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トルコと暗号資産(仮想通貨)

 暗号資産(仮想通貨)に関しては、最近は日本でもポジティブな情報が増えてきました。しかしそれでも「金余りだから」や「バブルだ」という情報を多く目にします。

 日本にいると、「日本基準」で物事を考えてしまいがちですが、暗号資産を考える時には、世界基準で考えていかないといけません。暗号資産は法定通貨ではありません。だからこそグローバルな視点が大事なのです。そこで今回は、「トルコの視点」で考えていきましょう。

トルコとは?

 トルコは現在、通貨危機の状況にあります。トルコの通貨が大きく下落してしまったのです。

 通貨が大きく下落すると人々はどうするのでしょうか。「この国はそういう状況だから仕方ない」と諦めるのでしょうか? そんなことはしませんね。自分の資産を守ろうとするのではないでしょうか。

 日本人感覚で「お金を守る」というと、「銀行に預ける」と考えるかもしれません。しかし通貨危機ですから、銀行に預けてもお金の価値は守れません。泥棒から守ることができるくらいです。「盗まれないようにする(守る)」と「価値を守る」では意味が違います

 「価値を守る」ためには、何か別のものに換えてしまうという方法が1つあります。「価値が安定しているもの」や「高い価値を生むもの」に変えていくといいのではないでしょうか。そこで登場するのが、米ドルや、暗号資産なのです。

 トルコでは、サービスや商品購入の支払いので、暗号資産決済ができたそうです。しかし今月に入り、「暗号資産でサービスや商品の決済ができくなる(暗号資産そのもの売買は可能)」と発表されました。それによりトルコでは色々な問題が起きています。

決済禁止と発表されてから

 「暗号資産でサービスや商品の決済ができくなる」と発表されてからのトルコのニュースと、トルコ国民の行動を見ていきましょう。

 トルコ内で、googleで「暗号資産」というキーワードでの検索が急増しました。

 さらに、「ビットコイン」というキーワードの検索も急増しています。人々がどれだけ暗号資産に興味をもっているかということがよくわかります。

 決済が禁止されたことを受けて、事件も勃発しました。暗号資産取引所のCEOが顧客の資産を持ち逃げしたそうです。持ち逃げすることはもちろん良くありません。しかし、日本人感覚で「それはよくないよね」とただ非難しても物事の背景は見えないのかと思います。それほど通貨危機が深刻なのでしょう。

 事件が進展しています。

 さらなる問題が!

 事件が起きたことで、法整備が行われるそうになったそうです。確かに、法律も必要かもしれません。しかし、国民にとって法整備だけで十分満足なのでしょうか。

 私たちは事件が起きると「これは危険だからやめよう」思うことがあります。しかし、トルコでは暗号資産取引所の事件が起きても、「ビットコイン」というキーワード検索は右肩上がりです。

 この状況を見ると、暗号資産取引所の法整備をすれば全て解決とも言えないでしょう。

暗号資産を考える時は、日本的な視点で考えると誤った判断を行う可能性がある

 日本では、「暗号資産はバブル」と言う人もいます。しかし世界に目を向けると、暗号資産を必要とする人は、日本の専門家がいうように「金あまりだから」という理由で暗号資産を買っている人ばかりではありません。

 国が通貨危機で、自分の資産を守ろうと必死な人に対して「金あまりだ!」とは言いませんね。

 暗号資産市場には、様々なプレイヤーがいます。日本のように「法定通貨が安定しており、暗号資産を投資の1つと考える人」、そしてトルコのように「自分の資産を守るために暗号資産を利用する人」、または「その他の目的(例:決済)で利用する人」などがいるのです。

 暗号資産についての記事を読む時や暗号資産について考える時は、グローバルな視点を持っているかどうかということがとても重要ですね。

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 私は、暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーンを「風の時代の通貨」と考えています。

 2021年2月より「風の時代にあったビジネス・マーケティング戦略」について理論的に執筆しています。ご興味のある方はぜひお読みくださいね。

*Twitterより引用

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