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ネット番組の収益源とPL管理(テンプレ配布中)

ネット番組の継続は、視聴者の関心を引きつけるコンテンツを提供するだけでなく、効果的な収益モデルを構築することが不可欠です。
特に、損益計算書(PL)を活用することで、収益の流れを明確にし、継続的な運営戦略を立てることが可能になります。
本記事では、さまざまな媒体や手法での収益化特性を見極め、番組収益化のためのPL構築について詳しく解説します。


1. PLの基本概念

損益計算書(PL)は、一定期間内の収益と費用を示し、最終的な利益を計算するための財務諸表です。PLは、以下の要素から構成されます。

  • 売上: コンテンツのプロジェクト全体から得られる収入。

  • 仕入・分配: 番組制作や運営にかかる全ての支出。

  • 利益: 売上から仕入や分配を引いた額。

PLを正確に構築することで、収益の源泉やコストの内訳を把握し、経営判断を行うための基礎データを得ることができます。
初期投資やランニングコストが会員数何名に達すれば回収できるのか、それはいつまでに達成すべき目標か、足切りラインはどこかなど、事前に想定しておくことで、収益性が見込める案件か把握できます。
また目標値に対して達成していない場合、施策を講じる目安にもなります。

クリエイターとしては思いついたものを実現したいのは山々ですが、稟議を通さないと実行できない場合もあるかと思います。
予定だけでも戦略的に見せる必要があり、そのためにもPLが必要になります。

2. 売上になる収益源(入ってくるお金)の多様化

ネット番組の収益化には、複数の収益源を持つことが重要です。
以下に代表的な収益源を挙げます。

(1)月額会員費

会員費を求めないオウンドメディアなどもありますが、
ニコニコチャンネル番組での最も大きな収益源は、有料会員費でした。
会員になってくるファンの皆様おかげで番組継続ができるのです。
会員限定で視聴できるコンテンツ(生放送の後半部分、アーカイブ、特別なインタビュー、アフタートークなど限定エピソード)など、有料会員限定のコンテンツを提供し、視聴者のロイヤリティを高めることができます。
また会員限定の応募者全員プレゼントなど、番組に紐づいたグッズ企画などで、新たな会員を増やす施策も実践していました。

(2)スポンサーシップ

スポンサーシップは、企業が番組に対して資金提供を行うことで、広告効果を得る仕組みです。スポンサーシップを獲得するためには、以下のステップが必要です。

  • ターゲット企業の選定: 番組のテーマや視聴者層に合った企業をリストアップします。

  • 提案書の作成: 番組の視聴者データや過去の成功事例を基に、スポンサーに対する具体的な提案を行います。

  • 商談の実施: 企業との商談を通じて、スポンサーシップ契約を結びます。

スポンサーにとって一番重要なのは、その番組への資金提供によって、集客などの効果が得られるかだと思います。
そこで重要になるのが「親和性」です。具体的に言うと
・訴求したいターゲット層が一致しているか
・互いにメリットのあるWin-Winの関係か
です。
コンテンツ制作側には資金はありませんが、インフルエンサーマーケティング、ファンコミュニティなどが形成されており、スポンサー側が新たな市場を開拓したい際にそれらが有効であれば、スポンサーシップが結べるという収益源の仕組みです。

(3)広告収入

広告収入は、番組内で広告を流すことで得られる収益です。広告の種類には、以下のようなものがあります。

  • バナー広告: 番組のウェブサイトやSNSに表示される広告。

  • 動画広告: 番組内で流れる動画広告。

  • アフィリエイト: 特定の商品やサービスを紹介し、購入があった場合に報酬を得る仕組み。

広告収入を得るためには、視聴者数を増やし、広告主にとって魅力的な媒体となることが求められます。

実例:YouTubeで広告収入
配信媒体が広告収入を得られるシステムかも見る必要があります。
実際、広告収入源は、YouTubeでのアーカイブ配信から得ていました。
チャンネル登録者数:1,000人以上
過去12か月間:4,000時間以上の再生時間、または90日間でショート動画1,000万回以上の視聴
という条件をクリアし、申請をし、審査が通ったのち収益化ができます。
ミッドロール広告を有効にし、任意のタイム(6分と12分に表示など)
広告設定ができます。
詳しくは下記ページなどをご参照ください。

《参考ページ》
▼YouTube で収益を得るには
https://support.google.com/youtube/answer/72857?sjid=13111109491685054410-NC

▼動画をアップロードして広告で収益化する
https://support.google.com/youtube/answer/7561938?hl=ja&ref_topic=9239982&sjid=13111109491685054410-NC

▼長い動画のミッドロール挿入点を管理する
https://support.google.com/youtube/answer/6175006?hl=ja&ref_topic=9257896&sjid=13111109491685054410-NC#zippy=%2C%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F

(4)グッズ収入

グッズ収入は、番組に関連したグッズを作ることで獲得する収益源です。

(5)投げ銭(なげせん)

視聴者が配信者に対して感謝の気持ちや応援の意を込めて金銭を送る行為を指します。
投げ銭は、特にライブストリーミングプラットフォームや動画配信サービスで一般的に行われており、視聴者がリアルタイムで配信者に対して直接的に支援を行う手段として広く認識されています。
ただこちらは、配信者や事務所によってはNGを出される場合も多いため、その際は投げ銭機能をOFFにします。

(6)イベント収入

イベントを開催し収入を得る方法もあります。

ベースはだいたいこのような項目になってくるかと思います。

3. 仕入・分配(出ていくお金)には何がある?

