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MCA Meet Up #05「30代のためのマーケティング職キャリアガイド」開催レポート

第一線で活躍するマーケターをゲストに招き、パネルディスカッションとネットワーキングを通して「社内ではなかなか解消できない悩み」を解決するきっかけを提供する、MCA Meet Up。第五回目は2020年6月17日に開催され、「30代のためのマーケティング職キャリアガイド」シリーズのひとつとして、スタートアップ企業で奮闘するマーケター、そして、カスタマーサクセス/コミュニティマーケティングに取り組むマーケター、ジャンルの異なるおふたりのお話をうかがいながら、そこにある共通項を探る一夜となりました。

MCA Meet Up #05「30代のためのマーケティング職キャリアガイド」
2020年6月17日(水)18:30~20:30
<パネリスト>
Vamp Japan
カントリーマネージャー
椿遼 氏
Chatwork株式会社
マーケティング部兼カスタマーサクセス部 コミュニティマネージャー
藤井香苗 氏
<モデレーター>
MCA理事
株式会社ニューバランス ジャパン マーケティングディレクター
鈴木健 氏
<MC>
一般社団法人渋谷未来デザイン 事務局次長 兼 プロジェクトデザイナー
NEW KIDS株式会社 代表
長田新子 氏

前回に引き続き、オンラインでの開催となったMCA Meet Up。参加者のみなさんへは冒頭に「ぜひお酒などを飲みながら」とアナウンスされ、リラックスしたムードで会はスタートします。

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今までのキャリアを振り返ると?

「ふたりは全然違う仕事」とモデレーターの鈴木さんが紹介した今回のゲスト。
藤井さんは自身の仕事をこう説明します。

「Chatworkは言わばLINEのビジネス版のようなものなのですが、ファンがあたらしいファンを連れてくるかたちで新規ユーザーが増えていくことが多いです。キーマンとなる既存ユーザーにアプローチして、いかに口コミを広げてもらうか、その設計をしていくことがコミュニティマーケティングの仕事です。
それは、コミュニティに対して商品を売るのではなく、コミュニティを通してより多くの人たちに対して売っていくという考え方。
最近は他社でもコミュニティマネージャーという肩書きは増えていますが、会社によってはまだ、上層部の理解が必要な職業と言えるかもしれません」

対して椿さんは、最初に日本コカ・コーラ、ついでレッドブル・ジャパンと、大きな企業からスタートした自身のキャリアを振り返ってこう語ります。

「メインの仕事は、インフルエンサーマーケティングの代理店ですので、影響力のある人を通して商品を売るという意味では藤井さんと近いものがあるかもしれません。
副業のほうはスタートアップなので、マーケターと言っても、なんでもかんでもやっているというのが正直なところです。
大企業から始まって、自分が従事する企業の規模はだんだん小さくなってきましたが、それは“自分が成長したい”ということを考えて選択してきたキャリアです。
最初に大きい会社に入って良かったのは、テレビCMを流してスーパーで商品が山積みされて…と、大企業じゃないとできないような経験ができたこと。でも裁量権はなかったので歯痒かったんです。その思いが強くなり、自分の手の届く範囲でできることにやりがいを感じるようになっていきました」

実は今回MCを務めた長田さんとは、互いの前職(レッドブル・ジャパン)で共に働いていた椿さん。当時の上司である長田さんは、椿さんのライフワークであるバンド活動にも触れながら振り返ります。

長田「(椿さんの)分析力は特に力になりました。マーケティングにおいて分析は根幹。一方私は直感的に動く部分の多いタイプなので(笑)。ロジカルな部分と、ロック魂でそのロジックから外れていく人間味、そのバランスがよくできている人だと思います」

鈴木「ロジカルな部分と人間的な部分が組み合わさって力になっていくというのは、マーケティングの面白いところですよね」

これからのキャリアの積み上げ方

今回のテーマは『30代のためのマーケティング職キャリアガイド』。おふたりから、マーケターとしてこれからキャリアを積み上げていこうとしている若い人たちに向けて、アドバイスがあるとしたらどんなことなのでしょう。

藤井「私はコミュニティを通じて成長してきたという実感があります。例えばこういうミートアップなどに参加してアンテナを張ること、そして、いろんな方と交流して“社会の物差し”で自分のスキルを計るということが重要だと思っています。いろんなコミュニティに顔を出してあたらしい知見をインプットし続けることがキャリアにつながっていくと思います」

椿「年齢とともに年収や肩書きが大きくなっていきますが、はたしてそれが目的なのか?と考えると疑問を感じます。仕事というは人生のなかで結構な時間をつかうもの。自分の好き嫌いに忠実に生きていないと不幸だなと思います。好き嫌いをきちんと考えて、幸せを追っていかないと死ぬときに後悔するんじゃないでしょうか」

おふたりの共通項のひとつは、かつて大企業に在籍し、そこから離れてキャリアを築いてきたこと。それに藤井さんは「ふたりとも大企業に戻ろうとしてないこともポイント(笑)」と添えます。

藤井「私は、家族を幸せにしながら、キャリアをどう描くか、というバランスをとても気にしています。次のキャリアがあるとしたら大手企業に戻るつもりはないですし、自分が応援したいところにいきたい。その考えの根底にあるのは“プライベートと仕事のバランス”ですね」

椿「僕はキャリアに関しては楽観的なので、『なんとかなるっしょ!』と思っています(笑)。ある企業で長く働いていると、次第に成長のカーブは緩くなってくる面があると思います。そのぶん、会社への貢献度は上がってはくるものの、やはり個人の成長の緩みに気付いてしまうと、会社を辞めたくなってしまう。だから基本的に僕は成長意欲にかられてキャリアを積んでいるのだと思います」

仕事のキャリアについての質問に、生き方についての言葉で返すおふたり。ともにその生き方はとても魅力的に思えます。
ここで参加者からチャットに寄せられた質問を紹介。「おふたりの自己肯定感はどこからきている?」との質問にはこんな答えが。

藤井「旦那がすごいポジティブな人なんです(笑)。私が落ち込んでると『なにを落ち込んでるんだ!』と背中を押される。そんなふうに、まわりに相談できる人がいるということが、精神的な安定感を生んでいるんだと思います」

椿「古くは大学入試に失敗して浪人して大学に受かって…という成功体験や、就職して仕事のがんばりで受けた評価などをひとつひとつ積み上げることで自信をつけていきました。
また、最初の会社で教わった大事なことに、「arrogance(放漫さ)ではなくhumble confidence(謙虚さ)を持つべき」というものがありました。それは“謙虚な自信”を持てということ。自信は大事だけど、天狗にならないようにということは日々自分に言い聞かせています」

今回のトークで際立ったのは、やはりこうした仕事上の哲学が、ふたりにとって生きる上での哲学と地続きになっているということだったのではないでしょうか。

『30代のためのマーケティング職キャリアガイド』と題されたものの、決して30代の方々だけに限らず、みなさんにとってうなずける、あるいはハッとする部分の多いお話をうかがうことができました。

そんな、笑いも絶えませんでしたが意義も深かった90分。そのあとは休憩を挟んで懇親会へ。
ここではオンラインミーティングのカメラを各自がONにして、よりフランクなムードで、引き続きたのしく語り合う時間となりました。

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