジェクトにすればいい」と思うものです。しかし、当初の計画は順調でも、自社の問題のみならず社会的な問題や、自然災害等により環境が変化することもあります。また、当初はうまくいっていたけど、そのビジネスを長期に渡り行うことによりビジネスの環境が変化することもあります。
あなたの取り扱う商品が、もしサンクコストの問題にぶつかったらどうしますか? 悪くなりそうな変化の兆候が出たらすぐに察知して、早めにこの問題に遭遇しないようにしたいものですね。早く発見することで事態が大きくなる前に回避することもできるでしょうから。
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