ブロックチェーンとデジタルアートと風の時代
ブロックチェーンを活用したデジタルアートオークションのニュースが話題になりました。
これまで私たちは「著名な人が創作した1点物(絵画など)だから価値がある」と感じたものです。だから複製の問題が起きます。
結論からいうとこれは「風の時代の仕組みが地の時代に抱えていた問題を解決した」と感じます。それでは地の時代に起きていた問題点を見ていきましょう。
地の時代の問題点1:文化財は修復と保存が大変
みなさんはアートは好きですか? 私は、狩野永徳の国宝「花鳥図」に感動し、それから日本の美術に興味を持つようになりました。しかしこれらは長い間守り抜かれた結果、私たちは今見ることができるのです。狩野永徳は1500年代を生きた人物です。約500年間保管されたわけです。
保管することは容易ではなかったでしょう。昔は現代とは異なり戦が行われていました。また、住宅事情も異なります。湿気の管理などもできません。自然災害や火災も多くあったでしょう。幸いにして残った作品も、劣化が生じます。作品を後世に残すためには、修復しなければなりません。時間とコストがかかります。文化財を保存するということはとても大変なことなのです。1950年には「文化財保護法」が制定されました。
しかし、デジタルアートの場合、上記の問題を解決します。後世に残していくことが容易です。
地の時代の問題点2:著作権の保護
今回このニュースになった方法では、転売した時も作者に収益が入るそうですね。そうすると作者にとってもメリットがあります。
創作物にとって大きな問題、それは著作権です。日本でも著作権に関する法律があります。法律で著作者を守ることは大事ですが、すぐに法律が登場して「これはやってはいけません」と禁止するのもどうかと思います。
ビジネスにおいては、守ることも大事ですが、広めることも大切です。SNSなどでマーケティングをされている方は、たくさんの人に自社の商品を知って欲しいからですよね。
著作者が求めること、それは「法律を厳しくし、収益はゼロになってもいいから違法行為をする人を取り締まって欲しい」のではなくて、「著作者の権利を守り、著作者にも収益が上がる仕組みを作って欲しい」ではないでしょうか。「違法行為をする人は減り、無断で公開されることはなくなったけど、その結果誰にも知ってもらえなくなり、収益がゼロになった」では困ります。
世の中には、法律で取り締まらなければならないものがありますが、仕組みで改善できるものもあるものがあれば後者を利用すべきではないかと思います。
芸術の世界も風の時代へ
以上2点の問題を解決しているのが、今回のニュースだと思います。
風の時代といえば、インターネットです。「紙に描かれたアート」に対し「デジタルアート」はデータ上のものですから、風の時代ですね。そして、ブロックチェーン(仮想通貨の技術も同じ)も風の時代です。
風の時代の仕組みが地の時代に抱えていた問題を解決できるなら、素晴らしいことですね!
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以前は面白い話題があったら随時書いていた「風の時代のマーケティング」ですが、順序立てて理論的に執筆していこうと思い、2021年2月から連載にしました。ご興味のある方はぜひお読みくださいね。
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