収益を最大化するためには、仕入費用の管理も重要です。
以下のポイントに注意して、費用を適切に管理するといいと思います。

(1)制作費用の把握

番組制作にかかる費用には、以下のようなものがあります。

  • 人件費: 制作スタッフや出演者の報酬。

    • 出演費

    • ヘアメイク費

    • スタイリスト・衣装費

    • 外注費(構成作家・動画制作者・画像制作者など)

    • その他スタッフ費(専門家・監修者など)

  • 撮影費: 撮影に必要な機材の購入やレンタル費用。

    • スタジオスタッフ・機材費

      • ディレクター

      • カメラマン

      • 音声

      • スイッチャー
        など

  • ロケーション費: 撮影場所の使用料。

    • 撮影スタジオ費

    • 小道具・セット代

  • ケータリング: 売上収益に対する分配費用。

    • お弁当代

    • お菓子代

    • 飲料代(お水・お茶など)
      ※番組中に出演者が飲んでいる水なども含む

  • 配送費・運搬費: 配送や運搬にかかる費用

これらの仕入れにかかる費用や分配を正確に把握し、予算を設定することで、無駄な支出を抑えることができます。

(2)マーケティング費用

視聴者を増やすためのマーケティング活動にも費用がかかります。SNS広告やプロモーションイベントなど、効果的なマーケティング手法を選定し、費用対効果を考慮して実施しましょう。

ただ自社案件などの場合、ここにかける費用がない場合は、自作のプレスリリースを記事を作成したり、それらを関連のポータルサイトに掲載していただけるようメール送付したり、泥臭く頑張る方法もあります。

(3)運用コスト(工数)

見落としてはいけないのが、上記の項目を手配・運用していくスタッフの工数です。
出演者をキャスティングするのは誰で、どのくらいの時間をかけるのかを考えなければいけません。例えば、時給1,500円の人が3時間かける必要のある作業であれば4,500円がかかります。
そしてその方への給料だけではなく、その作業を行うためのインターネット回線使用料、ツール使用料などのIT関連費用、そしてオフィスがあればオフィスの家賃などの費用も発生しているはずです。
イレギュラーな施策なども入れば、さらに運用コストがかかってきます。
工数計算は、プロジェクトや作業の規模を把握し、必要なリソースを見積もるために重要です。
これらの運用コストを適切に管理し、効率化を図ることで、長期的な収益性の向上につながります。

4. PLの作成と分析

PLを作成する際は、売上収益と仕入れ費用・分配金を定期的に記録し、分析することが重要です。以下の手順でPLを作成しましょう。

(1)データの収集

収益と費用に関するデータを収集します。
これには、スポンサーシップ契約書や広告収入の明細、制作費用のやり取り、請求書などが含まれます。

(2)PLの作成

収集したデータを基に、PLを作成します。収益と費用を項目ごとに整理し、最終的な利益を計算します。

(3) 分析と改善

作成したPLを分析し、収益の増加や費用の削減が可能なポイントを見つけます。例えば、予定していた入会数に達していない場合、ゲスト施策や入会を促すような会員限定施策、新たなコンテンツを検討するなど見直すことが考えられます。

5. 収益化戦略の見直し

PLを基に収益化戦略を見直すことも重要です。以下のポイントを考慮して、戦略を改善しましょう。

(1)新たな収益源の開拓

収益源を多様化するために、新たな収益モデルを検討します。例えば、オンラインイベントの開催や、視聴者参加型のコンテンツ制作などが考えられます。

(2)視聴者のフィードバック

視聴者からのフィードバックを収集し、コンテンツの改善に活かします。視聴者のニーズに応えることで、ロイヤリティを高め、収益の増加に繋げることができます。

実例として、Google Formを利用したおたより募集、企画要望の募集、大喜利募集など、ファン参加型を意識するとコミュニティの形成にも有効的です。

6. PLテンプレート配布

ネット番組の継続には、PLの構築が不可欠です。
収益源を多様化し、費用を適切に管理することで、持続可能な収益モデルを確立することができます。
定期的なPLの作成と分析を通じて、収益化戦略を見直し、番組の成長を促進しましょう。
実際にどんなものか、作るより買ったほうが安いと思う方は下記からダウンロードしてお使いください。

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